ライフ

「女性にとって学歴がこれほど邪魔になるとは」と東大卒女性

 一流大学を出て、一流企業に就職する。娘の幸せを願ったときに多くの親が考えることだろう。しかし、“高学歴女子”は本当に幸せなのか。なんと哀しいことに、高学歴女子の人生は決して順風満帆とはいかないのが現実だった。

 就活で門前払いを受けたというA子さん(32才)が告白する。

「新卒で入った企業を辞めてアメリカ留学。苦労してMBA(経営学修士)を取得しました。戻ってきて就職活動をしましたが、『君の能力に見合った給料が出せない』『学歴に見合うポジションは用意できない』などと言われ続けました。給与水準は下がってもいいのでぜひ働かせてほしいと伝えましたが、どこも相手にしてくれませんでしたね」

 日本企業に就職したいという夢を諦め、A子さんは結局シンガポールの小さな企業に就職した。

 苦労して一流大学に入ったのに、なぜ就職で恵まれないのか。『高学歴女子の貧困』(光文社刊)共著者のひとりで一橋大学非常勤講師の大理奈穂子さんが言う。

「大学では非常勤講師の8割が女性です。法的には男女平等なので表立って差別をうけることはないですが、やはり採用する側は男性を好みます。一家の大黒柱となる男性を優先的にという考えや、女性は結婚や妊娠ですぐ辞めてしまうという考えがあるのでしょう。なので女性は教員としてなかなか正規雇用されない。大学でも一般企業と同じことがいえるのです」

 もちろん、その能力を評価されて就職先を見つける高学歴女性はいる。ただし、社内の居心地は決してよくない。

「女性にとって学歴がこれほど邪魔になるものだとは思わなかった」と話すのは東大卒のB子さん(35才)だ。

「安倍首相は女性の活躍推進だなんて言うけれど、結局日本の企業は男社会。女がちょっとでも目立とうものならつぶしにかかってきます。50代の男性上司からは『ぼくはどうせ私大卒で頭が悪いからきみの言っていることが理解できないよ』なんて嫌みを言われるし。同じように残業してどんなに成果を出しても、出世するのは自分より能力の劣った男ばかり」

※女性セブン2014年10月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
現地取材でわかった容疑者の素顔とは──(勤務先ホームページ/共同通信)
【伊万里市強盗殺人事件】同僚が証言するダム・ズイ・カン容疑者の素顔「無口でかなり大人しく、勤務態度はマジメ」「勤務外では釣りや家庭菜園の活動も」
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン