国内

枝野氏の「爆発的事象」発言は役人根性丸出しのごまかし言葉

政府は福島原発の事故でとかく「安全です」と発信し続けたが、その後続々と問題が発生。「政府は嘘をついている」という印象が刻々と増大する結果となった。こういう大災害のなかで、当局発表の信頼性が失われてしまうことは、間違ったデマにまで信憑性を与える。

現に、西岡武夫・参院議長は「炉心融解すれば原爆が落ちたのと同じ状態になる」という、とんでもないデマを堂々と会見で述べた。

一部の新聞も、核爆発が起きるおそれがあると煽り、「原子力に詳しいフランスの大使に国外退去命令が出た」などという話が、いわゆるアッパークラスに「極秘情報」として伝達された。

枝野幸男官房長官が、爆発を「爆発的事象」などと、役人根性丸出しのごまかし言葉で語るから、このようなことが起きた。会見で枝野氏は、「デマが多い。きちんとした情報だけ報道してくれ」と怒ってみせたが、自ら省みるべき事象も多かった。

危機管理の専門家である「リスクヘッジ」の田中辰巳・代表は、今回のような重大な危機に際しては、「感知」(危機を感じ取り、事態を掌握する)、「解析」(事態を認識し、展開を予測する)、「解毒」(誠実・正確な情報公開で不安を取り除く)、「再生」(修復と出口戦略)の4つが肝要だと分析したうえで、枝野氏の言動をこう評した。

「一番はじめの感知でつまずいてしまった。正確な理解ができていないのに不用意な発言を繰り返したことで、国民の不安を煽ったというべきです」

※週刊ポスト2011年4月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン