メジャー移籍した菊池の他にも、“セの天敵”だったエースたちが今年は揃って姿を消している。
「楽天の則本昂大(28)は右ヒジの手術で離脱中だし、オリックスの西勇輝(28)はFAで阪神に移籍。昨年、来日1年目で13勝を挙げたロッテ・ボルシンガー(31)も調子が全く上がらない。セの球団が嫌がるのは、すでに5勝を挙げて防御率1点台(5月29日終了時点、以下同)のソフトバンク・千賀滉大(26)くらい」
打力の面でも昨年からの見劣りが否めないという。ソフトバンクは、強力打線から柳田悠岐(30)が負傷で戦線を離脱。
「柳田がおらんと相手が受ける印象がかなり違ってくる。交流戦のソフトバンクは、試合前の打撃練習で、柳田をはじめ長距離砲の打力を見せつけ、相手をビビらせて勝っとったところがあった。それができんからね。フルスイングの力強さなら西武の山川穂高(27)や森友哉(23)も凄いけど、浅村栄斗(28)が楽天に移籍して打線としての破壊力は落ちた。日本ハムも清宮幸太郎(20)が一軍に上がってきたといっても、まだまだ迫力不足じゃね」
そうしたパの弱体化とともに、「セの投手陣の新戦力」の充実も、達川氏がセ有利とみる理由の一つだ。
「スコアラーからの情報や映像と、実際に打席に立つのではだいぶ印象が違う。交流戦で初対戦の投手を打つのはもともと難しい上に、今年のセの若手には面白いのが多い。DeNAのドラ1・上茶谷大河(22)はスライダーがいいし、3年目ながら交流戦で登板がないカープの床田寛樹(24)も初見では打てんと思うよ。特に床田は左対左で内角に厳しく投げられる。パにいないタイプの左腕です」