芸能

八千草薫が87才で過密スケジュールを続ける理由とは

舞台終演後、スタッフの手を借りて帰宅

「かわいくてお守りしたくなる」「美しさとオーラにせりふが飛んだ」。舞台で共演する俳優陣にそう言わしめるほど、年を重ねても美しさが変わらない大女優。しかし、80才を超す体は悲鳴を上げていた。それでも、舞台に立ち続ける理由とはいったい。

 8月27日、東京・新宿の紀伊國屋ホールで舞台『黄昏』が千秋楽を終えた。87才という年齢をまったく感じさせない優雅で上品な美しさとオーラに見とれ、観客400人の口から感嘆の声がもれる。伸びのある歌唱力は、聴く者すべてをひきこんだ。2時間40分の長い舞台を終え、アンコールに立つ彼女に割れんばかりの拍手が送られる。しかし、緞帳(どんちょう)がゆっくりと下りはじめ、舞台と客席を遮ると彼女の息は大きく乱れ始めた──。

 自信家で強気な面を見せながらも迫りくる老いに怯える夫と、自らも老いを感じながらもポジティブに生きようとする妻。舞台『黄昏』は米劇作家アーネスト・トンプソンの戯曲で、避暑地にある湖畔の別荘でひと夏を過ごしながら、少しずつ老いを受け止めていく老夫婦と、その娘たちの物語だ。

 舞台では八千草薫(87才)が主役の妻・エセルを演じ、夫役の村井國夫(73才)との機知に富んだ会話と朗らかな笑顔で観客を魅了した。

 八千草がエセルを演じるのは2003年、2006年に続いて3度目で、12年ぶりのこと。公演に先立って八千草は、「年齢的に無理なんじゃないかと周りに言われていた」「またやりたいと思っていた」と率直な思いを明かしていたが、実際、舞台出演に反対する関係者も少なくなかった。

「八千草さんは4~6月にもテレビドラマに出演していて、この時期はお休みをとる予定だったそうです。87才の体力を考えても当然でしょう。しかし『黄昏』の舞台オファーが入ると本人がどうしても出演したいと休み返上で引き受けた。7月上旬から1か月以上、酷暑の中稽古は続きました。よく千秋楽までもってくれたというのが本音です」(芸能関係者)

 今年の夏は体調も崩していた。人一倍健康管理に気を遣ってきた八千草だが、毎日欠かさなかった散歩も見かけられなくなっていた。

「ドラマ終了後の6月下旬に体調を崩して検査を受けていました。たいしたことはなかったのですが、稽古してはふらふらとなって、という状態を繰り返しながら舞台初日を迎えました。万が一のことがあってはならないと、楽屋はいつも緊迫していました」(舞台関係者)

 稽古中「体の熱が抜けないの」と、苦しそうな表情をすることもたびたびあった。舞台本番中にも袖には、せりふのきっかけを出すプロンプターが八千草に付きっきりになっていた。舞台裏で倒れ込まないように、いつでも休める専用の椅子も準備されていたという。

関連記事

トピックス

公明党が不信感を募らせる背景には岸田首相の“二股”も原因(時事通信フォト)
【自公25年目の熟年離婚へ】日本維新の会と“二股”をする岸田首相への怒り 国会最終盤で公明党による“岸田降ろし”が勃発か
週刊ポスト
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン
被害者の渡邉華蓮さん
【関西外大女子大生刺殺】お嬢様学校に通った被害者「目が大きくてめんこい子」「成績は常にクラス1位か2位」突然の訃報に悲しみ広がる地元
NEWSポストセブン
京急蒲田駅が「京急蒲タコハイ駅」に
『京急蒲タコハイ駅』にNPO法人が「公共性を完全に無視」と抗議 サントリーは「真摯に受け止め対応」と装飾撤去を認めて駅広告を縮小
NEWSポストセブン
阿部慎之助・監督は原辰徳・前監督と何が違う?(右写真=時事通信フォト)
広岡達朗氏が巨人・阿部監督にエール「まだ1年坊主だが、原よりは数段いいよ」 正捕手復帰の小林誠司について「もっと上手に教えたらもっと結果が出る」
週刊ポスト
イラン大統領「ヘリ墜落死」を佐藤優氏が分析 早々に事故と処理したイラン政府の“手際のよさ”の裏で密かに進む「国家の報復」
イラン大統領「ヘリ墜落死」を佐藤優氏が分析 早々に事故と処理したイラン政府の“手際のよさ”の裏で密かに進む「国家の報復」
週刊ポスト
家族で食事を楽しんだ石原良純
石原良純「超高級イタリアン」で華麗なる一族ディナー「叩いてもホコリが出ない」視聴率男が貫く家族愛
女性セブン
快進撃が続く大の里(時事通信フォト)
《史上最速Vへ》大の里、来場所で“特例の大関獲り”の可能性 「三役で3場所33勝」は満たさずも、“3場所前は平幕”で昇進した照ノ富士の前例あり
週刊ポスト
杉咲花と若葉竜也に熱愛が発覚
【初ロマンススクープ】杉咲花が若葉竜也と交際!自宅でお泊り 『アンメット』での共演を機に距離縮まる
女性セブン
中条きよし氏(右)のYouTubeチャンネル制作費は税金から…(時事通信フォト)
維新・中条きよし参院議員、公式YouTube動画制作に税金から500万円支出 チャンネルでは「ネコと戯れるだけの動画」も
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売!「官房機密費」爆弾証言スクープほか
「週刊ポスト」本日発売!「官房機密費」爆弾証言スクープほか
NEWSポストセブン