JR東海一覧/6ページ

【JR東海】に関するニュースを集めたページです。

介護のリスク 献身的なほど監督義務者の責任問われる
介護のリスク 献身的なほど監督義務者の責任問われる
 ふらりと家を出て、行き交う人々の中へ消えていき、最寄駅から電車に乗り、隣の駅で降りる。どこへ向かっていたのか、人の流れに逆らって改札とは逆方向へ歩いていき、鍵のかかっていなかったホーム端のフェンス扉を開き、8段の階段を下りて線路内へ。そして、駅を通過する快速列車にひかれてしまった──。 事故が起きたのは、2007年12月。JR東海は柴田哲夫さん(仮名・享年91)の家族に対し、監督義務を怠ったとして、振替輸送費など720万円を求める損害賠償請求を起こしていた。一審の名古屋地裁は、同居していた妻(当時85才)と横浜市に住んでいた長男の責任を認め、720万円の支払いを命じた。 二審の名古屋高裁では長男への請求は退け、妻の監督義務を認め、妻に360万円の支払いを命じていた。 しかし、遺族とJR双方が判決を不服として最高裁に上告。認知症の人を介護する家族の監督責任を巡る初めての最高裁判決として、注目を浴びていた。そして事故から8年以上が経ったこの3月1日、最高裁は、遺族の逆転勝訴を言い渡した。「同居の夫婦だからといって直ちに監督義務者になるわけではなく、介護の実態を総合考慮して責任を判断すべきだ」として、家族にJR東海への賠償を命じた二審の名古屋高裁の判決を破棄し、請求を棄却。 遺族は代理弁護士を通じて、「大変温かい判断をしていただき、心より感謝申し上げます。父も喜んでいると思います」というメッセージを発表した。◆介護をするほど“リスクを負う”という矛盾 裁判で争われたのは、「家族は監督義務者にあたるか」「あたるとしても、ホームの柵に鍵がかかってなかったなどJRにも過失があるので家族は免責されないのか」の2点。 予備軍も含めると、65才以上の4人に1人といわれる認知症患者。この裁判で争われたことは、現在介護している家族だけではなく、すべての日本国民に無関係とはいえない。今回の事例では、妻は当時85才で要介護1の状態、息子は長年にわたって別居していたことから、「監督可能だったとはいえない」として、JR東海の請求を退けた形になる。 弁護士などの専門家や、同じ認知症患者を家族に持つ人たちからは、かねてから「同居する妻が原則として監督責任者になるという判断は酷だ」との批判が多く、最高裁の判断には「温かい判断だ」「家族も救われる」との声が上がった。「大企業なんだから、そこまでしなくても」「遺族に酷すぎる」などと非難する声もあったJR東海は、最高裁の判決を受けてこんなコメントを発表した。「個々にはお気の毒な事情があることは十分に承知していますが、当社としては列車の運行に支障が生じ、振替輸送に係る費用なども発生したことから、裁判所の判断を求めたものです。今回の判決については、最高裁の判断ですので真摯に受け止めます」 認知症の母の介護を経験した、『「ペコロスの母」に学ぶ ボケて幸せな生き方』(小学館)の著者、岡野雄一さんもホッとしたと胸をなでおろす。「もし判決が違う方向に向いたら、認知症の家族を閉じ込めるしかないという事態になりかねない。もしそんなことになったら、“あの家には近づかないほうがいい”なんて、ますます孤立してしまう。それが当たり前になってしまう時代が来そうな気がしていたので、この判決で扉が開いたような感じがします。 介護というのは本当に大変で、名古屋のご家族の場合は、奥さんも、息子さんも、息子さんのお嫁さんまで介護をしていてよくやっていらしたと思います。それでもこのような事故が起きてしまう。介護が原因で離婚しちゃうような人もいるなか、こういう事故が起こる可能性は他人事ではありませんから」 ただし、だからといって、これが本当に“円満解決”といえるかどうかは疑問符がついてしまう。実際、インターネット上には、今回の判決に“安堵”という言葉とともに、こんな意見もあった。「もし、息子が同居したら監督責任を問われていたのか?」「介護すればするほど責任を負うなんて、矛盾していないか? だったら家族はみんな同居を避けるんじゃないか。認知症になったら施設に入れようとなるのではないか?」「JRという企業相手だからこれでいいけど、企業も振替輸送とかで被害が出たのは事実だし、もし被害者が死んでいたりしたらこれでいいといえるのか」 介護コンサルタントの山田滋さんは、こんな問題を指摘する。「仮にこの家族に専業主婦の娘がいて、父を献身的に介護をしていたらどうなるのでしょうか。間違いなく監督義務者責任を問われるでしょう。つまり、介護力が充分な家族が献身的に介護すればするほど、監督義務者の責任が問われるのです。当然、きょうだい間で認知症の親の引き取りを拒んだり、あまり熱心にかかわらない方が無難、中には、家から出さなければいいと考える家族も出てくるかもしれません」 他にも見落としてはいけない問題がある。もしこれが、企業相手でなく個人に損害を与えていたらどうなるか? もし、認知症患者の行動によって、夫や妻、あるいは幼い子供など、最愛の人の命が奪われたら…。※女性セブン2016年3月24日号
2016.03.11 16:00
女性セブン
認知症家族の見守り策 GPS内蔵の靴、介護ロボットなど
認知症家族の見守り策 GPS内蔵の靴、介護ロボットなど
 認知症患者の家族にかかる負担は大きい。少し目を離した隙にふらりとどこかへ消えてしまうこともある。ケアする側は身心ともに休まる時がない。しかも、徘徊の末に事故を起こしてしまった場合、その賠償請求が「家族」へと向けられるケースが出てきているのだ。 たとえば、2007年、愛知県大府市で徘徊中の認知症男性(91、当時)が列車にはねられ死亡した事故をめぐり、JR東海が遺族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3月1日に下される。 では、家族はどうすればいいのか。多くの実例を見てきた「認知症の人と家族の会」愛知県支部の尾之内直美・代表の解決策は具体的だ。「家族にはデイサービスのような施設を週2~3回、上手に利用することをお勧めしたい。出会いが刺激になり認知症の進行予防になる。同時に家族にとっても休息を取ってゆとりができるから、いい方向への生活サイクルができる」 行き先を告げず外出されてしまうことを完全には防げないが、家族を助けるグッズ・システムもある。セコムが発売する「ココセコム」はGPSを通じて機器を携帯する人の居場所が高精度で検知できる。 認知症対応の特定割引プラン(基本料金月500円)があり、初期費用は機器代金、充電器代金を含め7000円から。コールセンターへ連絡すれば専門のオペレーターが現在位置を検索して知らせてくれる(別途料金)。緊急の際には要請に応じてガードマンが駆けつけるサービスもある。「見守り端末」を携帯するのを嫌がる高齢者は少なくないが、身につけてもらう工夫もさまざまだ。「首にかけるストラップを自力では抜けないように短くして本人の目に付きにくくしたり、ジャケットの内ポケットに縫い込んだり、家庭によって工夫があります」(尾之内氏) 本人に機器の存在を意識させないよう工夫した商品が「みまもりシューズ」(システムインナカゴミ)。靴の踵部分にGPSが内蔵されている。価格は6万9000円と高めだが、2年間のシステム使用料を含んでいる。「見守り介護ロボット・ケアロボ」(テクノスジャパン)は、サービス付き高齢者住宅などに住む独居の認知症高齢者向けの商品。室内での動きを検知するセンサーのほか、本人が何か困った際に声に反応してコールセンターを呼び出す機能もある。 尾之内氏の所属する「認知症の人と家族の会」では、毎月1回、家族や本人を交えた交流会を開いている。「認知症への対応策は家族によってさまざま、一通りではありません。同じ境遇の家族同士で情報交換すると、次はこれを試してみよう、という引き出しが広がり、希望も持てるはずです」 一つの家族だけでなく企業や共同体などを含めた社会全体で困難を共有していくことが、今後は必要になってくる。※週刊ポスト2016年2月26日号
2016.02.19 11:00
週刊ポスト
認知症患者の事故 家族はどこまで責任負うべきかか
認知症患者の事故 家族はどこまで責任負うべきかか
 3月1日の最高裁判決に注目が集まっている──。2007年、愛知県大府市で徘徊中の認知症男性(91、当時)が列車にはねられ死亡した事故をめぐり、JR東海が遺族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が下されるのだ。 事故当日、男性がガラス戸を開け自宅を出たのは夕刻。妻(85、当時)がまどろんだ一瞬の間の出来事だったという。タイミングが悪く、介護を手伝うために近くに引っ越していた長男の妻も、家事のため男性から目を離してしまっていた。「男性はお気に入りのニューヨーク・ヤンキースの野球帽を被って外に出たそうです。帽子と着衣には、いざという時に備えて家族が連絡先を書いた名札を縫い付けていたが、事故は防げなかった。 男性は最寄り駅の無人改札を通り抜け、JR東海道本線に乗って一駅先に移動、下車したホームの端にあるフェンス扉を開けて線路に降り、後ろから来た列車にひかれました。JR東海は事故で発生した上下20本、約2時間の遅延に対する振替輸送費や人件費など720万円の賠償を求めて提訴した」(全国紙司法記者) 1審判決では鉄道会社側の主張がほぼ認められた。裁判所は「徘徊は予見できた」として妻に「目を離した過失」があり、長男についても事実上の監督者として「徘徊を防ぐ適切な対策を怠った」と認定。 2審では「フェンス扉が施錠されていれば事故は防げた」などとして賠償額は半分になったものの、裁判所が妻の責任を認めた点は変わらなかった。認知症高齢者の行動体系を研究する高知大医学部精神科の上村直人・講師はこういう。「ちょっと目を離したことを過失と認定するのは、裁判所として『家族は24時間休まず監視するか、患者を精神病院に入院させろ』といっているようなものです。そんな判決を出されたら、認知症患者を抱える家族は途方に暮れてしまう」 2月3日の最終弁論を前に93歳になった妻に代わり、長男が「認知症の人たちの実像や社会の流れをご理解いただきたい」と悲痛なコメントを発表している。 一方で、鉄道会社側としても損害が発生しているのは事実だし、賠償請求しない場合の基準をつくろうにも、何をもって線引きするかの判断は困難だ(JR東海は「係争中の案件なのでコメントは控える」とした)。 2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると推計されている。こうした賠償リスクは誰もが抱えうるものになるのだ。 賠償リスクは列車事故だけではない。とくに地方在住者の場合に最も身近な危険とされるのが車の運転だ。昨年10月、宮崎市で軽乗用車が暴走し、歩行者ら男女7人が死傷する事故が起きたが、運転していた73歳男性は事故の2日前まで認知症治療で入院していた。 そうした大惨事に発展しないまでも、危うい事態は日常的に起きる。ある警察関係者はこんな事例を挙げて説明する。「70代男性が、加速しなければいけない高速道路の進入路で突然ブレーキを踏んでしまい、後続車から追突される事故が起きました。本人の命に別状はなかったが、車はバンパーがぐしゃぐしゃ。警察からの連絡で駆けつけた家族が、男性にブレーキを踏んだ理由を聞いてもはっきり答えられない。一歩間違えばもっと大きな事故になっていたという事例は少なくない」 認知症患者が「火事」を引き起こすケースも多い。以下は本誌の取材で明らかになった、中部地方で50代の息子夫婦と同居する80代女性Aさんのケース。 1階がAさんの居室となっている2世帯住宅で、息子はキッチンを2階に移すリフォームをするなど、火の元に注意を払っていた。ところが、お盆に菩提寺の住職がやってきて仏壇に線香を上げ、ろうそくを残していった。それにAさんが勝手に火をつけて倒してしまい、息子が気づいたときには隣家も燃える大火事に。「この家族は結局、先代から住み慣れた街を離れざるを得なかった」(事情を知る消防隊員) 2013年には大阪府で82歳の認知症男性が妻の留守中に火事を起こし、延焼した隣家の住人が妻を相手取って200万円の損害賠償を求める裁判も起きた(昨年9月に和解が成立)。リスクは他にもある。70代女性のBさんは家族が知らぬ間に1人で買い物に出てしまい、警察沙汰になった。「スーパーで店内カゴだけでなく自前のバッグいっぱいに商品を詰め込むまではよかったが、レジに差し出したのは店内カゴだけ。自前のバッグをそのまま持ち帰ろうとして万引き犯扱いとなった。警察官から家族も呼び出され、始末書を書いてようやく解放された」(前出の警察関係者) いずれのケースも、家族は決して認知症患者を放置していたわけではない。それでも家族の責任が問われるリスクがあるのだ。そうしたリスクをゼロにしようとするなら、それこそ「ボケたらロープで縛りつけておけ」という話になってしまう。※週刊ポスト2016年2月26日号
2016.02.18 16:00
週刊ポスト
JR東海相談役 五輪やサミットで観光客増加との考えは甘すぎ
JR東海相談役 五輪やサミットで観光客増加との考えは甘すぎ
 大企業のトップが退任後に就くことが多い「相談役」。社長や会長を支える貴重な役割を担うという相談役には、訪日外国人が1900万人突破という現在の日本の状況はどう見えているのか。JR東海の須田寛相談役(84)の目には、日本政府の外国人観光客を取り込むための取り組みはまだまだ不十分に映る。「日本の年間宿泊人数は約4億人(国内延べ宿泊者数)といわれていますが、そのうち9割が日本人。外国人はまだまだ少ない。また、もっと外国人観光客に来てもらうためには、従来の物見遊山的な観光だけでは限界があります」 では、どうすればいいのか。“旅行業のプロ”の立場から、須田相談役にアドバイスをお願いした。「いまある観光資源の見方を変えて、産業・ものづくりという角度からフィルターを当ててみると、同じものでも違った角度で見えてきます。例えばただお寺を見れば、『宗教の礼拝所』という面しか見えませんが、建築物として着眼すると、そこにはまた別の興味が湧いてくる。外国人、とくにアジアの人々は日本を産業国だと思っていますから、家電製品や自動車がどこで、どんなふうに作られているのかを見てみたい。それは人間の本能なんです。 トヨタ自動車の工場には年間35万人の見学者がいて、うち5万人は外国人だそうです。爆買い客のなかには、“日本の家電工場を見たい”という潜在的な欲求が必ずあるはずです」 一方、五輪やサミットなどがあると、すぐに観光客増加につながると思いがちだが、「その考えは甘すぎる」と指摘する。「1964年の東京五輪当時、私は国鉄の営業局の課長補佐で、五輪までに新幹線を間に合わせようと皆が必死だった。ところが五輪開催期間中、実際の乗客数は目標よりはるかに少なかったんです。 日本人はみんなテレビを見ているから動かないし、来日していた外国人の観光先も東京かせいぜい周辺の箱根・伊豆まで。2020年の五輪も、その前後にどうやって客を呼ぶかの施策を考えておかないと、肩透かしを食らいます」 相談役に就いて間もない2005年には、「愛知万博」が開催された。当時、愛知県や名古屋市の世界的な知名度は低かったが、須田相談役は地元経済団体に働きかけて積極的に観光客誘致に努めた。今年5月の伊勢志摩サミットも同様で、今から魅力を提案し、観光客を呼び込む準備をする必要がある。 昨年開通し、話題になった「北陸新幹線」のブームも、いつまで続くかはこれからの工夫次第だ。「2年くらいでブームは終わります。でも、1972年に山陽新幹線が岡山まで開通した時、岡山県内の観光客は3倍に増え、そのブームがその後も数年間継続した。 岡山では道路や在来線を整備して、街に降り立ってからの移動も便利にするとともに、観光客を呼ぶための『街づくり』を地元が積極的に行ないました。だからこそ新幹線が博多まで伸びた時も、単なる中間駅にならず、むしろ九州からのお客が増えた。こうしたモデルを各地方都市は参考にするべきです」※週刊ポスト2016年1月15・22日号
2016.01.13 16:00
週刊ポスト
日本企業独特の役職「相談役」 仕事内容について相談役解説
日本企業独特の役職「相談役」 仕事内容について相談役解説
 大企業のトップが退任後に就くことが多いが、代表取締役や監査役と違って会社法上の機関ではない、日本企業独特の役職。それが「相談役」だ。“偉い人”というイメージはあるが、実際のところ、誰からどんな「相談」を受けているのかはあまり知られていない。相談役には、社長や会長を歴任した人物が就任することが多く、経営陣にとっては先輩にあたる。それゆえ、現職の社長や会長が悩みを“相談”できる唯一の存在ともいわれる。 トップとして最終的な決断を下す社長や会長は時に孤独と闘わなければならない。相談役はそれを支える貴重な役割を担う。では、具体的にどんな業務をこなしているのか。日本を代表する大企業3社の相談役に話を聞いた。 日産自動車の小枝至相談役(74)は、同社会長を経て、2008年に相談役に就任した。まずは率直に「普段何をしているんですか?」という質問をぶつけた。「会長や社長は忙しいので、彼らに代わって財界活動や社会貢献活動など、いろいろな役目が相談役に回ってきます。私の場合、一般社団と公益法人の会長・理事長を合わせて4つ務めていて、そのほかに15団体ほどの会合にも出席している。肩書きがいくつあるかは自分でも知りません」 そうした活動に加え、カルロス・ゴーン社長兼CEOに人事面で提案することも小枝相談役の重要な役割だ。「ゴーンは外国人ですからね。日本人の人事については定期的に打ち合わせをして、私から提案しています。昨年4月までは名誉会長との兼任だったこともあって年に数回やっていましたが、その後に1対1でミーティングしたのは1回だけです。自分があまり口を出すとほかの人がいいにくくなるでしょうから」(小枝相談役) 柔らかい物腰とは裏腹に、鋭い眼光からは財界の重鎮としての風格がにじみ出る。 ANAホールディングスは昨年4月に「相談役」のポストを新設し、大橋洋治相談役(75)が就任した。相談役は、社長、会長経験者を対象として、最高経営責任者としての経験に基づいた助言を与えることを目的にしているのだという。大橋相談役が語る。「これまでの経験を問われることが多いのが、相談役という役職だと思います。事故や事件など、思いもよらないことが起こった時にどうするか。そういう意味では、航空会社には相談役という役職は向いているのかもしれません」 言葉を選ぶように話すその姿に、やはり威厳を感じる。 JR東海の須田寛相談役(84)は就任当時、相談役の仕事についていろいろと調べたという。「相談役には2つの種類があることがわかりました。ひとつは会社の財界活動を担って、(本社や工場が所在する)地元財界のお手伝いなどをするタイプ。社長や会長はルーティンワークがあるし、年齢的にも相談役がやるとちょうどいい。このタイプが3分の2くらいを占めています。 あとの3分の1は、相談役も『社長に近い』役割を担っていた。むしろ実力は相談役が上で、社長や会長は文字通り相談役に相談して、実質的には相談役が人事も何もかも決めてしまう」 相談役が実質トップを務めるケースは少なくない。「でも、私は後者のような“院政”は絶対にいけないと思った。現役の人の邪魔になってはいけないし、かといって現役の人や会社に過度にお世話になってもいけない。考えた結果、会社ができる時にお世話になった地域の方々に恩返しすることが私の役目だと思い、観光に力を入れることにした」(須田相談役)※週刊ポスト2016年1月15・22日号
2016.01.06 11:00
週刊ポスト
東海道新幹線 工期10年の知られざる大規模改修工事を実施中
東海道新幹線 工期10年の知られざる大規模改修工事を実施中
 深夜0時、JR新富士駅と静岡駅との間にある東海道新幹線の蒲原トンネル内。ヘルメットを着用した約20人の保守作業員が、約6mの高さの足場をあっという間に組み上げていく。ここで行なわれているのは、トンネルのコンクリート裏側にできた空隙を埋める作業。東海道新幹線走行時の振動などによるひび割れの進行を防ぐためだ。 昨年、開業50周年を迎えた東海道新幹線では現在、東京~新大阪間にある高架橋やトンネル、鋼橋の「大規模改修工事」に取り組んでいる。工期はなんと10年。今年は3年目にあたる。「日々の点検や補修で安全性は保っていますが、将来に起こりうる構造物の経年劣化を危惧し、対処法を長年検討してきました。当初は鋼橋を架け替える案もありましたが、それには長期間にわたる部分運休や徐行が必要。 1日に約43万人ものお客様にご利用いただく東海道新幹線を止めるわけにいかず、架け替えと同等の効果を発揮する補修工法を10年かけて開発しました。この新工法により大規模改修工事に挑めたのです」(JR東海施設部工事課・古谷課長代理) 将来的な経年劣化を防ぎ、土木構造物を延命化するための作業を施すなど、のべ約2000人の保守作業員が従事する工事の多くが最終列車通過後に実施。「世界一安全」といわれる陰には、鉄道マンたちの知られざる仕事があったのだ。撮影■渡辺利博※週刊ポスト2015年10月9日号
2015.10.01 11:00
週刊ポスト
上海リニア 鳥激突で窓にヒビも女性乗務員はスマホに興じる
上海リニア 鳥激突で窓にヒビも女性乗務員はスマホに興じる
 中国に「リスクマネジメント」という言葉は存在しない。トップの責任が問われようものなら真相にフタをされる。2011年の高速列車追突事故では、事故車両が深い穴底に放り込まれた。このたび天津で発生した大規模爆発もそうだ。共産党の都合次第で事実はいくらでもねじ曲げられる。中国経済発展の象徴、リニアモーターカーでも、恐ろしい事態が起きていた。 まずは写真をみてほしい。これは7月某日、営業運転中の上海リニアモーターカーの運転席を撮影したものである。 亀裂が入っているのは、運転席のフロントガラスである。鳥などの飛行物が不意に接触した場合、こうした罅が入ることは「日本の鉄道列車でも起こりえる」(鉄道関係者)。 しかし、異変が発見された場合、当然ながら緊急メンテナンスの対応がとられる。ここ上海では安全上、問題あるとは思われてはいないのだろうか。フロントガラスの異変に何の注意を払うことなく、20代後半と思しき女性乗務員は、手元のiPhoneに興じていた。それも走行中ずっと。◆高速鉄道は中国の対外インフラ輸出の目玉商品 実質的な運転は、彼女が行っているわけではない。遠隔操作の自動運転である。ただし、不慮のトラブルが起きた場合、監視役としての役割が問われるが、スマホ閲覧中の彼女にはとても期待できない。これが中国政府ご自慢の上海リニアの運行実態である。 同線は2004年、世界初の営業用リニアとして開通した。技術はドイツから輸入し、最高時速は約430kmに達する。 上海の“空の玄関口”浦東国際空港のターミナルビルから、約30km先の地下鉄駅を結ぶ。総工費は、およそ89億元(当時1335億円) だという。 10分弱しかない運行時間を考えると乗車料金50元(約1000円)が高いか安いかは判定しづらい。が、これは採算性を度外視した中国の技術力を世界にアピールするための国家プロジェクトなのである。「中国鉄道史上の大事件だ」 列車を試乗した朱鎔基首相(当時)はこう高らかに謳い上げ、その先進性を国内外にアピールした。リニアや新幹線に代表される高速鉄道は、中国の対外インフラ輸出の目玉商品なのである。 中国の高速鉄道の総延長距離は、既に日本の新幹線の5倍以上の距離を誇る。中国国内では主要路線が飽和しつつある。鉄鋼生産や車両製造を超過させないためにも、対外輸出を迫られている。 その国家戦略は昨今、さらに顕著になりつつある。習近平国家主席や李克強首相は、アフリカや東南アジアなどを訪問するたびに、高速鉄道輸出の商談を行っている。 そうしたトップセールスは、AIIB創設(*注)の動きと相俟って、インフラ輸出を成長戦略の一つに掲げる日本をも凌駕しつつある。【*注/AIIB(アジアインフラ銀行)は、2015年末の業務開始を予定。発展途上国に対するインフラ輸出で主導権を取りたい中国の思惑が指摘されている】 だが、中国はそうした「インフラ輸出国」に足る国なのかどうか。今回の写真は、車両メンテナンスの不備をはっきりと物語っていた。鉄道評論家の川島令三氏はこう分析する。「上海リニアは、ドイツのトランスラピッド社から技術を提供され、開発されました。このころ、ドイツは官民あげてリニア事業の実用化を進めており、各国への技術提供も申し出ていました。しかし、当のドイツでは実用化前の2006年、実験線で事故が起こり、23人が死亡してしまう。 さらにまた、リニアでは一般鉄道への乗り入れができません。EUでは国家を跨いだ往来が当たり前になるなか、需要が高まることはありませんでした。そして2011年、ドイツでの開発が終了した。結局、実用化を果たしたのは中国だけ。部品調達などの面でコストが上がり、メンテナンスにも影響が出ているのではないでしょうか」◆上海リニアの地下は地盤沈下している さらに深刻なのが社員のモラルだ。前述のドイツの事故は、無人の遠隔操作によって運転中のリニアが前方走行中の作業車に時速200kmで衝突した。車両故障ではなく通信系統にトラブルがあったと報じられている。 機械制御には誤作動が想定される。人的な監視も求められるが、写真に映る女性に、トラブルを収束する技術を求められそうもない。それは鉄道に限った話ではなく、〝上意下達〟の中国社会では無理もない。 権力と情報は限られた共産党幹部にしか集まらず、末端の人間は何も知らず、そのツケだけを払わされる。このたびの天津大爆発で救助に駆けつけた消防隊が化学物質に放水し、更なる爆発を招いたのが分かりやすい例だろう。 ちなみに上海リニアは、日本(JR東海)で開発が進むリニアとは違う方式を採用する。 最大の違いは浮力にある。「上海リニアの場合は、軌道と車両の間が1cm。一方の日本は10cm。これは日本の地理的な条件が考慮されている。多少の揺れや地盤の歪みが起こっても、地面との間隔に余裕があれば、安定して走行することができます」(川島氏) 逆にいえば、上海リニアは地殻変動に弱い。長江の下流域に位置する上海は地盤が軟らかく、地盤沈下の影響も受けやすい。時を経れば経るほど、慎重な運用が求められる。 最高時速430kmを掲げた上海リニアが、小誌取材時には300km程度に留まったのも、運行に不安を抱えているからに思える。 他国にインフラを輸出するとなれば、「技術」とともに「安心」を提供する義務がある。日本がリニア開発を入念に行っているのも、命を預かる鉄道運行に、「万が一」があってはならないからだ。 上海リニアに何が起こってもおかしくない。果たして中国指導部は、その軋みの音に気付いているだろうか。※SAPIO2015年10月号
2015.09.07 07:00
SAPIO
ドクターイエロー 初の車体上げ実演に34240人集結で「うぉー」
ドクターイエロー 初の車体上げ実演に34240人集結で「うぉー」
 ダイヤが非公開のため滅多にお目にかかれない幻の新幹線。その先頭車両の車体がクレーンでゆっくりと吊り上げられると、「うぉー」という歓声が湧き上がった。 静岡県浜松市のJR東海・浜松工場で、7月25日から2日間開催された「新幹線なるほど発見デー」。来場者計3万4240人のお目当ては、本邦初となる「ドクターイエロー」の車体上げ実演。車両点検のため、車輪が付いた台車部分と運転席がある車体を離す作業で、鉄道ファンのために特別公開された。「ドクターイエロー」の正式名称は新幹線電気軌道総合試験車。約10日に1度、走行しながら新幹線の線路や電気設備の点検をする、いわば「新幹線のお医者さん」だ。映画『幸福の黄色いハンカチ』にちなみ、「見ると幸せになれる」ともいわれる。 来年は走行する「ドクターイエロー」の乗車体験をぜひ期待したい。撮影■小倉雄一郎※週刊ポスト2015年8月14日号
2015.08.09 16:00
週刊ポスト
名古屋市民が選ぶ「住みたい街ランキング」2015年の結果は!?
名古屋市民が選ぶ「住みたい街ランキング」2015年の結果は!?
リクルート住まいカンパニーでは、愛知県居住者を対象にしたアンケート形式による「2015年版 名古屋市在住者が選ぶ住みたい街ランキング」を発表した。このランキングは、総合と男女別、ライフステージ別で調査。また「住みたい街(駅)」のほか、「穴場だと思う街(駅)」などについても集計。街の声から注目部分を読み解いていこう。1位は風情溢れる「覚王山」。地下鉄東山線沿線が上位を独占10位以内に名古屋市営地下鉄東山線が通る駅8つがランクイン。トップ3の「覚王山」「本山」「星ヶ丘」はエリアが隣接した住宅街で、一帯の人気が分かる。 ■「住みたい街(駅)」ランキング※( )内は昨年の順位と得点順位(前年順位) 駅名(沿線) ポイント(前年ポイント)1位(2) 覚王山(地下鉄東山線) 234(168)2位(3) 星ヶ丘(地下鉄東山線) 192(167)3位(5) 本山(地下鉄東山線) 169(146)4位(1) 名古屋(地下鉄東山線) 160(218)5位(4) 金山(地下鉄名城線) 123(160)6位(8) 藤が丘(地下鉄東山線) 104(85)7位(6) 千種(地下鉄東山線) 101(137)8位(14) 御器所(地下鉄鶴舞線) 94(58)9位(12) 栄(地下鉄東山線) 91(62)10位(10) 池下(地下鉄東山線) 90(70)1位と2位がターミナル駅ではないことが関東や関西との違いだが、これには東山線沿線にステータスを感じる、ブランド好き名古屋ならではの特徴が垣間見える。また、名古屋は車社会であり、市内であっても車での移動が一般的。ターミナル駅の利便性にそれほどこだわらず街選びをしているといえるだろう。1位の「覚王山(かくおうざん)」は昨年2位から1ランクアップ。日本で唯一、タイから寄贈された仏舎利が安置される日泰寺(にったいじ)があり、毎月21日には縁日が開かれる。その風情ある街並みと閑静な住宅街が評価されている。日泰寺参道周辺には、東海発祥のスイーツショップや雑貨屋などの現代的な店と、昔ながらの老舗が違和感なく調和。アーティストのショップやアトリエが入居する「覚王山アパート」もあり、若い感性を活用したイベントなども盛んだ。地下鉄で「名古屋」まで15分、「栄」まで10分と交通利便性が高いが、商業地区からほどよく離れ、静かな環境が手に入る。「都心にアクセスしやすく便利。周辺には老舗や新しいスイーツ店があり活気を感じる。お祭りが多く、地域の人々がこの地を大切に思っていることが伝わる」(女性41歳/ファミリー)などの声が挙がった。2位の「星ヶ丘」は、昨年3位から1ランクアップ。駅前に、星が丘テラスや星ヶ丘三越といった、トレンド感ある商業施設が充実している。星が丘テラスは2015年3月に別館もオープンした。「流行を取り入れたお店や街並みがあり、楽しそうだから」(男性24歳/シングル)、「街並みがきれいで都会的。近くに東山動物園もあり、子育てしやすそう」(女性33歳/ファミリー)という声があった。昨年5位から2ランクアップした3位の「本山」は、大学のキャンパスが多く緑豊かで、若者による活気が感じられる。カフェや古書店といった学生が集まる店も点在する。2014年に、赤崎勇(現名城大教授)・天野浩両博士のノーベル物理学賞受賞で注目を集めた名古屋大学もある。「学校や公共施設も充実しており、街に活気を感じる。自然環境も残っている」(男性45歳/ファミリー)といった意見があった。1〜3位はいずれも人気の地下鉄東山線沿線東部の駅。東山線は名古屋市で最初に開業した地下鉄路線で、市内のメインストリートである広小路通に沿って走る。中でも「名古屋」より東部は早くから住宅地が開発されたため、周辺に商業施設などが充実し、住環境が整っている。今回は10位以内に東山線東部の駅8つがランクインして人気を証明した。「名古屋」のランキング後退は意外。穴場の街1位はポテンシャル高め4位の「名古屋」は中部エリア最大のターミナル駅。現在は2027年のリニア中央新幹線開通を見据え、駅の東側で大規模な再開発が行われている。駅の南側に広がる笹島エリアでも、「ささしまライブ24」と呼ばれるエリアの再開発が進行中だ。変貌の最中であり、徒歩圏内にマンションが建つなど将来性を感じさせる中、昨年1位から後退したのは少々意外だが、男女別では男性から依然1位の評価。「名古屋の玄関口で、今後もリニア開通や再開発地域として発展していくところだから」(男性46歳/DINKS)など、ビジネスマンからの期待感が大きい。その他のランキングで、注目したいのは「穴場だと思う街(駅)」の1位に選ばれた「八田(はった)」。駅は中村区と中川区の境目に位置し、JR東海関西本線と地下鉄東山線が接続する。近接する「近鉄八田」駅への乗り換えも可能だ。再開発が進む「名古屋」まで乗り換えなしで約11分と便利だが、東山線は東部の人気が高いため、「八田」のように「名古屋」より西部は物件相場が下がる。エリア内に輸入食材がそろうスーパーがあるなど生活利便性も高く、まさに穴場といえるだろう。■「複数路線が乗り入れ、起点となるターミナル駅まで10分程度にも関わらず、物件価格が安く暮らしやすい、実は穴場」だと思う駅ランキング※( )内は総合ランキング順位 駅名(沿線) ポイント(総合順位)1位 八田(地下鉄東山線) 69 (29位)2位 大曽根(地下鉄名城線) 60 (15位)3位 金山(地下鉄名城線) 55 (5位)4位 新瑞橋(地下鉄名城線) 46 (13位)5位 上小田井(地下鉄鶴舞線) 39 (25位)ランクインしたのは、いずれも通勤に便利な街。人気が続く東山線は、名古屋市営地下鉄で唯一の女性専用車両を設けたり、毎週金曜日と休前日には終電時間を繰り下げるなど、うれしいサービスを実施している。名古屋市在住者が選ぶランキングは、市内在住の筆者としては納得の内容だった。再開発がその姿を現し始める2015年下半期以降、「名古屋」の巻き返しに期待したい!●2015年版 名古屋市在住者が選ぶ住みたい街ランキングhttp://www.recruit-sumai.co.jp/press/150317_sumitaimachi2015nagoya.pdf
2015.04.14 00:00
SUUMOジャーナル
JR東日本と西日本株 優待に加え北陸新幹線効果で株価上昇も
JR東日本と西日本株 優待に加え北陸新幹線効果で株価上昇も
 3月末になると株主優待の権利確定日を迎える銘柄も多い。経済アナリストの森永卓郎氏が、多くの人が利用できる「乗り物系」の注目優待銘柄について解説する。 * * * 乗り物系では、実際に飛行機をよく利用する人なら、JAL(日本航空)よりANAホールディングスがお得でしょう。 ANAは単元株(1000株)保有で国内線全線が片道1区間50%割引になる優待券が年間2枚もらえますが、JALは単元株保有では1枚しかもらえません。しかも、単元株の投資費用はANAの方が安く済むのです。ただし、金券ショップではJALの優待券の方が高い値段がついているので、換金目的であればJALもありだと思います。 出張などの多い人には、自社営業路線内の運賃や料金の割引券がもらえるJR各社の株主優はメリットが高いといえます。中でも東日本旅客鉄道(JR東日本)と西日本旅客鉄道(JR西日本)には、3月の北陸新幹線開業の恩恵を受けて、株価の上昇が期待できるかもしれないので注目です。 ただし、株主優待でもらえる割引券の割引率は各社で異なり、東海旅客鉄道(JR東海)が10%引き、JR東日本は20%引き。それに対して、JR西日本は50%引きとなっており、特にメリットが高いといえます。※マネーポスト2015年春号
2015.03.25 07:00
東海道新幹線 車体を1度傾け270km→285kmの速度UPを実現
東海道新幹線 車体を1度傾け270km→285kmの速度UPを実現
 3月14日、金沢~長野間を結ぶ北陸新幹線が開業した。今後は東京~金沢間の所要時間は2時間28分で、約1時間20分の短縮となる。 その近未来的なデザインは鉄道ファンならずとも胸が躍る。「和の未来」をコンセプトにしたというだけあって、日本が誇る世界一の技術が随所に使用されている。フェラーリを手がけたことでも知られる工業デザイナーの奥山清行氏が車体デザインを監修。先頭車両の流線型ガラスは、富山県砺波市の「新光硝子工業」だからこそ実現した。 見えない部分にも独自の技術が組み込まれた。センサーで検知した振動を、電動油圧装置で押さえ込む「フルアクティブサスペンション」を最上級車両「グランクラス」に搭載。微細な振動をかつてないレベルでカットする。 安全装備も充実している。整備新幹線(※注)である北陸新幹線の営業最高速度は時速260kmまでと定められているが、最高320kmで走行する東北新幹線(E5系)と同じ性能のブレーキを採用し、地震発生時に最高速から完全に停止させるまでの距離を従来型に比べ300mほど短縮した。【※注/全国新幹線鉄道整備法に基づき、日本政府が1973年に整備計画を決定した北陸など5路線の新幹線。同計画で営業最高時速が260kmと定められている】 北陸新幹線に用いられるテクノロジーは、半世紀の新幹線の歴史の集大成だ。1964年に世界で初めて時速200kmを超える高速運転を実現して以来、日本の新幹線は他国に類を見ない進化を遂げている。 最もわかりやすいのはスピードだ。東北新幹線は世界トップレベルの最高時速320kmを達成し、山陽新幹線も時速300kmを記録する。日本の大動脈・東海道新幹線でも3月14日のダイヤ改正から最高時速285kmとなり、従来の速度を15km上回る。 東京五輪に間に合うよう急な用地買収と突貫工事で1964年10月に開業した東海道新幹線は、路線に急カーブが多いために高速化が難しく、最高速度は1992年に時速270kmとなったままで止まっていた。今回15kmのスピードアップを実現させたのは、新型車両「N700A」が新技術を導入したことが大きい。 それがカーブ走行時にあえて車体を内側に傾けるように外側を持ち上げることで遠心力を打ち消し、安定走行を実現した「車体傾斜システム」だ。「空気バネで車体を1度傾かせることで、これまで速度を落としていたカーブでも減速せずに走行できるようになりました」(JR東海広報部) 各国を見渡せば、フランスのTGV、中国のCRH380など最高時速300km超で運行する高速鉄道がある。スピードだけで比較すれば「新幹線は世界一とはいえない」ともいわれるが、それは短絡的な見方だ。 真っすぐの線路上を高速で走らせるだけならどの国の技術でも可能だが、広大な平地が少なく、カーブやトンネルが多いという条件下でもここまで高水準の高速運行を実現できるのは新幹線だけだ。※週刊ポスト2015年3月27日号
2015.03.16 07:00
週刊ポスト
ワイドショーも注目 「数字持ってる」と業界絶賛の広瀬すず
ワイドショーも注目 「数字持ってる」と業界絶賛の広瀬すず
 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、ドラマやCMのみならずワイドショースタッフも注目しているという広瀬すずをピックアップ。 * * *「広瀬すずは数字持ってるから、ちゃんとやったほうがいい」というコメントをドラマやCMのスタッフではなく、ワイドショーのプロデューサーが口にしたので驚いた。 先ごろ、10社目となる「明星食品 一平ちゃん夜店の焼そば」のCMで話す博多弁がキュートだとワイドショーの芸能コーナーで取り上げられた広瀬すず。 ワイドショーデビューは、2013年11月、あの山下達郎の名曲『クリスマス・イブ』のMVに牧瀬里穂がゲスト出演する…というネタのときだった。そのMVに主演していたのが広瀬すず。しかしワイドショーは、かつて宮沢りえ、観月ありさと共に「3M」と呼ばれたCM女王・牧瀬が、代表作・JR東海のCMソングでもあった『クリスマス・イブ』のMVにチョコッと出演するほうを大きく取り上げたのである。 そんな広瀬すずにやっとスポットライトが当たったのは、昨年出演した「リクルート ゼクシィ」のCMだ。加藤ローサや倉科カナらを生んだ同CMの“7代目”としてワイドショーで紹介されたのだ。だが、ここでもネタの主役は加藤や倉科だったように思う。 果たして、広瀬すずが、やっとメインで取り上げられたのが、佐々木希に代わって出演するようになった「ロッテ Fit’s」のCM。佐々木や佐藤健がキャラクターだった時代から出ていた渡辺直美との共演も話題になった。「広瀬すずは数字持ってる」とワイドショースタッフに言われ出したのは、この頃からなので、つい最近のことである。 広瀬すずは、姉の広瀬アリスと共に、『セブンティーン』で美人姉妹モデルとして名を売り、2013年4月期、SMAPの香取慎吾主演の『幽かな彼女』(フジテレビ系)でドラマデビューした。同作は、元中学校教師でユーレイ役の杏と、彼女が勤務していた中学校に赴任し、彼女のことが見えてしまう香取との恋を描いた作品だ。広瀬すずは、香取演じる教師が担任するクラスの生徒だったが、決して一番手ではなかったのである。ちなみに、同時期、日本テレビ系の『35才の高校生』で米倉涼子とクラスメートだったのが姉の広瀬アリスだった。 そして、妹のすずは、2013年6月、同年のベストドラマに選ぶ専門家も多かった『激流~私を憶えていますか?~』(NHK)で国仲涼子の中学時代を演じた。立て続けにドラマで制服姿を披露したものの、同ドラマの主演は田中麗奈。つまり広瀬はまたしても、そうは目立っていなかったのである。 その代わり、彼女が確実に知名度を上げていったのがCM界。2014年は姉の広瀬アリスと共演した「大塚食品 マッチピンク」がCM雑誌やマニアのあいだで話題となり、以降は、かつての武井咲のように、どんどん契約社数を増やしているという状態だ。 今年の1月期はついに『学校のカイダン』(日本テレビ系)で主演も果たしたが、同作は「実は能年玲奈にオファーしていた」とウワサになったり、視聴率もいまひとつ奮わない。これは件の武井咲が言われていた「ドラマは当たらない」に似ているのかもしれない。 だがデビュー時の武井は、CMのクリエイターたちからは「ものが違う」と絶賛されていたのである。現場で放つオーラが尋常ではなかったからだ。 先日、「ゼクシィ」のCMを長年手がけている箭内道彦氏に広瀬すずについて聞いたところ、「(結婚情報誌のCMなのに)16才という彼女の年齢が気にならないと言ったら嘘になりますが、どうしても彼女以外には考えられなかった」「抜群の存在感とかわいさがある」と起用理由を教えてくれた。CM業界での広瀬すずは、やはり武井咲級の“もの”を持っていると賞賛されているのだった。 そんな広瀬すずのことを、ワイドショーのメイン視聴者であるF2層(35~49才の女性)、F3層(50才~の女性)が、やっと認知したというワケだ。 ワイドショーの芸能コーナーでは、“マル是”と呼ばれる、営業絡みの物件があるのだが、そうしたネタは制作現場では必ずしもウエルカムではない。が、「数字持ってる」広瀬すず出演のCMネタなら話は別。同年代だけではなく、F2&F3にも人気の広瀬すずが次にどんなCMに出るのか…。F3の私もおおいに楽しみだ。
2015.03.07 07:00
NEWSポストセブン
ミスター東大 将来の夢はおいしいブリを世界中に届けること
ミスター東大 将来の夢はおいしいブリを世界中に届けること
 昨今は「女子アナの登竜門」として有名な大学のミスコンだが、男子だって負けてはいない。「ミスター大学生」出身者にはEXILEの岩田剛典(25才)やフジテレビアナウンサーの榎並大二郎(29才)など、各界で活躍するイケメンの姿が。今回はそんな「ミスター大学生」グランプリの中でもイケメン度の高い美男子を紹介。 ミスター東大コンテスト2014グランプリに輝いたのは、文科II類の小崎遼太郎くん(20才)。鹿児島県出身で名門で知られる私立・ラ・サール高等学校出身だ。テニスとバスケットサークルに所属する爽やかイケメンの素顔やいかに!? まずは、学力はもちろんスポーツも万能ということで特技を聞いた。「計画を立てることです。手帳が好きすぎてオリジナル手帳を作ったくらい(笑い)。こんな感じで処理したら早いなとか楽しいなとか。(自分の彼女にも、同じことを求めたくなるのでは?)それはないですね。自分の中でゆとりを持ちたいだけなんで、彼女は彼女!」 では、将来の夢は?「父がブリの養殖の仕事をやっているのですが、その仕事を継いで、おいしいブリを世界中に届けたいです。父は仕事で忙しくするよりも家族と遊びたいっていう人なので、ぼくもそんなに忙しくないポジションについて、家族と幸せにやっていけたらなって(笑い)。うちの家族、めっちゃ仲いいんですよ」【プロフィール】名前:小崎遼太郎(20才)所属:東京大学文科II類1年生年月日:1994年6月3日出身:鹿児島県高校:ラ・サール高等学校(私立)血液型:検査してません身長:175cmサークル:テニス、バスケット好きな芸能人:堀北真希、嵐今恋してますか?:秘密です(笑い)【大学データ】学部学生数:1万4003人(2014年5月1日現在)偏差値:67.5(文科II類)●2014年度国家公務員総合職採用試験合格人数1位●芥川賞受賞者数2位●2014年度JR東海への就職人数ランキング1位※女性セブン2015年2月5日号
2015.01.24 07:00
女性セブン
古市憲寿氏「東京五輪・リニアもおじさん暴走に気をつけろ」
古市憲寿氏「東京五輪・リニアもおじさん暴走に気をつけろ」
 東海道新幹線に乗るたびに疑問に思うことがある。狙ったように間が悪いタイミングで訪れる車内改札だ。海外の列車でも検札が行なわれることはあるが、その場合は駅での改札がない。一方、駅に改札がある場合、検札がないのが当たり前。事実、日本でも東北新幹線や成田エクスプレスでは検札はない。 それなのに、東海道新幹線だけは、かたくなに車内改札を続けている。しかも、二重で改札をしているくせに、切符をなくした場合は再購入を求められる。本当に意味がわからない。 不可解な東海道新幹線の車内改札。それには雇用の確保といった彼らなりの理由があるのだろう。しかしJR東海に限らず、内輪の論理で物事を進めようとするあまり、世間とのズレが発生し、外部の人間が不便を被る出来事が日本では相次いでいる。 2014年に『だから日本はズレている』(新潮新書)という本を出版したのだが、僕はその中で「おじさん」という言葉を使った。ここでいう「おじさん」とは、ただの中年男性という意味ではない。僕が「おじさん」と名指すのは、いくつかの幸運が重なり、既得権益に仲間入りすることができ、その恩恵を疑うことなく毎日を過ごしている人々のことである。「おじさん」とはどうやら思い込んでしまうものらしい。東京オリンピックを開催さえすれば日本経済は復活する。リニアモーターカーが開通さえすれば、東京と名古屋、そして大阪の経済圏は一体となり、その経済効果は計り知れない。そんな思い込みとも願望ともつかない言葉が、この国では溢れている。 少し調べればわかるが、事態はそんな単純ではない。過去にオリンピックを開催した都市や国では、確かに瞬間的にお祭り騒ぎが起こるものの、経済効果は期待したほどではなかったことがわかっている。また、かつてのニュータウンがそうであったように、移動にかかる時間がいくら短くなったところで経済圏はそう簡単に一体とならない。●文/古市憲寿(社会学者)※SAPIO2015円2月号
2015.01.21 07:00
SAPIO
聖夜は恋人同士で過ごすのがナウいという風潮 定着はいつか
聖夜は恋人同士で過ごすのがナウいという風潮 定着はいつか
 クリスマス、大晦日という年末のイベントを控え、街中が賑わい始めた。華やかなイルミネーションが通りを彩り、幸せそうなカップルたちの表情を照らす。青色ダイオードでライトアップされた東京・目黒川のイルミネーション「青の洞窟」が観客殺到で中止になった(12月7日)ことも記憶に新しい。とにかく街はクリスマス一色だ。 景気が戻っているとはとても実感できないが、クリスマスだけは別だ。大手企業に勤める30代サラリーマンのA氏は、これまで何度かデートしてきた5歳年下の意中の女性とイブの一夜を過ごす予定だ。ミシュランで星を取ったイタリアンに、外資系有名ホテルのダブルの部屋も予約した。「この日のディナーをOKするということは、彼女もその後の展開はわかっているはず。痛い出費でしたが仕方がない。食事より、彼女との初めての夜に気持ちがはやってしまいます」(A氏) 日本では、いつからクリスマスは「恋人たちのもの」になったのだろうか。ターニングポイントは、バブル前夜の1980年代と見られる。 1980年に松任谷由実(ユーミン)の『恋人がサンタクロース』が、1983年には山下達郎の『クリスマス・イブ』が発表される。その後、『恋人がサンタクロース』は1987年公開の映画『私をスキーに連れてって』の挿入歌、『クリスマス・イブ』は、1988年からのJR東海「クリスマス・エクスプレスキャンペーン」のCMソングとして大ヒットした。コラムニストの石原壮一郎氏が分析する。「1980年代前半までイブの過ごし方といえば、せいぜい友人たちとパーティー程度のものでした。しかし、これらの曲によって“クリスマスは恋人同士で過ごすのがナウい”という常識が完全に定着した。 この時代、特に力強く“クリスマスこそセックスのチャンス”と牽引していたのは『ホットドッグ・プレス』や『ポパイ』といった若者向け情報誌でした。たとえば『ホットドッグ・プレス』の1989年12月25日号の特集は『スーパー・クリスマス・バイブル』。イブにシティホテルを確保するにはどうすればいいか、など具体的なアドバイスにあふれています」※週刊ポスト2014年12月26日号
2014.12.16 16:00
週刊ポスト

トピックス

ホームランの“確信歩き”もサマになるヤクルト・村上宗隆(時事通信フォト)
ヤクルト・村上宗隆が「外れ1位」でも大活躍! その心理を“経験者”の元阪神・遠山奬志氏が解説
NEWSポストセブン
橋本愛『家庭教師のトラコ』 遊川和彦氏による立体的脚本の「着地」は決まるのか
橋本愛『家庭教師のトラコ』 遊川和彦氏による立体的脚本の「着地」は決まるのか
NEWSポストセブン
五社英雄監督について実娘の五社巴さんが振り返る(C)五社プロダクション
没後30年、五社英雄監督 娘が振り返る「常識では考えられないほどの仕事量」
週刊ポスト
インタビューに応じた女子大生
「18歳女子大生」独占インタビュー【第1回】吉川赳議員のついたウソ「私の年齢に食いついた」「愛人契約しないか」
NEWSポストセブン
ヤクルトの若き主砲・村上宗隆(時事通信フォト)
ヤクルト・村上宗隆が史上最年少40号!「外れ1位」が清宮幸太郎をはるかに凌ぐ理由をスカウトが説明
NEWSポストセブン
プロレス総選挙
今回は「プロレス総選挙」 なぜテレ朝は『○○総選挙』を放送し続けるのか
NEWSポストセブン
吉川議員の名刺を手にする女子大生
「18歳女子大生」インタビュー【第2回】吉川赳議員はホテルで「揉んじゃって御免なさい」「おじさんムラムラしちゃった」
NEWSポストセブン
幹部補佐になっていた
「好きで好きで仕方なかったから」刺されたホスト、歌舞伎町で「幹部補佐」に昇進していた
NEWSポストセブン
松田聖子を目撃
松田聖子、沙也加さんの初盆に“もう1つの遺言”と「新しいお墓」への願い
女性セブン
かかりつけ医の見つけ方(写真/GettyImages)
最高の「かかりつけ医」を見つけるために…チェックすべきは「話し方」
女性セブン
中林大樹の姿を目撃
竹内結子さん三回忌 中林大樹が子供のために決断、家族3人新生活は「海辺の街」で
女性セブン
「同伴的なので」と自分の意思を伝えた吉川議員
「18歳女子大生」インタビュー【第3回】吉川赳議員から大量の「LINEメッセージと電話」
NEWSポストセブン