国内

最近の総理は「○○させていただく」と言い過ぎている

 有権者にペコペコ、マスコミにペコペコ、他国にペコペコ。必ず語尾は「~させていただく」。最近の総理は、すぐにへりくだる。おまけに、モツ焼き屋に行ったりラーメン屋に行ったりと庶民派をアピール。しかし、そんな「小市民宰相」に国を引っ張っていけるのか。今こそ、昭和の総理の「態度のデカさ」を見直したい。

『態度がデカイ総理大臣 吉田さんとその時代』(バジリコ刊)の著者、早川いくを氏は、1947年、ラジオでの年頭の挨拶が印象深いという。吉田茂総理はこういった。

「労働攻勢、デモなどを行ない、社会不安を醸成する者がいることは、心外にたえない。……かかる不逞の輩が、わが国民中にあるとは信じがたい」

 正月早々、国民を「不逞の輩」呼ばわりである。極端に「上から目線」を嫌う今の日本人をスリリングな気分にさせるほど、態度がデカイ。実際、この失言をきっかけに、日本の労働運動史上最大規模の二・一スト(※)が計画されたのだから恐ろしいが、「気に入らんモンは気に入らん」といわんばかりの悪役ぶりには、ある種の清々しさすら感じる。
 
(※)「不逞の輩」発言に反発した全官公庁共闘が賃上げを求めてゼネラル・ストライキの実施を決定。民間の組合も合流し47年2月1日までの無期限ストライキを通告した。GHQが中止命令を発したため組合側はストを中止した。

※週刊ポスト2010年9月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン