芸能

武田鉄矢 金八先生として撮影中騒ぐ暴走族一喝し鎮めた過去

 俳優・武田鉄矢といえば、やはり『3年B組金八先生』(TBS系)での坂本金八役の印象が強い。第8シリーズまで制作され、32年続いた同ドラマ撮影時を振り返った武田の言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづる連載『役者は言葉でてきている』からお届けする。

 * * *
 1979年に始まったテレビドラマ『3年B組金八先生』は、武田鉄矢の代名詞ともいえる作品となった。

「初めて話が来た時は、夜の8時台で主役が出来るということへの嬉しさだけでした。

 やっていくうちに気合いが入っていきましたね。山田洋次イズムといいますか、『幸福の黄色いハンカチ』で山田監督に叱咤激励された言葉が満ちていて、リハーサルから一生懸命やろうと必死でしたね。ただ、最初のシリーズではガキが懐かなくて。でも、僕も媚びませんでした。子供って敏感だから、追いかけると逃げるんです。三か月過ぎたあたりから変わり始めました。少しは人間として信頼してもらえたのかな。

 それで、ディレクターには『よーい、はい』で本番を始めるのはやめてくださいと頼みました。僕が教室に入って『起立、礼』という時の、いいところから回してください、と。それをやると、凄くナチュラルに撮れるんです。

 それで、子供たちもADより僕の言うことを聞くようになりました。ただ、後半になっていって、問題も起きました。演出家がある子供に『お前、そこで転べ』とか言った時に、『この子はできません。転ぶんだったら、こいつができます』と僕が言ったんですね。
 
 それで『金八が生徒を可愛がりすぎて演出家に指を触れさせない』と演出家たちの間で問題になりました。その時は脚本家の小山内美江子さんに『3Bのことは全て金八先生に従うように』とおっしゃっていただいて。嬉しかったなあ。

 ラストシーンは全員が泣いちゃってね。杉田かおるまで泣いていた。彼女は15歳にして女優だったから、一回も油断したことはありませんでした。そんな彼女まで泣くんですから」

関連キーワード

関連記事

トピックス

妻とは2015年に結婚した国分太一
「“俺はイジる側” “キツいイジリは愛情の裏返し”という意識を感じた」テレビ局関係者が証言する国分太一の「感覚」
NEWSポストセブン
二刀流復活・大谷翔平の「理想のフォーム」は?(時事通信フォト)
二刀流復活・大谷翔平の「理想のフォーム」は?「エンゼルス時代のようなセットポジションからのショートアームが技術的にはベター」とメジャー中継解説者・前田幸長氏
NEWSポストセブン
24時間テレビの募金を不正に着服した日本海テレビ社員の公判が行われた
「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】
NEWSポストセブン
元セクシー女優・早坂ひとみ
元セクシー女優・早坂ひとみがデビュー25周年で再始動「荒れないSNSがあったから、ファンの皆さんにまた会いたいって思えました」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
【スタッフ証言】「DASH村で『やっとだよ』と…」収録現場で目撃した国分太一の意外な側面と、城島・松岡との微妙な関係「“みてみぬふり”をしていたのでは…」《TOKIOが即解散に至った「4年間の積み重ね」》
NEWSポストセブン
衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国民に愛された『TOKIO』解散》現場騒然の「山口達也ブチギレ事件」、長瀬智也「ヤラセだらけの世界」意味深投稿が示唆する“メンバーの本当の関係”
NEWSポストセブン
漫画家の小林よしのり氏
小林よしのり氏、皇位継承問題に提言「皇室存続のためにはただちに皇室典範を改正し、愛子皇太子殿下の誕生を実現しなければならない」
週刊ポスト
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン