ライフ

気の合う人の見分け方 「怒り」「嫌悪感」を共有できるか否か

 学校や会社などで様々な人と出会い、新たな人間関係が生まれるが、すべての関係が長続きするわけではない。そうした中で、長く気の合う人を見分けるポイントは何か。新刊『縁の切り方~絆と孤独を考える~』(小学館新書)を上梓したばかりのネットニュース編集者・中川淳一郎氏が分析する。

 * * *
 人間関係は偶然の連続だし、思っていた通りにならないことだらけである。華々しい結婚式で新郎が「僕は、一生ハルミを幸せにすることをここに誓います」「ありがとう(号泣)」といった展開は結婚式の定番ではあるものの、現実的には3組に1組の夫婦は離婚する。この不確実性があるからこそ、人間関係は難しく、そして面白い。

 その一つの人間関係が一人の人間を大きく羽ばたかせることもあれば、奈落の底に突き落とすこともある。では気の合う人はどう見分ければよいか。

 よく、交際のきっかけを「趣味が合ったからです!」なんて楽しそうに言う人がいるが、多分、それ以上に気の合う人間になるのは「怒りのツボが同じ人」「嫌いなものが同じ人」である。

 行列に並ぶのが嫌い、ブランド物を買うことが嫌い、パーティーが嫌い、ハロウィンで仮装をするのが嫌い、猫に対する虐待に怒りを覚える、ラーメンに関するウンチクを語る人がウザい──様々な事象に対するネガティブな感覚を共有できる人とは多分気が合う。

 理由は、「怒り」「嫌悪感」は完全にその二人を同じベクトルに向かわせてくれるからだ。共通の好きなものに対するシンパシーよりも、共通の敵に対する憎悪の方がその二人の絆を強固にしてくれる。そして、「怒り」「嫌悪感」というものは、ネガティブな感情なだけに、それらを抱くことに対し、若干の躊躇を覚えるもの。

 だが、自分以外にも当該事象や人物に対し怒っていたり嫌っていたりすることが分かると、「あぁ、味方がいたんだ……」とばかりにホッとさせてくれると共に、仲間の大切さを知ることができる。だからこそ、飲み屋の話題では「そこにいない誰かをホメる」よりも「そこにいない誰かをけなす」方が盛り上がるのである。

※中川淳一郎・著/『縁の切り方~絆と孤独を考える~』より

あわせて読みたい

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト
盟友・市川猿之助(左)へ三谷幸喜氏からのエールか(時事通信フォト)
三谷幸喜氏から盟友・市川猿之助へのエールか 新作「三谷かぶき」の最後に猿之助が好きな曲『POP STAR』で出演者が踊った意味を深読みする
週刊ポスト
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
NEWSポストセブン