9人目の子どもは昨年10月に産まれたばかり(家族提供)
道端で指を差されながら“人数”を数えられることも
──椅子取りゲームは人数が多いからこそ楽しいゲームですね。大家族だからこそ経験したことなどは。
お父さん 「本当に一人ひとり、性格がバラバラで面白いなと思います。血が繋がっているのである程度、傾向があるのかと思ったら全然違う。アンパンマンにハマる子もいれば、そうでなかった子もいたり。毎日飽きないですよ。もしみんないなくなったら、ボケそうです(笑)。
あとひとつわかったのは『子育てマニュアル』があんまり役に立たないこと。1人目を産んだときは必死に読み漁ったんですけどね。たとえば『テレビを見せず、外に連れ出すと頭がよくなる』とか。正直、あまり関係ないと思います。9人育てていて、本当にその子の性格次第だなと感じます。そういった“育児理論”のようなものは無視するようになってきていますね」
──宮前さんがおっしゃると説得力がありますね……。お子さんがたくさんいることでいやな思いをされたことなどはありますか。
お父さん 「まだ3人目か4人目が生まれたときに、道端で舌打ちをされたことくらいですかね……。子どもが広がって歩いていたので、ご迷惑をおかけしてしまったんだと思います。でも今はそういう態度を取られることは一切ありません。9人もいると逆に威圧感?というか、珍しいという印象が勝つみたいで。指を差して人数を数える方もいますよ(笑)」
──東京都の子育て支援について。なにか国や自治体に望むことなどはないですか。
お父さん 「東京都だけ通常の児童手当のほかに『018サポート』というのがあるんですよ。18歳までひとり月に5000円もらえる制度。これはすごく助かっています。東京都に関してだけいえば、高校も無償化したし、本当に支援が手厚くなっているなと感じます。もちろん色々言ったらキリがありませんが、おおむね満足していますし、ありがたいなと思っています」
──たとえばの話ですが、このパン屋さんをお子さんに継いでほしいというお気持ちはあるのですか。
お父さん 「強制はできないですけど、そうしてくれるなら嬉しいなとは思いますね。あくまで希望ですが。自営業は大変ですが、9人もいたらみんなでなんとか助け合って、生きていけると思いますから」
──9人目の子が10月に生まれたばかりだそうですが、ズバリ10人目はお考えですか。
お母さん「んー……、それはどうかな。未来のことはわからない、とだけ言っておきます(笑)」
取材に同席した子どもたちは終始楽しそうに遊んでいて、記者も微笑ましい気持ちになった。興味津々で話を聞く子もいれば、肩車や抱っこをせがむ子もおり、まさに“十人十色”の家族。インタビューを終えると、11人全員で外まで見送ってくれた。
家族観がどんどん変わっていく令和の時代で、「宮前さんチ」の子どもたちはどのように育っていくのだろうか──。
