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不倫の脳内メカニズム カリギュラ効果と吊橋効果を医師解説

 不倫サイトに登録したり、出会いスポットに繰り出す人妻たちに話を聞くと、「もう不倫じゃないとイケない体になってしまった……」との声が少なくない。実はその感覚、医学的にも「正しい」のだという。

 なぜ「不倫」はここまで「感じる」のか。女医の松村圭子氏は、脳内メカニズムの観点から解説する。

「不倫相手との性行為は夫とのマンネリに飽きた妻には新鮮で興奮度が高く、脳内に快感ホルモンのドーパミンが分泌されます。しかも一度ドーパミンが分泌されると脳はその快楽を強く求めるため、同じ行為を繰り返すようになる。より強い刺激を求める結果、不倫でないと快感を得られなくなるのでしょう」

 背徳感が疑似的な恋愛感情を生むという側面もある。勤務先の上司(51)と浮気を重ねる都内在住のパートタイマー・希さん(仮名・42)は不倫関係を清算できずに悩んでいる。

「夫には本当に申し訳なくて、何度も関係を断とうとしました。でもある時、別れ話をしてタクシーを降りようとしたら腕をまれて、『このままじゃ帰さない』といわれたんです。恋愛ドラマのようにドキドキする展開に思わずジワッと濡れてしまい、その日も体を委ねてしまった」

 精神科医の高木希奈氏がこうした心理状態を解読する。

「不倫は社会通念上、許されない。しかし、禁止されるとかえってやりたくなるのが人間の心理。上映禁止になった映画の観賞希望者が激増したことから名付けられた“カリギュラ効果”が起きています。

 また許されないことを行なう際のドキドキ感を相手への恋愛感情と錯覚する“吊り橋効果”も背徳感が性的快感に結びつくメカニズムのひとつです」

 女性たちは「不倫なのに」ではなく、「不倫だから」やめられないのだ。

※週刊ポスト2015年9月18日号

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