重要指名手配被疑者の写真(警視庁HPより)
我々が運転免許証の写真やパスポート用の写真を撮ると、悪そうに見えるのもそのためだ。笑わないようにしよう、キレイに撮りたいと思ってレンズを見つめると、顔全体が緊張する。そうして出来上がってくるのは、指名手配犯みたいな顔写真だ。
表情は人に対して様々な意図や感情を伝えるという社会的な役割を持つといわれる。他者からの笑顔は親近感や信頼感を感じさせ、歓迎を表すように、強張った硬い表情は不信感や疎外感、拒否を感じさせるというように、表情は社会的なシグナルでもある。指名手配の写真の表情も犯罪は悪ということを示す社会的シグナルの1つだろう。
事件発生後、犯人逮捕や送致などで容疑者を報じる時の映像を見ると、メディア側も凶悪な犯人らしく見えるような写真や映像を選んで公開しているように見える。目つきが鋭かったり、何かを恨んで思い詰めているような表情が多い。カメラマンの位置や撮り方にもよるが、報じられる写真がどちら側を向いているか気にしたことはあるだろうか。人の顔は左右対称といわれるが、目の大きさや位置などに微妙な差がある。さらに表情には左右差があり、感情を表すには左側の頬を見せ、冷静で無表情を装いたいなら右側の頬を見せるのがいいといわれる。詐欺師などは左頬を見せて作り笑いをするらしい。
表情に差が出るのは脳に左右差があるためで、顔や体の右側をコントロールしているのは脳の左半球、左側をコントロールしているのは感情の処理に優れている右半球。だから顔の左側の方が感情がより強く表れる。公開手配された小畑容疑者のポスターにも、防犯カメラを見上げているような写真がある。わずかに顔の左側を見せているその1枚は、普段の表情がわかりやすいものだ。
2025年1月以降、行方がわからなくなり、今も逃亡を続けている小畑容疑者。警察は写真や映像を公開し、早期解決のため情報提供を求めている。情報の提供先は警視庁暴力団対策課か警視庁板橋警察署だ。
