国内

鳥越俊太郎氏 ネットとテレビでなぜ評価が異なるのか

都知事選、ネットとテレビの反響(写真:アフロ)

 都知事選に出馬した鳥越俊太郎氏への評価がネットとテレビで真逆のようだ。コラムニストのオバタカズユキ氏が考察する。

 * * *
 東京都くらいの人口規模になると、有名人でなければ知事選に勝つのは難しいとよく言われる。そして今回の都知事選では、顔と名前が知られている鳥越俊太郎氏が立候補し、民進、共産、社民、生活の野党4党が統一候補として推薦。鳥越氏に脚光が当たっていることは確かだ。

 だが、その姿の見え方については、情報を主にテレビで得るか、ネットで得るかによって、まったく違うように思う。

 ありがちなマスコミVSネットという対立図式でものを言うのは好きじゃない。でも、この件に限っては、実際に対立しているというか、2つの世界の空気の流れが正反対であることを、ひとまず確認しておきたいのだ。

 ネットのほうは、圧倒的多数が鳥越氏を叩いている。少なくともツイッターとフェイスブックでは批判の嵐だ。

 まず、12日の午後2時スタートの最初の記者会見からして評判最悪だった。「政策はまだ考えていない、ってナメてんのか」「民進党に出馬を要請されていた古賀茂明がまさかの乱入で固い握手とか、って酷い茶番」「他の候補の公約は関心がなかったから知らない、って準備不足の言い訳にもなっていない」という調子。

 さらに、数字の間違いにネットの人々は呆れた。記者会見で鳥越氏は、東京都の出生率について〈ほかのところよりは高い〉〈1.4前後〉と触れたのだが、だいぶ時間が経ってから事務スタッフの指示で〈東京出生率は1.1なので、全国最低です〉と訂正。その間違いも「えっ?」だけれど、より問題視されたのは、氏自身の年齢の記憶についてだった。〈私は昭和15年の生まれです。終戦の時20歳でした〉とすらすら述べたことである。

 終戦は昭和20年なので昭和15年生まれだと5歳。それを〈20歳でした〉と言ったまま、訂正もなし。ネットに驚きの声が相次いだ。「頭、大丈夫か?」「勘違いだとしても理解できない」。そして、そこから、一つの仮説がみるみる膨れ上がっていった。「ボケてるんじゃないか」「認知症の初期症状だろ」「はやく認知機能検査受けたほうがいいよ」。

 この認知症説は、その後も衰える気配はない。13日の共同記者会見の際に、鳥越氏がボードに書いた公約の〈がん検診100%〉の文字がとても汚くて、「認知の検査絶対必要」の声が一層強まった。同日夜、『報道ステーション』出演時の表情がよれよれだったことからも、「うちのおじいちゃんがボケたときと同じだ」といった感想が方々からあがった。

 ここで断り書きをしておくと、上記のネットの声や空気は、いわゆるネトウヨや保守系政党の支持者ではないと思われる「普通の人々」からも発せられていたものだ。「反日売国奴」とか「中国共産党の代弁者」とか「極左リベラル」とか言っているのは、ほとんど右寄りのスタンスを確定させている人々。比して、鳥越氏の「話の中身のなさ」や「老化」を指摘している人々は、右寄りもいるが、ノンポリから左寄りの層まで幅広く散っている。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン