芸能

「じぇじぇじぇ」が商標出願されていた NHKの対応やいかに

 今年の流行語大賞の有力候補「じぇじぇじぇ」が、岩手県・久慈市の菓子店により商標出願されていることがわかった。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』をきっかけにブームになったこの言葉を、菓子の名称として“独占使用”しようというもので、専門家からは疑問の声も出ている。

 まさに、じぇじぇじぇ!な事態だ。

 久慈市の菓子店『沢菊』が「じぇじぇじぇ」を商標出願したのは今年5月。『あまちゃん』が大ブームになっていたころで、ドラマのロケ地となった久慈市ではよりいっそう話題となっていたタイミングだ。
 
 同社が商標使用を指定した商品は「菓子」で、「じぇじぇじぇ」「ジェジェジェ」の2つを出願。つまり、この出願が通れば同社だけが菓子に「じぇじぇじぇ」「ジェジェジェ」という名称をつけることができるのだ。すでに同社では5月から『じぇじぇじぇ』という商品名のクッキーを販売している。

「じぇじぇじぇ」はもともと、久慈市の小袖地区で使われていた言葉だが、『あまちゃん』で使われたことで、一気に広まったもの。これだけ話題になり、誰もが知っている流行語を商標出願することに問題はないのだろうか?

 ファーイースト国際特許事務所の弁理士・平野泰弘氏はこう指摘する。

「商標は先願主義と言って、特許庁が認めれば最初に出願した人が権利を有することができます。しかし、もともとあった言葉とはいえ、ドラマで使われて広く認知されるようになった流行語を、直接、関係ない第三者が商標出願することに道義的な問題は残ります。

 商標権の考え方は土地に置き換えて考えるとわかりやすい。『じぇじぇじぇ』という言葉は土地に例えると公園、つまり誰もが使えるものです。今回のケースは、みんなが使っていた公園を、特定の会社が使用権を独占してそれにより利益を得ようということになります。対象が菓子のみとはいえ、広く一般の理解を得られにくいのではないでしょうか」

 出願が認められるかどうかについては「特許庁の判断ですが、通る可能性はゼロではありません」(平野氏)とした。特許庁の申請を通った場合でも、商標掲載公報の発行日から2か月以内なら、別の会社や個人が、特許庁に登録異議の申立てをすることができるという。
 
『沢菊』はどのような狙いで商標を出願したのだろうか。同社の担当者に経緯を聞いた。

「『じぇじぇじぇ』という商品を先に出していまして、その後、商標を出願しました。(他者が先に出願した場合に)損害賠償にならないためです」

 NHKには事前に連絡していないとし、「『あまちゃん』なら許可をとらないといけないかもしれませんが、『じぇじぇじぇ』は小袖で昔から使われている言葉ですから」と、商標を取得するのは問題ないとの見解を示した。
 
 NHKはどのように対応するのだろうか?

 NHK広報局は「他社の商標出願について、お答えする立場にはありません」とコメントした。NHKにとってもまさかの商標出願で、じぇじぇじぇ!と困惑しているに違いない。ちなみに「あまちゃん」という言葉はNHKの関連会社が商標登録して、幅広い商品でその権利を有している。

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン