芸能

紅白本番中に司会に曲変更させられた橋幸夫、その真相を直撃

紅白でのハプニングの真相を語る

 今年で67回目を迎えるNHK紅白歌合戦。今回は和田アキ子、細川たかし、藤あや子らベテラン勢が落選、“世代交代”を印象づけた。近年は視聴率低迷が叫ばれているが、それでも平均視聴率40%近くを叩き出す年末の風物詩だ。

 1951年、NHKラジオ『紅白音楽試合』を引き継ぐ形でスタートした『NHK紅白歌合戦』。生放送のため、予期せぬアクシデントは黎明期から数多く起こっていた。

 第2回放送(1952年)では歌手・松島詩子が会場に向かう途中に交通事故に遭遇。頭を8針縫う重傷を負い、出場不可能となった。そこでNHKは近くで年またぎの忘年・新年会をしていた越路吹雪に緊急オファー。越路は泥酔しながらも無事に“代打”を果たした。紅白ウオッチャーのコラムニスト・ペリー荻野氏が話す。

「新宿コマ劇場で行なわれた第9回(1958年)時には、裏番組で生放送が急増。売れっ子は紅白と掛け持ちだったため、出演者が到着せず、司会の黒柳徹子さんがトークで場をつないだりしていた。紅白は“事件”が起こりやすい番組なんです」

“忘れられない紅白ハプニング”として音楽評論家・富澤一誠氏が挙げるのは、第21回(1970年)の出来事である。

 その年の橋幸夫は、『俺たちの花』を歌う予定だった。しかし白組司会の宮田輝アナが、本番中に「『いつでも夢を』を歌ってほしい」と橋に要求。翌年1月に結婚する自分のため「門出にふさわしい曲を」とリクエストしたのだ。

 突然のことに橋が戸惑う中、会場には生バンドが奏でる『いつでも夢を』のイントロが流れ出し、そのまま歌が始まった。

「今なら絶対にありえない話です。当時の宮田アナは、実力・人気ともに国内トップのアナウンサー。紅白の司会を何度も務め『宮田輝あっての紅白』といわれていた。その宮田アナのお願いだからこそ実現したのでしょう」(富澤氏)

 とはいえ、アナウンサーのプライベートのためにスターが歌うなんて、にわかに信じ難い。真相を確かめるべく橋を直撃した。

「もう時効だから言いますけど、あれは演出ですよ(笑い)。事前に打ち合わせもして、リハーサルもやりました。バンドも入っているわけで、ぶっつけ本番で曲を変えるわけないでしょう」

 翌1971年はメインボーカル・前川清の急病で「内山田洋とクール・ファイブ」が出場を辞退。代役でフォーリーブスが出場した。本番では前川抜きのクール・ファイブがゲストとして登場。当時、前川の妻だった藤圭子がクール・ファイブをバックに『港の別れ唄』を歌った。

「晩年は暗い話題の多かった藤圭子さんですが、これは本当に心がほっこりする話。これからも語り継がれるべきエピソードです」(ペリー氏)

※週刊ポスト2017年1月1・6日号

関連記事

トピックス

【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン