人気の役者同士であれば再び共演を重ねることは往々にしてあるだろう。しかし、最近はその期間が短くなっているとは言えないだろうか。こうしたテレビと映画双方の「再共演」について、
「映画のプロモーションは最短でも半年はかかる。プロモーション期間が撮影期間を上回ることもしばしばです。しかし、もともと別の作品で共演していたカップルを再び共演させれば、それだけでニュースバリューがアップ。SNS上で盛り上がり、自然とプロモーションにつながります」(業界関係者)。
『orange-オレンジ-』の主役が土屋と山崎に決まったことが情報解禁されたのは昨年7月、まだ『まれ』がオンエアされている頃。さらに劇場公開されたのは『まれ』終了のわずか3か月後のこと。そのニュースは当時驚きをもって伝えられた。
「近年スマッシュヒットが続出しているティーン向け恋愛映画の興収は、客層が完全にティーンに集中するとほぼ25億円に落ち着くと言われています。『オレンジ』も30億円突破も確実視されていることから考えると、普段はその類いの映画を観ない世代にもアピールがうまく図られたと言えるのかもしれません」(同・前)
これまで映画は「初共演」「初の実写化」と、「初めて」尽くしがニュースバリューになっていたが、今後はそれよりも「再共演」のほうがヒットを見込める要素になっていくのかもしれない。
そんな「スピード再共演」は役者にも良い影響をもたらしている。間をそれほど置かずに共演することは、相手の人間性や演技についての考え方など、イチから構築・共有していかなければならないことが事前にクリアになっているため、スムーズに芝居に入っていけるのである。