今後の関心は吉田の将来に移っていく。事態は本人だけでなく様々な大人の思惑が交錯する状況にある。

 決勝から遡ること11日(8月10日)。1回戦の鹿児島実業戦を終え、1日の休息日を挟んだ金足農業の練習場は閑散としていた。

 初戦で14三振を奪う快投を見せたとはいえ、当時は吉田狂騒曲のいわば“序曲”で、金足農業の決勝進出を予期できた者など、誰もいなかっただろう。練習を終えた吉田の周りにいたのも、私ひとりだった。

「進路は(甲子園が)終わるまで考えません。もちろん、将来の夢はプロ野球選手になって活躍すること。メジャーリーガーになることは想像もつきませんが、日本を代表するピッチャーになりたい」

 野球人生の次なる舞台について意気揚々と語った吉田は、進路に関しては煙に巻いたが、同じ日、金足農業監督の中泉一豊はこう明言した。

「一部の方は既にご存じかと思うのですが、(吉田の進路は)大学が基本線です。八戸学院大学を予定しております。(同大野球部の)正村(公弘)監督にご指導いただいたからこそ、今の吉田がある。そのご恩を反故にするわけにはいきません」

 八戸学院大は青森、岩手、秋田の3県の大学が加盟する北東北大学野球連盟の1部に所属。西武の秋山翔吾らを輩出する強豪私立である。吉田の才能を開花させた指揮官のもとに進学するのだと、中泉は言った。

関連記事

トピックス

なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン