国内

沖縄在日米軍用土地 1割以上が中国資本に買い占められていた

「いったいどういうことだ。なんとかならないのか」

 沖縄駐留米軍を統べる四軍調整官のリチャード・ジルマー中将(当時)は防衛省幹部らの説明にそう詰め寄った。

 沖縄本島中部のキャンプ・フォスターにある四軍調整官事務所。沖縄駐留海兵隊司令官であると同時に、陸海空軍と合わせて2万5000人超の在沖縄米軍全体のトップでもあるジルマー中将の前に、東京から訪ねた防衛省防衛政策局長(当時)らは持参した米軍基地の土地の図面を広げて説明を始めた。

 図面上の軍用地のところどころにマーカーで色が塗られている。防衛省側が「色をつけた軍用地は中国資本に買収されている疑いがある」と説明すると、その多さを見たジルマー中将が冒頭のような声を挙げた。

 防衛省関係者が明かす。

「沖縄防衛局の一部の限られた職員による極秘調査で、中国資本によって買収されたのではないかと疑われる米軍の軍用地が多数あることがわかった。そこで、2008年春頃、調査の中間報告を米軍サイドに行なったのです。彼らはただちにペンタゴン(国防総省)に報告するとともに、防衛省にさらなる実態把握を行なうように求めてきた。

 沖縄の土地の開発や売買をしている地元財界から『軍用地を中国資本が買っているようだ』という情報を沖縄防衛局が掴んだのは15年ぐらい前のこと。その頃から関心を持ち始め、事態が深刻化してきた2004年頃から断続的に本格的な調査を行なっている。米軍サイドに中間報告を行なってから2年後(2010年)に調べた時には、沖縄の軍用地の1割以上が疑わしい事例であることが明らかになりました」

●大清水友明(ジャーナリスト)と本誌取材班

※週刊ポスト2013年3月8日号

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