国際情報

「尖閣に日米安保適用」のヒラリー約束の引き継ぎを死守せよ

 2013年は「動乱の始まりの年」と言っていい。それは東アジアの海洋を舞台に日本、中国、韓国、ロシア、そして北朝鮮が自らの国益を懸けて対峙する「グレートゲーム」の始まりである。その中で日本が何を守るべきなのか、外交ジャーナリストの手嶋龍一氏が解説する。

 * * *
 2012年11月、中国共産党は習近平氏を新しい総書記に選出し、「海洋強国」を目指すと宣言した。中国は強国の証として空母機動部隊を創設し、日本の尖閣諸島を窺う構えだ。北の海に目を転じるとロシアが北方領土に、西の海では韓国が竹島に攻勢を強めており、北朝鮮はミサイル発射で揺さぶりをかけている。

 日本の国境線はいま、周辺国の攻勢にさらされて縮み始めていると言っていい。日本が国際社会に存在感を示すには、際立ったリーダーシップの確立こそ急務だろう。これまで東アジア安定の礎(いしずえ)だった日米同盟が脆くなっており、手を拱(こまね)いていれば解体の危険すらあるだろう。

 中国が「核心的利益」と位置付ける尖閣問題こそ、外交にかける日本の意志が問われている。2010年9月、ヒラリー・クリントン米国務長官は日本が実効支配している尖閣諸島に日米安保条約の第5条を適用すると言明した。

 これに対して中国は、外交の限りを尽くして「クリントン発言」を切り崩そうとしている。こうしたなかで日本政府は、クリントンなき2期目のオバマ政権にも「ヒラリーの約束」を引き継がせることこそ死活的に重要となる。

※SAPIO2013年1月号

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン