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情事を覗く2cm姑の哀しい末路 49才で寝たきり痴呆に

息子夫婦の情事を覗くべく、ふすまを2センチ開ける姑。その「2cm姑の恐怖」の衝撃から1年半。エスカレートした姑に哀しい結末が訪れ、嫁のT子さんは複雑な心境でその後を語った。(女性セブン1988年12月22日号より)

* * *
ふすまを2センチ開けて、夫婦の寝室をのぞき見する姑の行為はその後も続いた。T子さんがいう。「深夜0時近くになると、ヒタヒタと階段を上がってくる姑の足音がするんです。もう体がカチンカチンになって、とても夫婦生活どころじゃありません。不眠が続いて、毎日、頭痛に悩まされるようになりましてね」

寝るのが遅いはずの姑は、朝は5時に起き、T子さんたちの寝室の前でわざとらしくせきばらいをしてから散歩に出かける。

そして、“息子を嫁に取られた”という姑の嫉妬はつのり、女としての対抗手段に出るようになった。「今月の3月、日曜日のことでした。夕方、買い物から帰ってくると、風呂場から姑と夫の笑い声が聞こえてくるんです。

しばらくして下着一枚の姑が上気した顔で居間にやってきて、“たまにはK夫(夫・31才)の背中を流してやろうと思ってね。あの子、小学校の3年生まで、私のオッパイ握って甘えていたのよ”と、得意げにいうんです」

それから、姑は息子をソファに寝かせ、手慣れた手つきでマッサージを始めた。 肩から腰、太ももと、姑の指が夫の体をもみほぐすのを見て、T子さんは、「母子相姦を目の前で見せつけられているようないやらしさにゾクッとしました」

もちろん、T子さんは夫をいさめた。すると、夫は軽く笑い飛ばしていった。「おまえ、やきもち焼いとるんか。バカだなぁ、たまにはおふくろの機嫌もとらなきゃいかんだろう」

それから、姑は、かいがいしく息子の世話をやくようになった。T子さんは我慢がならなくなった。「世話をやいてくれるのはいいとしても、夫婦の睦言さえも姑につつぬけで、夜のおちおちしていられないなんて冗談じゃない」

結婚してまる6年、いまだに子供ができないのも、夜毎の姑ののぞき見が原因で、夫婦関係が冷えてしまっているからだと思った。

ある日、T子さんは夫を説得した。「ねえ、お姑さんに遠慮なんてしていられないわよ。私ももう30才を過ぎたんだから、早いとこ子供をつくらなきゃ。もうできなくなるかもしれない……」

T子さんは、ギスギスした嫁姑関係を解消するためにも、なんとしても子供がほしいと思った。夫も納得した。その夜から、T子さんは“2cm姑”を無視することにした。“子供がほしい、子供がほしい”――ひたすらそれを願って、夫に抱かれた。

姑は、相変わらず、夜中になるとトイレのドアをわざとバタンと閉めたり、冷蔵庫をひっきりなしに開け閉めして、エヘン、エヘンとせきばらいを続けた。そして、2cmのふすま開きは、やがて5cmになり、とうとう10cmぐらい開けて、ジーッとのぞき込むようになった。

「姑の存在を完全に忘れようと努力しました。だから姑も、“ちくしょう!”という気持ちでエスカレートしたんだと思います」

今年の8月の終わり、むし暑い夜だった。姑の“覗き見”に異変が起こった。熱帯夜に寝つけない姑は、“10cm”の悪癖を性懲りもなくやっていた。T子さんは、らんらんと輝く姑の目を意識しながら、夫に身をまかせていた。

姑の息遣いが荒くなるのが伝わってきた。すると、突然、姑が、“ウ、ウッ~”といううめき声をあげた。T子さんも夫も起きあがった。と、次の瞬間、ド、ド、ドーッという激しい音が家じゅうに響きわたった。

夫婦が寝室を飛び出すと、階段の下で姑がうつ伏せに倒れていた。興奮のるつぼに達した姑は、頭に血が上ったのだろう。青息吐息で救急車で運ばれたが、脳血栓と診断された。

「それっきり、病院で寝たきりなんです。私の顔はもちろん、主人の顔さえもわからなくなっちゃったんですよ。ついこないだまでケンカしてた姑がいなくなってみると、おかしなもんですねえ、なんだか拍子抜けしてしまって、なんだか寂しいんですよ」

“悔しい”と嫉妬に狂った姑は、49才の若さで惚けてしまった。

「でも、姑はいなくなったけど、私、赤ちゃんができたんです。3か月にはいったんですよ」
T子さんはそういって、複雑な笑顔を見せた。

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