国際情報

勝谷誠彦 ミャンマー、尖閣諸島から吹き始めた中国への逆風

『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。本サイトでは4月20日に配信された12号よりこれから3回にわたって「勝谷誠彦の今週のオピニオン」を公開する。

 * * *
 あまりに駄目な「バカが国家をやっている」(さりげなく拙著の宣伝ですが・笑)ために、つい私たちは悲観的、そして自虐的になりがちだが、実はちょっと風向きがかわって追い風になりつつあることを紹介し、たまにはいい気分になってもらおう。

 石原慎太郎東京都知事が、尖閣諸島を都のお金で買うと言い出した。私がかねて聞いていたところでは、所有者の方は愛国の士であって、だからこそ民主党政権の時は、国に売り渡すことに躊躇いがあったらしい。そのまま右から左に、中国に転売しかねないからだ。やりそうですよね、あの連中なら。

 しかし石原さんなら安心だと思ったのだろう。都民の税金を使うとなると、またわあわあ因縁をつける連中が出そうなので、本当は「尖閣ファンド」のようなものを作って、ひろく義金を募ってはどうかと私などは思うのだが。たちどころに集まるに違いない。

 中国は地団駄を踏んでいることだろう。もっとも嫌な相手の手に落ちることになるからだ。実はこれに限らず、中国の外交はここのところ少し「ヘン」なのである。外交とは武器を使わない戦争であるのは言うまでもないが、その戦いにおいて守勢にまわることが目立っているのだ。

 もっとも大きな失態はミャンマーを、欧米をはじめとする自由主義陣営にとられたことだろう。

 あらゆる手段をとって「南の海へ出る道」を確保しようとしている中国にとっては大きな誤算だ。しかも、あまり語られていないことだが、ミャンマー情勢はチベット問題につながって来る。もともとビルマ族というのはチベット高原の南側に住んでいた人々なのだ。

 ミャンマーの自由化はチベットの人々の心をざわめかせることになるに違いない。

※メルマガNEWSポストセブン12号

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト