国内

空自戦闘機パイロットの資格試験「模範解答渡す」不正を告発

 中国空軍は最新のステルス戦闘機を配備するものの総じて練度は低く、訓練を重ねて技能の高い自衛隊のほうが有利といわれてきた。だが、そうした「パイロットの質の高さ」に重大な疑問を投げかける告発が、航空自衛隊内部から上がった。
 
「実はパイロットの中には、戦闘機に乗る資格があるのか疑わしい者が多数います。パイロットは1年に1度、資格試験を受けなければなりません。クリアしなければ戦闘機に乗れなくなる重要な試験ですが、私の所属基地では、試験問題と一緒に模範解答を渡すなど、呆れるような不正がまかり通っていました」
 
 そう口を開いたのは、昨年まで青森県にある航空自衛隊三沢基地の空自第3航空団飛行群本部で空士長を務めていた山本和樹氏(仮名)である。山本氏はパイロットの飛行管理や資格管理を主な任務とする飛行管理員を務めていた。
 
 三沢基地は空自唯一の日米共同使用航空作戦基地だ。空自に属する15個部隊が所在しており、戦闘機「F-2」が常駐している。スクランブル(緊急発進)も多く、日本の北部防衛の要だ。

 山本氏のいう戦闘機パイロットが年に1度課される試験は2種類ある。

 1つが「計器飛行証明試験」。悪天候で視界不良の際、管制の指示や計器を頼りに飛ぶための試験で、これは民間航空機のパイロットも同じく定期的に受験を義務づけられている。
 
 もう1つが「OR(Operation Readiness)検定」だ。ORとは「有資格者」の意味で、特定の戦闘機(三沢基地ではたとえばF-2)の装備や操縦方法、整備方法、作戦の把握や管制官との英語の交信といったパイロットとしての基礎能力を確認するための検定である。
 
 ORにはランクがあり、たとえば2機までを引き連れて飛べる「2機編隊長」や4機までの「4機編隊長」、それ以上の「多数機編隊長」などと分けられている。ランクを上げるため(新規試験)、もしくは維持するために(更新試験)、年に1度必ず受験しなければならない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン