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【JR東海】に関するニュースを集めたページです。

鉄道マニアのJR東海社員 “鉄分”はかなり濃厚
鉄道マニアのJR東海社員 “鉄分”はかなり濃厚
 誰もが一度や二度は空想するのが、「趣味が仕事になったら……」という夢。「好きなことを仕事にすべき」「趣味は趣味、仕事は仕事に分けるべき」──正解はなかなか出しにくい問題だが、JR東海の石坂猛さん(35)は、鉄道会社に勤務しながら、プライベートで鉄道に乗りまくる生粋の鉄道ファンだ。石坂さんはどのような経緯で鉄道ファンになり、そして鉄道会社に就職したのか? 石坂さんはこう語る。「子供の頃の夢が、新幹線の運転士になることか、ブルートレインの運転士になることだったんです。私は東京出身なのですが、母の実家が長崎にあって、父親が飛行機嫌いだったので、帰省する時は新幹線やブルートレインの『さくら』を使っていました。そこから鉄道が好きになりました。 大学の時は都内の私鉄でアルバイトをしていました。“駅務補助”と呼ばれる仕事で、駅員さんのお手伝いをしたり、ラッシュ時にお客さんの背中を押したり、改札もやったりしました。自分の好きな場所で働いてみようと思って始めたアルバイトですが、やってみたらとても面白かったので、鉄道の道に進もうと思いました。JR東海を選んだのは、子供の頃に刷り込まれた『新幹線は特別な時に乗るもの』という意識があったからだと思います」 入社後は新幹線の車掌、浜松駅勤務、在来線の車掌と運転士、輸送指令、豊橋駅勤務などを経て、現在は駅の改札や窓口などから寄せられる、切符のルールに関する問い合わせに対応する業務に携わる石坂さん。仕事で朝から晩まで鉄道だらけの生活を送りつつも、しっかり“乗り鉄”を楽しんでいるそうだ。「駅数が多く時間がかかることで鉄道ファンには有名な飯田線に全線乗ったのは楽しかったですね。飯田線は、鈍行列車で全線乗り通すと7時間前後もかかるのですが、私は各駅停車の旅が好きなので、全線を鈍行列車で乗りました。2年前には、九州一周の乗り鉄旅に行っています。その時は博多~佐世保~松浦鉄道~小倉~宮崎空港~鹿児島~肥薩線をグルっと回りました」 これ以外にも、ここ1年の間に、名古屋から鈍行だけを乗り継いで鹿児島まで行ったり、根室まで鉄道だけを使って旅したりしているというから、“鉄分”はかなり濃厚だが、地元にも良い路線があるそうだ。「名古屋から出ている中央本線沿いは見どころが多い観光スポットが多いですね。木曽谷を通る中山道沿いの馬籠(まごめ)や妻籠(つまご)は古い町並みがそのまま残っていますし、“星が最も輝いて観える場所”第1位(2006年度)に選ばれた長野県阿智村にもアクセスできます。指定区間内を自由に乗り降りできる『木曽路フリーきっぷ』や、夏に運行される快速『木曽路満喫号』、特急『木曽あずさ号』(いずれも運転日限定)などの観光列車を利用して、ぜひ木曽の旅を楽しんでいただきたいですね」 公私ともに鉄道漬けの生活を送る石坂さんの夢は、「最長片道切符の旅」をすることだとか。最長片道切符の旅とは、簡単に言えば全国の路線を一筆書きで折り返したりせずに乗り継いでいくもので、乗り鉄の間では有名な“憧れの乗り方”とされる。紀行作家・宮脇俊三氏の『最長片道切符の旅』(新潮社)という名著も存在する。「最長片道切符の旅については、いろんな“定義”があって、営業キロで最長なのか、運賃計算キロで最長なのか、不通区間をどう捉えるかなどで様々な考え方があります。調べたところ、北海道の稚内から佐賀県の肥前山口まで1万1000キロ弱のルートがあるようです。 5時間かけて時刻表とにらめっこしたところ、始発から日が暮れる18時30分ごろまで乗車すると仮定して、観光もせずひたすら乗り続けて、ざっと34日間かかりそうです。もちろん、各駅停車の旅ですよ(笑)」 とても楽しそうに語ってくれた石坂さん。ぜひその夢を実現して、再びインタビューに応じてほしい。
2018.06.23 16:00
NEWSポストセブン
新幹線殺傷事件 遺族補償や慰謝料、JRに対する損害賠償の総額は
新幹線殺傷事件 遺族補償や慰謝料、JRに対する損害賠償の総額は
 6月9日。東京を出発した新幹線のぞみが新横浜を発車して数分後に惨劇は始まった。12号車のシートに座っていた小島一朗容疑者(22)が無言で立ち上がるなり、手にしたナタで両隣の女性に切りかかった。 二列後ろの席から制止しようとした会社員の梅田耕太郎さんは、小島容疑者に何度も切りつけられ、命を奪われた。梅田さんが助けようとした2人の女性は、一命をとりとめた。 無防備な乗客を次々に切りつけるという凶行に及んだ小島容疑者。今後どのような形で刑事的に罪を償うことになるのかは法の裁き次第だ。 一方、民事賠償請求の対象となり得るのは、被害者遺族への補償、事件に巻き込まれケガをした人々への慰謝料及び示談金、そしてJR東海に対する損害賠償など。総額はどれほどになるのか。刑事裁判に詳しいアトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士が語る。「慰謝料や示談金は年齢や所得によって金額が変わります。殺害された方が、ご家庭を持つ働き盛りの会社員だった場合、5000万円は下らないでしょう。 また、事件による列車遅延や払い戻し等で損害を受けたJRが賠償金を請求することも考えられます。2007年に認知症の方が列車事故を起こしたケースでは、JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求め法廷で争われました。今回は新幹線の運行を妨害しており、JR側が訴訟を起こせば請求額は1000万円を超えるものと思われます」 無職の小島容疑者本人に財産や支払い能力はない。賠償するのは現実的に困難という見方もある。 本人に支払い能力がなければ、親が賠償を負うことも考えられるが、彼の場合、それも難しそうだ。小島容疑者は昨年、実の親との縁戚関係を解消し、祖母と養子縁組を結んでいる。 今回の場合、最後の手段として国による“見舞金”的制度の「犯罪被害者等給付金」が利用される可能性がある。 事件で犠牲になった梅田さんは定職に就いており、家庭も持っていた。そのため、給付金は満額の3000万円が認められる可能性が高い。梅田さんの勇敢な行為は金銭的に測れるものではないが、命の代償としてはあまりに軽すぎる。※週刊ポスト2018年6月29日号
2018.06.19 07:00
マネーポストWEB
無差別暴漢対策 逃げる→隠れる→戦うの順序守ることが重要
無差別暴漢対策 逃げる→隠れる→戦うの順序守ることが重要
 6月9日。東京を出発した新幹線のぞみが新横浜を発車して数分後に惨劇は始まった。12号車のシートに座っていた小島一朗容疑者(22)が無言で立ち上がるなり、手にしたナタで両隣の女性に切りかかった。 二列後ろの席から制止しようとした会社員の梅田耕太郎さんは、小島容疑者に何度も切りつけられ、命を奪われた。梅田さんが助けようとした2人の女性は、一命をとりとめた。 取り調べで小島容疑者は「誰でもよかった」と供述し、無差別な犯行であったことを自供。梅田さんら3人は、全くもって運悪く小島容疑者のそばに居合わせてしまった。それは、誰が被害者になってもおかしくなかったということでもある。 この殺傷事件で、無差別殺人の衝撃とともに、世間に驚きをもって受け止められた対策があった。少なからぬ乗客が、車掌の呼びかけに応じてシートの座面を取り外し、盾のように構えて避難していたのだ。これは、JR東海の乗務員が行なう訓練で実施されている正規の防犯対策だった。 座面が着脱式なのは、もともとは清掃と取り替えを簡略化するためだったというが、JR東海東京広報室によれば、「車両内で男性が包丁を振り回した2016年の暴漢事件をきっかけに、防犯対策として導入した」とのこと。 実は、乗り物や施設には「その場所ならでは」の対策が施されている。危機管理コンサルタントの丸谷元人氏は、どのような状況であっても原則的に「【1】逃げる、【2】隠れる、【3】戦う」の順序を崩さないことが重要だと指摘する。「走行中の新幹線は車両外へ出ることはできません。たとえば、ゴルフクラブを持った暴漢が車内で暴れ出した場合、やはり最初にやるべきは、別の車両へ逃げること。あるいはトイレが空いていたら中に入って鍵を閉め、扉の外から聞こえてくる音がどんなに気になっても、絶対にドアを開けずに隠れ続けることです」 逃げる際に余裕があれば、各車両にある非常ブザーを押しておくのも“新幹線特有”の対策だという。非常ブザーと各車両のカメラが連動しているため、「ブザーを押せば、車掌はどの車両で何が起きているのかを一目で把握できるようになっています」(JR東海東京広報室)という。つまり、逃げると同時に「助け」を呼ぶことができるのだ。 ただし、日本防災教育訓練センターのサニーカミヤ氏は「話題になったからといって、座面シートにこだわらないで」とくぎを刺す。「新幹線は通路が狭く、乗客が一斉に逃げようとすれば、かならず通路で渋滞が起きます。そんな状況で、多くの人がかさばる座面シートを抱えていたら、ますます避難速度が遅くなってしまう。暴漢の近くにいる人が座面シートで身体を守ろうとするのは意味がありますが、離れた場所にいる人は『何も持たず、急いで逃げる』が原則です」※週刊ポスト2018年6月29日号
2018.06.18 07:00
週刊ポスト
「乗り鉄」なJR東海社員 最東端の駅でたった1人の初日の出
「乗り鉄」なJR東海社員 最東端の駅でたった1人の初日の出
 鉄道ファンなら一度は抱く夢が、鉄道会社に就職して、鉄道に囲まれながら仕事をすることではないか。それを実現した鉄道会社社員に迫った。JR東海に勤める石坂猛さん(35)は、仕事で鉄道に携わりつつ、プライベートで全国の鉄道を乗り歩く“乗り鉄”だ。「鈍行列車に乗るのが好き」「車窓を楽しみたいので、暗くなったら列車に乗らない」といったこだわりを持つ石坂さん。今年の元旦は、鉄道ファンならではの場所で迎えたそうだ。「私が初日の出を見た場所は東根室駅(北海道根室市)でした。東根室駅は日本の鉄道で一番東にある駅で、その駅から初日の出を見ようと思ったのです。 根室半島の先端である納沙布岬で初日の出を拝みたい人は多いようで、大晦日の根室のホテルは混み合っていたのですが、東根室駅のホームから初日の出を拝んだのは私ひとりでした(笑)」(石坂さん。以下同) 言わずもがなだが、自宅がある名古屋から根室までの移動はもちろん鉄道だ。12月25日に名古屋を出発して青森に向かい、北海道新幹線が通る青函トンネルではなく、昔ながらの交通手段であるフェリーで津軽海峡を渡って北海道に到着。そこから函館~札幌~釧路~根室というルートで目的の地にたどり着いたという。 そんな石坂さんの仕事は、駅の改札や窓口などから寄せられる、切符のルールの運用や解釈に関する問い合わせに対応するというもの。彼の鉄道旅行の趣味は仕事にも活かされているようだ。「他社の鉄道に乗っていると、どのように仕事をしているかはどうしても気になっちゃいます。私の仕事もいわば駅の窓口のバックアップみたいなものですから、切符の発券や払い戻しにはどんな機械を使っているのか、券売機にどんな案内が書いてあるのか、案内板やレイアウトにどんな工夫がされているのか、つい目が行ってしまうんです。 実は、列車に乗っているのも楽しいのですが、駅を見ているのも楽しいので、旅の計画を立てるときにはその時間も考慮してスケジュールを立てていますね」 そうやって「つい目が行ってしまう」中で、“これは便利だなあ”“お客様に優しいなあ”と感じることもあるとか。「JR東海では昨年、『ウォークイン改札』という改札口を岡崎駅、蒲郡駅、豊橋駅に設置しました。これは有人改札がガラス張りになっていて、静かな環境でお客様に対応ができるように設置されたものです。 そのウォークイン改札のカウンターを、2段にしたのです。他社ではまっすぐの1段になっている駅も多いのですが、低い部分を設ければ、車椅子のお客様などにも使いやすい。この2段の高さについては、他社でも駅のあちこちをつい見てしまう趣味の中で“便利そうだなあ”と思っていたもので、提案して採用してもらいました」 趣味で鉄道旅行を楽しみながらそれを仕事に活かすとは、まさに“鉄ちゃん”の鑑のような石坂さん。自身が働くJR東海の中でも、面白い路線があるそうだ。「知多半島を走る武豊線は、名古屋から1時間程度の距離ですが、歴史が古くて見どころが多い路線です。亀崎駅(愛知県半田市)は、1886年に建てられた『日本最古の現役駅舎』が残っていますし、半田駅(愛知県半田市)の跨線橋も1910年完成と非常に古いものです。終点の武豊には転車台(車両の方向を変える機械。SL時代に使われたもの)もあります。 10月から12月にかけては『愛知デスティネーションキャンペーン』も予定されており、愛知県内を運行する観光列車も検討されていますので、ぜひ愛知県の観光を楽しんでいただきたいですね」 そう語る石坂さん。今年の元旦は日本最東端の駅で迎えたが、今度は(沖縄を除く)大晦日に日本最西端の駅の「たびら平戸口駅(長崎県平戸市)」で日の入りを見てみたいそうだ。
2018.06.16 16:00
NEWSポストセブン
JR東海に勤務する「乗り鉄」 1日1本の路線で驚きの出会い
JR東海に勤務する「乗り鉄」 1日1本の路線で驚きの出会い
 鉄道ファンなら一度は抱く夢が、鉄道会社に就職して、鉄道に囲まれながら仕事をすることではないか。それを実現した鉄道会社社員に迫った。JR東海に勤める石坂猛さん(35)は、北海道から九州まで鉄道に乗りまくっている“乗り鉄”だ。 一口に乗り鉄と言っても、「完乗(すべての路線に乗る)」を目指す人、車両にこだわる人、特急ばかりに乗る人など、さまざまなタイプがあるが、石坂さんには“独特のこだわり”がある。「私はとにかく各駅に停車する普通列車で移動したいんです。特急や快速に乗って駅を飛ばしてしまうと、その路線の本当の姿が見えなくなってしまうような気がするからです。その路線をじっくり知りたいのでプライベートでは各駅停車の列車に乗るようにしていますし、なるべく始発駅から終着駅まで“乗り通す”ようにしています。また、車窓をじっくり味わいたいので、日が落ちて暗くなったら列車には乗りません」(石坂さん。以下同) この「各駅停車」「乗り通す」「暗くなったら乗らない」の“3要件”に、今年のGWに7泊8日で乗り鉄旅をした際には、「○○本線に乗る」というこだわりも追加。自宅がある名古屋から亀山(三重県亀山市)に関西本線で出て、旅がスタート。 まず、「紀勢本線」。亀山~津~新宮~和歌山市とぐるっと紀伊半島を回るルートだ。もちろん各駅停車。1日目は新宮まで。各駅停車で、しかも暗くなったら乗らないからだ。翌2日目も朝6時30分ごろからスタート。和歌山市で紀勢本線が終わる。ちょっと私鉄に浮気して、なんば、大和西大寺、そして京都へ。 ここまで2日かけて京都にたどり着いているが、名古屋から京都へは石坂さんが勤めるJR東海の誇る新幹線で約35分である。と、そんな野暮なことを考えてはいけないのか。 続いて「山陰本線」。京都を起点とし、園部~福知山~城崎温泉~鳥取~米子~出雲市~益田と日本海側を通って、幡生(山口県下関市)を終点とする。山陰本線の各駅停車旅は3日かけた。ちなみに京都から下関は新幹線なら…やめておこう。 3つめの本線は「日豊本線」。小倉(福岡県北九州市)を起点とし、大分~延岡~宮崎~都城を経て鹿児島に至るルートだ。繰り返すが、すべて各駅停車。その途中では、びっくりするような出来事もあったという。「日豊本線の佐伯(大分県佐伯市)の先、重岡という駅から南に行く下りの鈍行列車は1日1本しかないんです。佐伯発6時18分のみ。だから、前の晩は佐伯に泊まらざるを得ず、予定を立てるのに苦労しました。 驚いたのが、重岡の次の宗太郎という駅から乗客2人が乗り込んできたこと。この駅は、周りに人家がほとんどない秘境駅だし、どう見ても地元の人ではない。あれは同好の士だな、とすぐわかりました。それにしても、どこに泊まったのか、なぜここで乗るのか。マニアすぎますね」 傍から見れば似た者同士だが……。今回、「本線」を「乗り通す」という旅をした石坂さんだが、始発駅から終着駅まで乗り通すという哲学は、昨年11月に出雲に行った際にも貫かれた。「出雲に行くために『サンライズ出雲』に乗ったんですが、だいたい名古屋あたりに住んでいる人が『サンライズ出雲』に乗ろうとすると、浜松から乗ります(注:『サンライズ出雲』は名古屋は通過)。けれども私は始発から乗りたいので、名古屋からきちんと東京まで行って、そこから終点の出雲市駅まで乗りました」 彼にとっては、それは無駄などではなく楽しみなのだ。 そんな石坂さんが勤務するのは、東海鉄道事業本部の運輸営業部営業課という部署。JR東海管内の駅の改札や窓口などから寄せられる、切符のルールに関する問い合わせに対応するのが仕事だという。「商売道具は時刻表ですね」というから、まさに天職だろう。プライベートのみならず仕事でも時刻表を眺めていれば、色々な所にでかけたくなってしまいそうだが、幸いなことに近郊にもお気に入りの路線があるそうだ。「豊橋(愛知県豊橋市)と辰野(長野県上伊那郡辰野町)を結ぶ飯田線は、景色が変化に富んでいて気に入っています。飯田線には人里離れた秘境駅がいくつもあって、そういった駅を巡る『飯田線秘境駅号』という急行列車も運行しています(運転日限定=※)。 車窓からは日本を代表する山々が望めますし、城西駅近くには飯田線名物のS字鉄橋があります。このS字鉄橋は、“渡らずの鉄橋”と呼ばれていて、いったん川を渡った後、対岸に渡らずにもう一度川を渡って元の岸側に戻る、全国でもとても珍しい鉄橋です。ぜひ見てほしいですね」【※7月から9月まで長野県において『信州アフターデスティネーションキャンペーン』が開催される。急行『飯田線秘境駅号』が7月20~22日の予定で運行されるほか、快速『飯田線リレー号』や快速『伊那ツインアルプス号』といった観光列車の運行が予定され、その中では、沿線住民と連携したおもてなしも実施されるという。詳しくはhttp://jr-central.co.jp/】
2018.06.09 16:00
NEWSポストセブン
関西住みたい沿線3位の「JR東海道本線」、家賃相場が安い駅トップ20を発表!【沿線調査 関西版】
関西住みたい沿線3位の「JR東海道本線」、家賃相場が安い駅トップ20を発表!【沿線調査 関西版】
リクルート住まいカンパニーでは、関西(大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県)に居住している20歳~49歳の4600人を対象に実施した「みんなが選んだ住みたい街ランキング2018 関西版」を発表した。住みたい沿線ランキングで3位になったのは、JR東海道本線。1位の阪急神戸線、2位の大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)御堂筋線に続き、その特徴や、駅周辺情報を調査してみた。自然豊かな環境で子育てしつつ、都市圏へ通勤……地に足の着いたJR東海道本線東京駅から兵庫県の神戸駅まで結ぶJRの東海道本線は、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)の3社が管轄する長い路線。JR西日本の区間は米原駅から神戸駅までで、沿線はそれぞれ米原駅から京都駅間がJR琵琶湖線、京都駅から大阪駅までがJR京都線、大阪駅から神戸駅間がJR神戸線の愛称で親しまれている。快速や新快速などの特急列車が数多く設定されているため、地理的には少し距離があるように感じられる駅でも、大阪市を中心とする関西の都市部への通勤圏内。特にJR琵琶湖線の沿線は田園地帯が多いが、自然豊かな環境でゆったりとした子育てを行えるためか、住みたい沿線ランキングでJR東海道本線を選んだ回答者は30代と40代の割合が大きかった。強固なブランドイメージの阪急神戸線や、交通利便性が突出した地下鉄御堂筋線と比べると、日常生活により密接した、地に足の着いた人気といえるかもしれない。●JR東海道本線・家賃相場が安い駅ランキング(TOP20)順位/駅名/家賃相場(中央値 賃料_管理費込)/所在地1位 河瀬 4.0万円(滋賀県彦根市)2位 JR総持寺 4.2万円(大阪府茨木市)3位 南彦根 4.3万円(滋賀県彦根市)4位 瀬田 4.4万円(滋賀県大津市)4位 稲枝 4.4万円(滋賀県彦根市)6位 篠原 4.5万円(滋賀県近江八幡市)7位 山崎 4.6万円(京都府乙訓郡大山崎町)8位 栗東 4.7万円(滋賀県栗東市)8位 能登川 4.7万円(滋賀県東近江市)10位 向日町 4.8万円(京都府向日市)11位 米原 4.9万円(滋賀県米原市)11位 彦根 4.9万円(滋賀県彦根市)11位 石山 4.9万円(滋賀県大津市)11位 膳所 4.9万円(滋賀県大津市)15位 千里丘 5.0万円(大阪府摂津市)15位 岸辺 5.0万円(大阪府吹田市)17位 草津 5.2万円(滋賀県草津市)17位 摂津富田 5.2万円(大阪府高槻市)17位 長岡京 5.2万円(京都府長岡京市)20位 大津 5.3万円(滋賀県大津市)20位 山科 5.3万円(京都府京都市)20位 摂津本山 5.3万円(兵庫県神戸市)20位 甲子園口 5.3万円(兵庫県西宮市)上位には琵琶湖線の駅が多くランクイン。滋賀県民の住みたい街1位の草津市の人気の理由とは家賃相場は都市から離れるほど低くなるため、上位20位のピックアップでは、大半を琵琶湖線の駅が占めた。滋賀県民が選ぶ「住みたい自治体ランキング」でトップになった「草津市」の玄関口、草津駅は、JR京都線の摂津富田と同率で17位。草津駅は新快速の停車駅で、大阪駅まで1時間以内、京都駅まで30分以内で直通と、乗り換えの手間なく都市部まで移動できる交通の便の良さが魅力だ。三重県方面からくるJR草津線の終点駅でもある。百貨店や商業施設などの充実ぶりが滋賀県のなかで屈指であるのが、草津市の人気の大きな理由だ。駅前などではタワーマンションも増えているが、少し歩けば一戸建ての住宅地が広がる。便利だけれど都会過ぎないほどよさも、人々を惹きつける理由なのだろう。滋賀県は日常の足は車が一般的だが、草津市には新名神高速道路の草津田上インターチェンジがある。小さな子どもがいるファミリー世帯にとっては、行楽での車移動の利用しやすさはうれしいところだ。草津駅前ロータリー(写真/PIXTA)また、滋賀県は冬になると、降雪で新幹線が県内で止まるというニュースを耳にすることがあるが、草津市は南に位置するため、北部に比べると雪が比較的少ない。一年のうちの数カ月のこととはいえ、住む上では大いに利点といえるだろう。滋賀県の県庁所在地である大津市の代表駅、大津駅は20位。商業施設のほか、大津地方裁判所や滋賀県警察本部などの行政施設が集中しており、京都や大阪への所要時間は草津よりさらに短い。名神高速の大津インターチェンジのそばであり、草津同様に車でのお出かけが便利だ。また、やはり同じく県南部に位置するため、雪の不安も軽減される。大津市は大津駅以外にも、瀬田駅、石山駅、膳所(ぜぜ)駅と計4駅が上位20位入りしている。県庁所在地という都市部でありながら、大津市は自然が豊かに残っており、市内には世界文化遺産の比叡山延暦寺などの文化財や風光明媚(めいび)な観光地が数多い。前述の4駅のうち、新快速が停車するのは大津駅と石山駅だ。新快速は利用できないとはいえ瀬田駅は、日本三名橋のひとつである瀬田の唐橋があり、古い民家が並ぶ街並みがどこかホッとさせるたたずまいで、膳所駅は進学校である滋賀大学教育学部附属中学校の最寄駅。電車の利用は少し不自由になるが、知識欲の探求や子どもの教育に、あえて選んでみても、楽しい生活が送れそうだ。大阪駅から30分で、自然豊かな名水の里「山崎駅」7位の山崎駅はJR京都線。大阪までは快速を利用すれば直通で約30分、京都までは約15分で到着する。サントリーの山崎蒸溜所があることで知られており、良質な湧き水に恵まれた地域で、かつては水道水にも井戸水が使われていたほど。山崎蒸溜所(写真/PIXTA)水資源の質から分かるように、都市部へのアクセスの良さからは意外なほどの豊かな自然が残る静かな環境は、都市部での通勤や通学と、豊かな住空間を両立させうるといえそう。とはいえ、日常生活では車は必須になることは注意が必要かもしれない。居住地を決めるとき、交通アクセスの良さは大切な要素だ。目的地への乗車時間は短いに越したことはないが、家は、充実した生活の拠点となるべきもの。予算や家族の事情によっては、少し郊外へと目を向けてみたら、乗車時間の長短よりも、もっと大きな物を得られるかもしれない。●調査概要【調査対象駅】JR東海道本線の柏原駅~神戸駅(関西圏にある駅)【調査対象物件】駅徒歩15分以内、広さ10~40平米以内、築年数40年以内、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)【データ算出期間】2018年1⽉1⽇~2018年3⽉31⽇【家賃の算出⽅法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む⽉額賃料から中央値を算出※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している(鈴木千春)
2018.06.08 08:00
SUUMOジャーナル
つくばエクスプレスの茨城空港延伸計画 その狙いとは
つくばエクスプレスの茨城空港延伸計画 その狙いとは
 世界から首都圏への玄関口としては、成田空港と羽田空港以外に、成田から少し北にある茨城空港がある。ところが、都内への移動は、3時間に1本程度の連絡バス頼りで弱々しい。鉄道のアクセスをよくしようと、つくばエクスプレスを茨城空港へ延伸を目指す動きが始まった。ライターの小川裕夫氏が、その狙いと、なぜつくばエクスプレスなのかについてレポートする。 * * * 訪日外国人観光客の増加が止まらない。当初、政府は2020年に年間2000万人という目標を掲げていたが、ビザの緩和や円安を追い風に、想定を上回るペースで達成した。先般、政府は2020年の目標を3000万人に上方修正。それも軽々クリアするとの予測が強まると、年間4000万人に再修正している。 人口減少で内需の先細りが確実視される中、年間4000万人もの訪日外国人観光客は日本経済を下支えする心強い“お客さん”でもある。 迎え入れる日本側には、課題が残されている。 多言語化やイスラム教徒に対するハラール対応といったソフト面の問題もあるが、なによりもハード面の観光インフラが脆弱なままだ。 6月15日から施行される住宅宿泊事業法は民泊を全国的に解禁するものだが、この法律が制定された背景も増加する観光客に対して宿泊インフラの整備が追いついていないからだ。 同様に、交通インフラの整備も追いついていない。 羽田・成田の航空需要が増大したことで、東京圏の上空は航空機による渋滞が慢性化。そのため、羽田や成田がターミナルや滑走路を増設しても意味がなく、飛行機の発着回数を増やせない状態にある。 国土交通省航空局は、羽田・成田で起きている空の渋滞を緩和するべく、航空機の進入経路の変更などで対応してきた。しかし、小手先のテクニックでは、抜本的な解決は望めない。そこで、羽田・成田と干渉しない、東京から近い第3の空港の整備が焦眉の課題になっている。 現在、東海道新幹線のトンネルの真上にあってアクセス良好の静岡空港と茨城県小美玉市にある茨城空港が有力候補として浮上している。しかし、どちらの空港にも一長一短があり、簡単には第3空港を決めるのは難しい。 静岡空港の場合、JR東海は静岡県にある6駅すべてを通過する「のぞみ」にリソースを傾注している。そのため、静岡駅に停車する新幹線の本数は少なく、まして「のぞみ」は一本も停車しない。静岡県は静岡空港の真下を通る新幹線に着目し、空港直結の新幹線新駅を開設するように要望している。しかし、東海道新幹線の現行ダイヤは過密なので、新駅を設置する余裕はなく、JR東海の対応はそっけない。 しかし、中央リニアが開業すれば、話は変わってくる。中央リニアが東京―名古屋間を結ぶようになれば、東海道新幹線のダイヤに余裕が生まれる。「のぞみ」の発着本数は減少するので、空いたリソースは「こだま」や「ひかり」に振り分けられるだろう。静岡空港駅が設置される可能性だって出てくる。 一方、2010年に自衛隊の百里基地を軍民両用化することで誕生した茨城空港は静岡空港よりも年間乗降客数が少ないものの、開港以降は国内線・国際線ともに乗降客数が激増している。 茨城空港は小美玉市に立地しているが、その泣き所は何と言っても空港アクセスが悪い点にある。茨城空港の最寄駅は市内にある常磐線の羽鳥駅だが、小さな駅のため空港玄関駅として利用しづらい。茨城空港利用者は、県内からなら水戸駅・石岡駅、近隣からの場合は東京駅・つくば駅・宇都宮駅などからバス利用になる。 そんな茨城空港のアクセスを改善するべく、小美玉市議会はつくばエクスプレス(TX)の茨城空港延伸の実現を目指す「TX茨城空港延伸議会期成同盟会」を発足させた。「従来、こうした鉄道の延伸を国などに働きかける期成同盟会は県や市が中心になって組織されます。今回発足したTX茨城空港延伸議会期成同盟会は、市議会が中心になっているのは異例です」と話すのは小美玉市議会事務局の担当者だ。 かねてより、小美玉市や周辺自治体からはTXの延伸要望が繰り返し出されていた。しかし、茨城県や県都・水戸市の反応は鈍く、小美玉市は業を煮やしていた。そうした背景から、市議や県議の有志が自力で期成同盟会を立ち上げることになった。 しかし、ここで疑問が沸く。茨城空港はTXより常磐線の方が近い。茨城空港に鉄道を引っ張るなら、常磐線の方が建設費や用地買収などの手間も短くて済み、理解は得られやすいだろう。なぜ、TXなのか?「現在、茨城県は人口減少が顕著で、そうした傾向は県都・水戸市や企業城下町として栄えた日立市なども見られます。そうした中、つくば市は今も人口が増加傾向で、産業的にも活気づいています。また、国の研究機関もたくさん立地していることも魅力です。つまり、街に勢いがあるんです。茨城空港までのアクセスに、常磐線ではなくTXの延伸を要望している理由は、つくば市のような勢いのある街と結節するという狙いも含まれています」(同) また、茨城県はTXを運行する首都圏新都市鉄道株式会社に多額の出資をしている大株主でもあり、沿線の市町村もTXの株主として名を連ねている。そうした事情から、JRが運行している常磐線より、TXに要望を出しやすいという心理的なハードルの低さもある。 TXを茨城空港まで延伸させるには、ルートの選定や建設費の概算なども必要になる。期成同盟会は立ち上がったばかりで、そうした細かいシミュレーションはこれからだ。 小美玉市は人口がわずか5万人という小さな自治体で、期成同盟会を一緒に立ち上げたほかの6市も決して大きな自治体とは言えない。そんな小さな自治体の市議たちが、一致団結して県を、そして国を動かそうとしている。 TXの茨城空港までの延伸は、単に茨城県だけの話ではない。訪日外国人観光客の増加という我が国の観光政策や航空政策、ひいては日本経済全体の成長戦略や今後を左右する話でもある。
2018.06.03 07:00
NEWSポストセブン
IC専用改札口が増加 鉄道会社の狙いは
IC専用改札口が増加 鉄道会社の狙いは
「電話のかけ方」を知らない子どもが増えているという。振り返れば、全般的に通話をすることがなくなりつつあるため、家庭で電話をかけている様子をみることがないのだろう。緊急時に備えて、公衆電話の使い方を練習させたという小学生の親もいるほどだ。同じように、子どもにとって「ないもの」になりつつあるのが鉄道の「きっぷ」かもしれない。きっぷを使える場所が狭まり、役割を終えるときが近づいている様子を、ライターの小川裕夫さんがレポートする。 * * * 今年4月から、JR東日本は新たなサービス「タッチでGo!新幹線」を開始した。同サービスは、JR東日本が発行するSuicaをはじめJR東海発行のTOICA、JR西日本発行のICOCAといった交通系ICカードでJR東日本管内の新幹線に乗車できるというもの。 在来線とは異なり、これまで新幹線では窓口や券売機などできっぷを購入しなければならなかった。同サービスが導入されたことにより、在来線と同じ感覚で新幹線に乗車できるようになった。同サービスを導入した狙いについて、JR東日本広報部報道グループの担当者は、こう話す。「『タッチでGo!新幹線』は、在来線感覚で新幹線自由席を利用してもらおうという意図から始めることになりました。まだ、サービスを開始したばかりなので、対象エリアは東京駅を起点に東北新幹線は那須塩原駅、上越新幹線は上毛高原駅、北陸新幹線は安中榛名駅までです。今後、エリアを拡大するかどうかは、現段階においては様子を見ながら検討するとしかお答えできません」 通勤・通学で毎日のように鉄道を使っていたビジネスマンや学生は、裏面に磁気情報が刷り込まれた定期券を使用していた。 2001年にIC乗車券Suicaが登場すると、瞬く間にSuicaは普及していった。JR東日本のSuicaが成功したことを受け、JR東海やJR西日本も自社のIC乗車券を発行。JR東日本を追随した。 現在、Suicaだけでも発行枚数は約6400万枚。Suicaが急速に普及した理由は、なによりも鉄道の乗車時以外にもショッピングや飲食などの支払いに使える、いわば電子マネー機能を搭載したことによる利便性の向上が大きい。 Suicaが一枚あれば、外出時に財布は不要。2006年には、携帯電話にSuica機能を持たせた「モバイルSuica」が登場し、IC乗車券の普及スピードは加速した。今では、ApplePay機能も搭載。IC乗車券の進化と利便性の向上は果てしない。 利用者にとって利便性の高いIC乗車券だが、実はIC乗車券の導入・普及は鉄道事業者の方がメリットは大きい。 なによりも乗車券類の紙代が節約できるほか、キセルなどの防止にも役立つ。また、IC乗車券の利用が増えたことで、”みどりの窓口”をはじめとする有人窓口を削減。それが、人件費の縮減効果をもたらしている。 有人窓口のない駅は、利用者が少ないローカル線に多く見られた。ところが、最近は首都圏でも券売機のみを設置し、有人窓口を廃止する駅も珍しくない。窓口の無人化の波は山手線にも及び、田端駅では2014年に”みどりの窓口”が廃止された。 IC乗車券の破壊力は、それだけにとどまらない。窓口の無人化につづいて、改札の無人化にも波及している。 中央線の武蔵境駅は、一日の平均乗車人員が約6万7000人(2016年度)を誇る。この数字は、JR東日本管内の駅で66位。決して、ローカル線然とした駅ではない。 2013年、その武蔵境駅に駅ビル「nonowa」が誕生。それに合わせて、武蔵境駅も改良工事が施された。そして、駅ビルに直結する「nonowa口」が開設された。「nonowa口」がこれまでの改札口と大きく異なるのは、設置されている全改札機がIC乗車券専用機になっている点だ。つまり、きっぷで「nonowa口」から入出場できない。 IC乗車券専用改札機は多くの駅でも設置されるようになっているが、すべての改札機をIC乗車券専用にしたのは「nonowa口」が初めてのケースになった。 武蔵境駅を皮切りに、JR東日本は全改札機がIC専用となる改札口を増やしている。現在、JR東日本管内で「nonowa口」のようなIC専用改札口が設置されているのは15駅にのぼる。「武蔵境駅のnonowa口や阿佐ヶ谷駅のDila 阿佐ヶ谷に直結する改札口は、全改札機がIC乗車券専用機になっています。だからと言って中央線で重点的にIC乗車券専用改札の設置を進めているわけではありません。利用状況を見て、IC乗車券専用改札口にするかどうかを判断し、その判断に基づいてIC専用改札機の設置を進めています」(同) JR東日本が、IC専用改札機を導入する判断基準は判然としていない。JR東日本は利用者数だけではなく設置される改札機の数、改札口の数、駅の混雑度などから総合的に判断していると思われるが、なによりも大きな判断基準になっているのは、駅リニューアルや改札機が老朽化したことで更新といったタイミングだろう。 順次、IC専用改札機への切り替えは進められているが、すべてをIC専用改札機にしたIC専用改札口が増えれば、常駐させる駅員の数は少なくて済む。人件費の削減効果もさることながら、鉄道会社が直面している人手不足も解消する。 現在、政府や経済産業省はFinTechを活用して、キャッシュレス化への取り組みを加速させている。世界各国に比べると日本は完全なキャッシュレス後進国と言われる。 キャッシュレス最先端国・デンマークは、2030年までに紙幣と硬貨の発行を全面的に停止することを決めた。今後はデジタル通貨・オンライン決済に切り替えるという。 スウェーデンでも同様に、現金の発行停止が現実化しつつある。中国ではスマホ決済を中心に、キャッシュレス化が急速に進んでいる。 買い物や飲食店での支払いという点に関して、日本ではいまだに現金信仰が根強い。その反面、鉄道分野ではキャッシュレス化が猛スピードで進んでいる。SuicaをはじめとしたIC乗車券の台頭で、きっぷは過去のものになりつつある。 IC乗車券は鉄道業界を変え、私たちの鉄道へのスタンスを変えた。そして、その波はライフスタイルそのものを大きく変えようとしている。
2018.05.06 07:00
NEWSポストセブン
総延長3000kmの新幹線網、今後キティコラボや360km運転も
総延長3000kmの新幹線網、今後キティコラボや360km運転も
 総延長約3000キロを誇る日本の新幹線網。東京五輪を前に東海道新幹線が1964年に開通して以来、山陽、上越、東北と路線を広げ、北陸、九州、北海道への延伸で、日本の国土の軸が完成した。在来線のレール幅を広げて直通運転するミニ新幹線も山形、秋田へと延び、東北各県が東京からの日帰り圏内となった。 現在進められている新たな新幹線計画は、北海道新幹線の札幌への延伸、北陸新幹線の金沢~敦賀~新大阪延伸、九州新幹線(西九州ルート)の長崎~武雄温泉~新島栖新設だ。さらに東海道新幹線のバイパスの役割を担う、次世代高速鉄道のリニア中央新幹線も品川~名古屋間で建設中だ。 運行システムもさらなる安全・快適を目指し、更新が続けられている。JR東海が運行する東海道新幹線では、最高時速270キロの700系を、2020年3月を目処にすべてN700A・Sへ置き換えることを発表。全車両がこれまでより速い時速285キロで走れるようになることから、よりスピーディなダイヤ編成となる見込みだ。 JR西日本は、人気の500系を今夏「ハローキティ新幹線」として登場させる。人気キャラクターとコラボしたピンク色の新幹線は子供連れの旅行で人気を集めそうだ。JR東日本では、東北・北陸新幹線等で車両設備を改修し、この5月より無料Wi-Fiが順次利用可能となる。また、2030年を目標にE5系新幹線の後継となる新型車の投入を目指しており、日本最高速の時速360キロ運転が実現する見込みとなっている。取材・文■白川淳※週刊ポスト2018年5月4・11日号
2018.05.02 07:00
週刊ポスト
JR東海の次世代新幹線N700S、利用者に嬉しい改善点
JR東海の次世代新幹線N700S、利用者に嬉しい改善点
 N700Sは、JR東海が次世代の標準型新幹線として開発を進めている高速列車だ。称号の「S」は「最高」を意味する「Supreme」の頭文字。外観は現行のN700Aに似ているが、細かな点で差異がある。 先端の形状は、走行風を円滑に後方へと流すため、左右のエッジを立てた「デュアル・スプリーム・ウィング形」を採用した。ヘッドライトは夜間の視認性向上のため大型化し、省エネタイプのLEDを取り付けた。車体の色は伝統の白地に青帯を踏襲しているが、先頭部の帯は「S」をデザインしたものに変わった。 利用者目線での嬉しい改善点は、まず普通席の座席肘掛け全てにコンセントが完備されたこと。これまではパソコンや携帯電話などの電源を確保するために、窓側や最前列を指定していたビジネス客の利便性が高まった。リクライニングシートも新開発の機構を採用し、より快適な座り心地となった。 車内の明かりにはLED間接照明を取りつけ、停車駅到着前には明るさを変えて荷棚の荷物忘れを注意喚起する。この他、車内空調の改善やフルカラー液晶による見やすい車内案内表示も新登場となる。 新たに開発された駆動システムによって、車内の乗り心地も大幅に変わる。小型軽量化した新型6極駆動モーターを搭載した高性能な台車により「低騒音化」を実現。フルアクティブ制振制御装置で車体の揺れを抑えている。 安全対策面では、地震時の緊急ブレーキ性能が向上。加えて駆動システムの小型化によってバッテリー(小型・大容量のリチウムイオンバッテリー)を搭載できるようになり、長時間の停電時にも安全な場所に列車を自力走行できるうえ、これまで停電時には使用できなかったトイレも使えるようになった(東海道新幹線のトイレの“流す”機能には電気が必要なため)。今後、N700S系列の車両で統一されれば、異常時のダイヤ回復も容易となり、利用者にとっては大きな安心感も生まれる。 N700Sは2020年度の営業運転開始を目指す。1964年、東京五輪の時に「0系」が走ったように、再び東京五輪の年に“夢の超特急”が走り始める。取材・文■白川淳※週刊ポスト2018年5月4・11日号
2018.04.24 11:00
週刊ポスト
1日の売り上げは大手コンビニに匹敵するJR東日本のNewDays
コンビニと鉄道の提携続々 JR東日本は自前主義を貫くのか
 コンビニエンスストアと鉄道会社のタッグが増えている。コンビニは大手でも、既存店の売り上げ前年割れを、何とか旺盛な新規出店でしのいでいるのが現状。そんな中、毎日多くの乗降客数を抱えて「駅」という宝庫を持つ鉄道会社との提携は、コンビニにとって大きな商機となる。 最近も、3月8日にセブン&アイ・ホールディングスが小田急電鉄との提携を発表し、今後約2年をかけて、これまで小田急グループが運営してきた駅売店や自社系のコンビニ約100店を順次、セブン-イレブンに切り替えていくことになった。 そこでまず、大手コンビニ3社の鉄道会社との提携を振り返ってみよう。 最初はセブン-イレブン。これまで北海道キヨスク(JR北海道駅構内にある販売店)、JR西日本、JR四国、京浜急行電鉄、新京成電鉄、大阪モノレール(大阪高速鉄道)、神戸電鉄の7社と提携、累計で約450店をセブン-イレブンに転換し、今回の小田急分が加わると約550店になる。セブンの提携相手の中でインパクトがあったのはJR西日本だ。 同社はJR東日本やJR東海と並ぶJRの3大企業で、セブンとは2014年に提携。JR西日本管内には1200強の駅があり、うち約550店の駅売店などを5年かけてセブン-イレブンに変えていき、新規の駅構内出店もすべてセブン-イレブンとなる。 元来、東日本に強くて西日本はやや手薄だったセブン陣営にとって、JR西日本との提携は大きい。このほかでは、今回の小田急、それに2009年に提携した京急が通勤、通学、観光、それぞれ一定ボリュームの客を擁しており、商圏としては比較的大きいといえる。 次いでファミリーマート。同社は今年2月末現在、15社の鉄道会社と提携し、ファミマ転換店は526店。これまで鉄道とのタッグといえばファミマがリードしてきたが、セブンは小田急とのタッグ分を単純に上積みするとファミマを超えてトップに立つ。 だからか、ファミマの広報室ではセブンが小田急との提携を発表した同じ3月8日、セブンを牽制するかのごとく、エクセルのデータで各メディアに鉄道会社との自社の取り組み実績表を送っている。 そのデータによると、提携鉄道会社は、西武鉄道、つくばエクスプレス、東武鉄道、京成電鉄、JR九州、相模鉄道、名古屋鉄道、多摩都市モノレール、神戸市営地下鉄、近畿日本鉄道、横浜市営地下鉄、東京都営地下鉄、名古屋市営地下鉄、仙台市営地下鉄、京都市営地下鉄となっている。最初は2008年の西武との提携、直近は2015年の京都、仙台の各市営地下鉄だ。 ファミマが鉄道会社と縁が深いのは、もともと鉄道会社との提携を得手としていた、旧am/pmジャパンを2010年に買収したことが大きい。提携店舗数としては、JR九州管内の188店、近鉄管内の100店、西武管内の59店が上位3社で、提携する鉄道会社数は15社と多いが、ここ2年は提携が拡大できておらず、セブンに猛追されてきた格好だ。 そしてローソン。同社は東急電鉄、東京メトロ、西鉄、大阪市営地下鉄等と提携しているが、セブンやファミマに比べると見劣りがする。ただ、鉄道会社との提携は東急電鉄とは2005年に実現し、コンビニ大手3社の中で最も早かった。その後、東京メトロと2015年に提携し、同社管内の駅売店140店のうち、約50店を3年かけてローソンに切り替え、ほかの売店も順次、切り替えていくという。 特に平日の乗降客数の多さからいって、この東京メトロとローソンのタッグはセブンやファミマに比べてアドバンテージはある。それだけに、ローソンが東京メトロとの提携を勝ち取る過程では、セブンやファミマに比べて破格の好条件を出したとも言われたほどだった。 ローソンとしては、どんな条件でもいいからライバルコンビニには奪われたくなかったのだろう。最近では昨年、大阪市営地下鉄と提携。同鉄道管内のコンビニはそれまで、ポプラとファミマが受け持っていたが、新たにローソンが獲得し、管内の44店が今後、ローソンに変わっていく予定だ。 さて、残る争奪戦だが、私鉄で言えば東は京王電鉄、西は阪急阪神ホールディングスが残っている。このうち、阪急阪神HDとは兄弟会社といえる、H2Oリテイリングがセブン&アイHDと2016年に提携した。 H2O陣営のSポイントを西日本エリアのセブン-イレブンで使えるようにする項目も盛られたので、その縁で阪急、阪神の各沿線もセブン-イレブンにとっては手を組むチャンスだが、セブン&アイHDとH2Oの提携が以後、あまり進んでいないのが現状だけに先行きはやや不透明ではある。 そして、鉄道会社の提携先としてはある意味、コンビニ大手3社の垂涎の的といえるのが、JR東日本である。同社の路線距離は地方都市まで伸びているのでかなり長いものの、ドル箱で金城湯池ともいえる山手線や中央線等々、多くの乗降客数を持つ駅を東京都心や都内近郊に抱えているからだ。 ただ、JR東日本との提携は一筋縄ではいかない。何より、JR東日本にもNewDaysというコンビニがグループ内にあるほか、ルミネ、アトレ、ステーションビル、エキュートなど多くの商業施設を運営している。このほか2010年には高級スーパーの紀伊國屋を買収しており、これらの総売り上げのスケールは、大手小売業も顔負けのボリュームがあるからだ。 ゆえに、JR東日本は簡単にはコンビニ大手からのラブコールには応じないだろう。ほかの鉄道会社であれば、駅売店や自社コンビニでは競争力が弱く、コンビニからのオファーは渡りに船だから、提携までもっていくのは条件が折り合えば、そう難しくはないはず。 が、JR東日本はそうはいかない、難攻不落の相手なのである。前述のNewDaysは、店舗数は1000にも満たないものの、1日の平均日販はファミマやローソンを上回り、セブンに次ぐ日販金額だといわれている。 ただし、店舗数の規模や商品開発のノウハウ等々では正直、NewDaysよりも大手コンビニ3社に軍配が上がる部分は多いと目される。だから、JR東日本がたとえばセブン-イレブンと提携した場合、NewDaysよりも日販金額はさらに上がるかもしれない。 一方で、鉄道会社が自前でコンビニを運営していくのに比べて、既存コンビニのフランチャイジーとなると、ロイヤリティの徴収額もそれなりに大きいだけに、鉄道会社がそれほど潤うというわけでもない。 ともあれ、ほかの鉄道会社に比べて、JR東日本はいわば別格の存在である。セブン-イレブン、ファミマ、ローソンの大手3社のどこがJR東日本と組むのか、あるいはこのままJR東日本が自前主義を貫くのか、興味は尽きない。●文/河野圭祐(ジャーナリスト)
2018.03.31 07:00
NEWSポストセブン
アルゼンチンの丸ノ内線ほか「世界で現役、日本の中古鉄道」
アルゼンチンの丸ノ内線ほか「世界で現役、日本の中古鉄道」
 遠く離れた異国の地で、見慣れた車両が“第2の人生”を送っている。いずれの列車も日本で役目を終えた後、海外に居場所を得て多くの人々の生活を支える、今も現役で走り続ける“勇姿”を、世界各国の鉄道を巡る写真家・白川淳氏が撮った。(アルゼンチン) 1957~1996年に運行されていた元営団地下鉄丸ノ内線500形。赤い塗装に白帯とサインウェーブが郷愁を誘う。ブエノスアイレスのエチェヴェリア駅にて。2016年6月28日撮影。(ミャンマー) ヤンゴン環状線インセイン駅に停車する元JR東海のキハ11形気動車。日本では紀勢本線(三重)、高山本線(岐阜)などで使われていた。ミャンマーでは誰もが線路を歩いて横断する。2016年11月25日撮影。(マレーシア) 名鉄特急「北アルプス」、会津鉄道「AIZUマウントエクスプレス」として2010年まで運行されていたキハ8500系。現在はサバ州立鉄道で運行されている。2017年2月25日撮影。(タイ) 太平洋戦争中にタイに持ち込まれたC56形蒸気機関車。現在も2両が動態保存され、祭りなどの際に映画『戦場にかける橋』(1957年)の舞台となった泰緬鉄道を走る。2016年12月5日撮影。(フィリピン) 日本で国鉄から関東鉄道が譲り受け運行していた車両(旧キハ30系)を、2015年にフィリピン国鉄が引き継いだ。ルソン島南部・マヨン火山を背に走る。2017年3月1日撮影。■写真/白川淳 ■取材・文/戸田梨恵※週刊ポスト2018年3月23・30日号
2018.03.22 07:00
週刊ポスト
【嵐山光三郎氏書評】信念でJR九州をやる気にさせた経営者
【嵐山光三郎氏書評】信念でJR九州をやる気にさせた経営者
【書評】『新鉄客商売 本気になって何が悪い』/唐池恒二・著/PHP研究所/1700円+税【評者】嵐山光三郎(作家) 国鉄分割民営化がなされてから30年がたった。そのうちJR東日本、JR東海、JR西日本の業績は好調で本州三社と呼ばれたが、そのほかに「JR三島」という会社があった。「JR北海道」「JR四国」「JR九州」の三社のことをまとめてこう呼んだ。これは業界内での名称で、新幹線が走る「本州三社」は発足するとひたすら黒字を計上して優良企業への道をひた走るが「JR三島」は厳しい赤字経営状況にあった。 国鉄に入社して、十年後「JR九州」へ行ったカライケ青年は「今にみておれ! 本州三社を見返してやる」という心意気で逆境から這いあがり、二〇一六年に「JR九州」を一部上場して完全民営化をはたした。 これはその奮戦記で格闘史だ。並の会社立志伝とは違ってユーモアや自慢話のディテイルが痛快。57歳で社長となったカライケ親分は、麻生太郎元総理のしわがれ声をまねして、ドスをきかせつつよく通るバリトンより低い声で交渉の場に臨み、渾身の力をふりしぼって、九州新幹線全線開通をはたした。 大評判になった「走るホテル」の「ななつ星」を提案したときは社内には「やりたくない」という空気もあった。そこでカライケ親分は、はっぱをかけた。一、夢みる力二、「気」をみち溢れさせる力三、伝える力 企画を成功に導くために、手間をおしまず、低くドスのきいた声で人をその気にさせる。迫力あるなあ。カライケ青年は→社長→会長→怪人となっていく。七転八倒しつつ根気よくつみ重ねて、市場を分析して、信念を持って、会社全体に「気」をみちあふれさせた。 かくして怪人カライケは「駅から三百歩横丁」を博多に開き、カリスマ力を四方八方に発光する。千人にひとり、万人にひとりの経営者の誕生。「夢や気を伝える戦略」が赤字会社を生き返らせた。逆境と屈辱は、人と組織を活性化させる発火点であることが実感として伝わる。※週刊ポスト2017年11月10日号
2017.11.04 16:00
週刊ポスト
史上初「国宝新幹線」が11月19日運行 京都「国宝」展の旅
史上初「国宝新幹線」が11月19日運行 京都「国宝」展の旅
 琳派芸術の最高峰、尾形光琳筆『燕子花図屏風』ほか、210件もの国宝が展示される特別展覧会「国宝」展(京都国立博物館)。この秋最も注目を集め、行列必至のこの展覧会に合わせて、史上初の専用列車「国宝新幹線」が11月19日に運行される。 車中では、美術史家の山下裕二氏と俳優の井浦新氏による、この日限りの特別車内アナウンスが流れるほか、京都国立博物館公式キャラクター「トラりん」が同乗、記念撮影もできる。「『燕子花図屏風』を実際に見ると、絵具が盛り上がり、花びらのところなどがポッテリとしていることがわかります。作品をリアルに自分の目で見ることで伝わる感動に驚くはずです」(山下氏)「国宝新幹線」に乗車するためには、下記旅行会社で専用ツアーに申し込む。オススメは、東京・品川駅発着大人1人2万5800円のお得な日帰りプラン(JR東海ツアーズの一例)。紅葉シーズン真っ盛りの京都で、国宝と古都の風情を堪能できる。◆「国宝」展は11月26日(日)までの開催で、I期~IV期の4期に分けて展示される。国宝新幹線の運行(11月19日)はIV期にあたり、「燕子花図屏風」以外にも、縄文土器の典型ともいえる新潟県笹山遺跡から出土した「深鉢形土器」(火焔型土器No.6)、江戸時代に革新的な3Dの空間表現を見せる円山応挙筆「雪松図屏風」など、90件以上の国宝が鑑賞できる。◆「国宝新幹線」は2017年11月19日(日)運行東京駅9時13分発、京都駅11時33分着(乗車は東京、品川、新横浜駅)国宝新幹線ツアーの申し込みは、下記まで。http://souda-kyoto.jp/other/kokuhou_sp.html※週刊ポスト2017年10月27日号
2017.10.18 16:00
週刊ポスト
渋谷、品川、そして東京駅…五輪後も続く?東京都心の再開発を追う
渋谷、品川、そして東京駅…五輪後も続く?東京都心の再開発を追う
東京五輪が開催される2020年まではさまざまな再開発が行われるが、五輪が終わった後は下火になるーー。 そう思っている人が多いかもしれないが、「実は違う」と東京カンテイの井出武上席主任研究員は話す。「東京都心の再開発はむしろ五輪後が本番と言ってもいい。主要なターミナルで再開発の計画が目白押しで、五輪前はもちろん五輪後も切れ目なく続く。2030年ごろには東京都心は大改造されて生まれ変わった姿を見せてくれるはずです」そこで今回は、渋谷駅、品川駅、東京駅などの主要ターミナル駅とその周辺で行われている再開発計画を取り上げ、その進捗を紹介したい。ヒカリエ筆頭に未来都市へ進化 「渋谷駅」まずは、工事の真っ只中にある渋谷駅周辺の再開発から紹介しよう。渋谷駅周辺の再開発は大きく分けて「渋谷駅街区」「渋谷駅南街区」「渋谷駅桜丘口地区」「道玄坂街区」の4つの区画で行われている。 特徴はどの街区にも高層ビルが建つこと。渋谷駅周辺と言えば、他の主要ターミナル駅と比べて高層ビルが少なく、街並みも雑然としている雰囲気がする。しかし、再開発が終了した暁には超高層ビルが立ち並ぶ「未来都市」に様変わりしているだろう。現在、4つの街区の中で建設が急ピッチで進められているのが、「渋谷駅街区」の駅ビルの再開発だ。東京五輪が開催される2020年、駅ビルとして高さ230m、地上46階建ての超高層ビルが建設される。完成すれば、渋谷ヒカリエの高さ180mを超え、新たなランドマークになるのは間違いない。その後も再開発は続き7年後の2027年に西棟や中央棟が完成し、全貌を現す。写真/PIXTA「道玄坂街区」の工事も始まっている。ここは以前、東急プラザ渋谷があった跡地で進められている。地上18階、地下4階の高層ビルが建設され、2020年に開業予定だ。さらに東急東横線の渋谷駅の旧ホームと線路跡地を区画とする「渋谷駅南街区」には地上34階建ての超高層ビル、「桜丘口地区」には高さ150m以上の高層ビルが2棟などが建つ予定だ。それ以外にも、高層ビル間の移動をデッキや地下通路でつないで回遊できたり、高層ビル化で空いたスペースを広場や緑地などとして活用する計画もある。完成すると他のターミナルにはない魅力的な駅へと変貌するだろう。資産価値向上でタワマンも リニア新幹線で再注目「品川駅」次に紹介するのが品川駅とその周辺の再開発だ。品川駅と言えば、過去に再開発が進み、タワーマンションも多数建設されて人気を博している。その人気ぶりはタワーマンションの中古物件が新築購入時より高い価格で売却されることが多いことからも分かる。21世紀に入って資産価値が上がった代表的なエリアと言えるだろう。写真/PIXTA品川駅周辺で行われる再開発やプロジェクトはさまざまあるが、その中でも注目されているのが、2027年に予定されているJR東海リニア中央新幹線の開業だ。東海道新幹線は東京駅が始発のため、品川駅は停車駅の1つに過ぎない。しかし、リニア中央新幹線は品川駅が始発のため、名実共に「東京の玄関口」になる。リニアの開業後は品川駅の人の往来は今以上に増え、街の資産価値も高まることが期待できる。山手線の新駅でさらに資産価値が上昇?品川周辺の再開発のもう1つの目玉が、山手線の品川駅と田町駅の間にできる新駅だ。今年2月10日、事業者のJR東日本と都市再生機構(UR)が新駅の起工式を行ったというニュースを耳にして知っている人も多いだろう。写真/PIXTA山手線の新駅設置は1971年に西日暮里駅ができて以来のこと。新駅の営業開始予定は2020年春だから、約半世紀ぶりだ。山手線の各駅間の距離などから考えて「最後の新駅」とも言われており、注目が集まるのも無理はない。新駅の駅舎をデザインするのは、新国立競技場の設計を手掛けた建築家の隈研吾氏。和風でモダンなデザインは五輪鑑賞で訪日する外国人にとっても印象に残る。駅舎以外にも商業や住宅施設なども開発し、本格開業は2024年を見込んでいる。新駅の誕生は品川周辺の資産価格を押し上げそうだ。山手線沿線の中でも港区や品川区にある駅は元々人気が高く、新駅の誕生で人気に拍車がかかりそうだ。八重洲や日本橋、古き良きエリアにも高層ビル 「東京駅」写真/PIXTA最後に紹介するのが東京駅近辺だ。東京駅と言えば、大手町や丸の内など日本を代表するオフィス街や商業地であり、さらに東海道新幹線や東北新幹線の始発駅であるなど、日本の玄関口と言える。最近も大手町や丸の内では新たなオフィスビルや商業施設、ホテルなどが再開発で誕生し、街の魅力を高めている。その一方で、丸の内と反対側の八重洲口や、日本橋口はあまり再開発が進んでいなかった。八重洲側は飲食店が建ち並ぶ雑然とした雰囲気が魅力だが、他の主要ターミナルと比べると若干見劣りするのは否めない。しかし、それを一変する再開発が計画されている。三菱地所が日本橋口前の常盤橋街区で予定する大規模再開発だ。敷地面積が約3万1400m2という広大な敷地に、日本一の高さとなる390mの超高層ビルを建設する。完成すれば、東京駅の新ランドマークタワーの誕生となる。超高層ビル以外にも、約7000m2の広場を整備し、災害時には避難場所として活用するなど防災拠点の役割も担う。竣工は最も早い棟で2021年度、最も遅い棟で2027年度を予定している。今回紹介した東京駅、品川駅、渋谷駅以外でも再開発は進んでいる。ここまで大規模ではないものの、例えば山手線では目黒駅や新宿駅、中央線の四ツ谷駅、中央線の中野駅などだ。各エリアで行われる重層的な再開発によって、東京の魅力や資産価値はますます高まりそうだ。●取材協力・東京カンテイ(冨丸 幸太)
2017.09.22 08:05
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松田聖子を目撃
松田聖子、沙也加さんの初盆に“もう1つの遺言”と「新しいお墓」への願い
女性セブン