関大相撲部で稽古に励んだ安青錦(中央、山中氏提供)

関大相撲部で稽古に励んだ安青錦(中央、山中氏提供)

 九州場所も左上手を掴んだ安青錦が頭を押さえて上手投げを打ったが、ついてこられたことで土俵を飛び出して寄り切りで負けた。物言いがついてもよかった際どい一番だったが、これで対戦成績は0勝3敗となった。若手親方が言う。

「安青錦はレスリングで鍛えた腹筋や背筋の強さを活かした低い姿勢での攻めを持ち味とするため変化やはたきを食わないが、やはり幕内平均体重の150キロより10キロも軽いことの影響はある。ケガをしないためにも体重アップをしたいところだが、動きが鈍くなるのが心配です。

 そこで安青錦は筋力で体重アップを目指しているようです。大の里対策ということでは当面の課題は体重アップじゃないか。187キロの大の里に3連敗しているものの、過去2回は立ち合いでぶっ飛ばされて相撲を取らせてもらえなかったのが九州場所では善戦。際どい一番となった。2人の実力差は完全に縮まっている。

 大の里は安青錦戦で左肩をケガして千秋楽を休場。千秋楽に横綱が休場するのは異例中の異例。横綱相撲が取れない、ケガを悪化させるという師匠の判断だったのだろうが、協会内では師匠も含めて批判の声が上がっていた」

 もうひとりの大関の琴櫻は、大関在位11場所で2ケタ勝ったのは4場所しかない。2024年の九州場所で優勝したが、2025年は年6場所で2ケタ勝った場所はなく、8勝7敗が4場所もある。

「琴櫻に横綱昇進は期待できないでしょう。安青錦は稽古熱心で、礼儀正しい。ファンサービスも心掛けており、品格はすでに横綱級。恵まれた体と持って生まれた素質は認めるが、稽古嫌いで巡業でもほとんど土俵に上がらない大の里とは対照的。安青錦に横綱の期待がかかるのは無理もない」(前出・若手親方)

それでも現役最多の5回の優勝を誇る大の里に、白鵬の優勝回数45回を日本人横綱の大の里に抜いてもらいたいという期待があるのも事実。安青錦が大の里を超える日が来るのだろうか。

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