司組長は直参組長8人と盃
総本部が使えない六代目山口組。そのためガレージも広い清水一家は催しの会場として使われがちだ
集合時間も例年より早かった。直参組長らは朝6時までに会場入り、7時には高山清司相談役(前若頭)も会場入りしていたとみられる。現場にいた警察関係者はこう推測する。
「今年、長年本部長を務めていた森尾卯太男・大同会会長が舎弟頭に、若頭補佐だった藤井英治・國粹会会長が顧問に就任したことで盃において司組長との関係が“子”から“弟”に、さらに直参組長が6名誕生しているため、計8人の盃儀式を執り行なう必要があったため早めの集合になったのだろう」
8時45分、事務所前のシャッターが開かれ、玄関前に直参組長らが姿を現す。紋付袴姿の竹内若頭の袴には「取持人」と盃儀式での役目が記された紅白の名札がつけられており、平松大睦・源清田会会長には「媒酌人」、若頭補佐らには「立会人」、新直参6人には「子」、森尾舎弟頭、藤井顧問には「弟」と記されていた。盃儀式に参加しない直参組長も同様の衣装で六代目山口組における盃儀式の重要さが伺えた。
「本部長の山下昇・極粋会会長は『親分の御言葉』と書かれた紙を胸元に入れて竹内若頭らと談笑していた。新年を迎える式とだけあって柔和な雰囲気だった」(前出・実話誌記者)
10分後、会場の雰囲気が一転し緊張感に包まれる。黒いベンツが会場に滑り込み、姿を現したのは灰色のスーツに白いマフラー姿の司組長だった。その後、着付けを終えた司組長と盃儀式が執り行なわれたのだった。
後編では直参組長、そして司組長のカラオケセットリストに密着する。(後編につづく)
