ビジネス

30年使える世界から注文殺到の銅製じょうろ 2万2680円

世界から注文殺到の銅製じょうろ(2万2680円)

 丹精込めた盆栽や、ベランダガーデニングの水やりに欠かせないじょうろ。一家に1台はありそうな品だが、今回紹介するのは、世界中から注文が殺到している銅製のじょうろ「根岸産業 銅製竿長如雨露」だ。作っているのは東京都墨田区の『根岸産業』。日本で唯一の盆栽じょうろメーカーだ。

「昭和初期にブリキ職人だった祖父の技術をもとに、昭和41年から父が盆栽用の銅製じょうろを作り始めました」

 そう語るのは、3代目となる根岸洋一さん。その特徴は、細く長い竿だ。

「注ぎ口までを長く伸ばすことで、水圧がコントロールできるんです。世界でいちばんいい水の出かたを目指した結果、世界でうちだけの、このデザインが生まれました」(洋一さん。以下同)

 この如雨露の利点は数多い。少し挙げてみると…。

【1】水が出る蓮口には、針の先ほどの穴が、約200個も開いており、穴の大きさを表裏で微妙に変えているため、バランスよく水をかけられる。

【2】水滴は小さなまま地面に届くので、勢いがあるのに、水あたりがやわらかく、苔などの繊細な植物を傷めない。

【3】給水口には、「こし網」がついており、雨水などを溜めても、ゴミを排除して使えるなど、細部にまで工夫がされている。

「銅の殺菌力で水が腐りにくく、水に溶け出す銅イオンの効果で、盆栽の苔の生育もよくなるといわれています」

 洋一さんが父の跡を継いだのは6年前。現在は母・絹江さんとふたりで作業している。1日に5個作るのが精一杯だ。

「機械を導入すると、銅板に厚みが必要になり仕上がりが重くなるので、使いづらくなるんです。それでは本末転倒。使いやすいものをお届けしたいので、時間をかけて、手作りしています」

 現在も、盆栽家や世界で活躍する園芸家などのアドバイスをもとに改良が続けられている。大事にすれば約30年使用でき、部分ごとの修復も可能というから、大切に使いたい、一生もののじょうろだ。

※女性セブン2015年9月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
【追悼】釜本邦茂さんが語っていた“母への感謝” 「陸上の五輪候補選手だった母がサッカーを続けさせてくれた」
週刊ポスト
有田哲平がMCを務める『世界で一番怖い答え』(番組公式HPより)
《昭和には“夏の風物詩”》令和の今、テレビで“怖い話”が再燃する背景 ネットの怪談ブームが追い風か 
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト