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現在患者数208万人の「認知症」と「物忘れ」の違い

「最近、物忘れが激しいから、ボケが心配」

 こんな心配をしている人もいるのではないだろうか? 現在、認知症の患者数は、推計208万人(厚生労働省)。ただし、予測を上回るペースで増えているというのが専門医の一致した見解で、「2015年には300万人を超える勢い」という。だが、「物忘れ」と「認知症」は違うと数千人に及ぶ認知症患者を診察してきた湘南長寿園病院(神奈川県藤沢市)のフレディ松川院長は語る。

「例えば近所の顔見知りの人の名前が出てこない、テレビの俳優の名前が思い出せないのは、たんなる物忘れで心配はいりません。しかし、自分の妻や息子や娘の名前を忘れてしまったら、認知症の疑いが非常に濃い」 

 何を食べたのか忘れるのは物忘れの範囲だが、食べたこと自体を忘れて「ご飯まだか?」といったりしたら注意が必要。また、自分の家にいるのにどこにいるのかわからなくなってしまい、「家に帰る」と言い出したりしたら、もう初期段階をすぎた、ボケの状態が疑われる。

 たんなる物忘れは、中高年になれば誰にでもあること。認知症との違いは、忘れる内容の“重大さ”なのだ。

※週刊ポスト2010年10月8日号

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