国内

【今、敢えて言っておきます】原発の正しい「やめさせ方」

NPO法人社会保障経済研究所代表の石川和男氏

 ネット上では日々様々なイシューを基に議論が展開される。過去に話題となり、両派が激しい意見の応酬を展開した結果、言うことが憚られるようになった案件も多い。そんな中、批判があるのは覚悟しつつも、持論を述べる方々にその真意を聞く「今、敢えて言っておきます」シリーズを3回にわたってお送りする。1回目の「生活保護」(片山さつき氏)に続く第2回は「原発」について、NPO法人社会保障経済研究所代表の石川和男氏に話を聞いた。

 『原発の正しい「やめさせ方」』(PHP新書)の著書があり、「ダイヤモンドオンライン」等で原発について言及することの多い石川氏は、決して「推進派」ではない。原発の危険性は認識しつつも、現状の日本を考えると再稼働もやむを得ないのでは……、と考えている。その真意はどこにあるのか。

 * * *
 まず、考えたいのは、福島第一原発の事故は、大津波が原因だということです。停止中の冷却電源が流されたが故のメルトダウンに繋がりました。発電中の事故ではなく、停止中の事故なんです。日本の電力会社はかなりケアが行き届いているので、「発電」そのものが危ないという発想は間違いでしょう。スリーマイル島とチェルノブイリの事故は人為ミスでした。

 福島の場合の問題は大津波です。だから、私はまずは津波対策をやれよ、と考えています。原発に関してはテロ、活断層の問題など様々あり、それをすべて解決しなくてはいけないということになっている。しかし、それは今回の事故の教訓ではありません。今は原発を早く再開し、経済を動かして、原発の安全のための投資をしなくてはいけないのです。規制当局の審査をしながら発電を再開させれば良いのです。これが一番重要です。

■火力発電には年間3兆7000億円の追加燃料費

 日本は今、ODAなどで海外の様々な国にまさに「貢いでいる」状態です。一体コレ、何をやっているのでしょうか。さらに、今、火力発電に使う高額なLNGに多額のカネをつぎ込んでいます。これにより、年間約3兆7000億円の追加燃料費がかかっています。震災以後、原発ゼロにしたため、追加LNGや石油の輸入により、今のドル換算レートだとこれだけの追加の金額を使うこととなったのです。

 だとしたら、1日100億円ですよ! これだけのカネがあったら何に使えるのでしょうか。このカネがあれば、何人の待機児童を救えるのでしょうか。特別養護老人ホームをどれだけ拡充できるのでしょうか。生活保護も含め、本当に必要な人にどれだけ支援をすることができるのか……、と嘆息するのです。おカネを必要とする人が日本国内でこれだけいるのに、むざむざ海外の資源国に差し出す結果となっているのです。数年前、生活保護の総支給額は3兆7000億円とされていましたが、それと同じ額があくまでも「追加燃料費」で使われていたのです。

関連記事

トピックス

2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志と浜田雅功
《松本人志が11月復帰へ》「ダウンタウンチャンネル(仮称)」配信日が決定 “今春スタート予定”が大幅に遅れた事情
NEWSポストセブン
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
“新庄采配”には戦略的な狙いがあるという
【実は頭脳派だった】日本ハム・新庄監督、日本球界の常識を覆す“完投主義”の戦略的な狙い 休ませながらの起用で今季は長期離脱者ゼロの実績も
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
電撃結婚を発表したカズレーザー(左)と二階堂ふみ
「以前と比べて体重が減少…」電撃結婚のカズレーザー、「野菜嫌い」公言の偏食ぶりに変化 「ペスカタリアン」二階堂ふみの影響で健康的な食生活に様変わりか
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
駒大苫小牧との決勝再試合で力投する早稲田実業の斎藤佑樹投手(2006年/時事通信フォト)
【甲子園・完投エース列伝】早実・斎藤佑樹「甲子園最多記録948球」直後に語った「不思議とそれだけの球数を投げた疲労感はない」、集中力の源は伝統校ならではの校風か
週刊ポスト
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン