■「再生エネルギー」は役に立つのか
何ヶ月も停電が続いたら「原発やめろ」なんて誰も言わないか? いや、その前提はおかしいですね。日本の電力会社は、国民に多大な犠牲を払う「停電」の状態を続かせるようなことはメンツにかけてもやらない。絶対に電力を供給させますよ。
その時に再生エネルギーが役に立つかといえば、私は疑問を抱きます。太陽光パネルはいかなる場所に置こうが、夜の発電はできません。風力発電はバカでかいので、置き場所にも困難を伴います。私も風力発電所に何度も行ったことがありますが、それはそれで怖いんですよね……。なんか妙な音波が出ていると言いますか……。近くに行くと二度と近寄りたくなくなるんですよ。風車が強風で倒れてしまったり、ショートして火事を起こしたりもしますし、風力発電は案外恐ろしいですよ。
それなのに、1本あたり、原発、石炭の1千~1万分の1しか発電できないんですよ。しかも不安定なのでアテにならない。国際機関であるIEAが発表しているWorld Energy Outlookを見ると、1973年に再エネの割合は0.1%でした。2012年にはそれが1.1%に増えました。でも、電力の使用量は2倍以上になっているから、絶対量でいえば、それほど増えていない。結局、火力、石炭、天然ガスが圧倒的なんです。脱原発とか再エネを増やそうというのは、費用対効果が悪すぎます。電気代金は安ければ安いほど、産業にも生活にも良い効果をもたらします。
震災前と比べたら、4人家族の場合は1ヶ月2割ぐらい上がっているのでは? 一人暮らしでしたら1.5割ぐらいでしょうか。ガスで風呂を沸かすにしてもガスをつけるには電力が必要。脱原発も重要ですが、それが生活を苦しくするのであれば、もしかしたら再考も必要なのではないでしょうか。
※3月28日に掲載する本シリーズ第3回は「学歴差別」について常見陽平氏のお話を掲載します。