ライフ

鼻が産出する1日数リットルの分泌物が喉の奥にはり付く病気

 鼻腔内の温度や湿り気を保つために、鼻は1日数リットルの分泌物(分泌液)を産出し、不要になると喉に流れ込む。しかし、風邪や副鼻腔炎(蓄膿症)、アレルギー性鼻炎により、分泌物に粘り気が出て、それが喉の奥にはり付くと不快感が生じる。これが後鼻漏で、特に慢性副鼻腔炎では服薬や手術治療を行なっても、後鼻漏はなかなか消失しない厄介な症状のため、継続的なケアが必要だ。

 東京慈恵医科大学附属病院耳鼻咽喉科の鴻(おおとり)信義准教授に話を聞いた。「後鼻漏は風邪や副鼻腔炎などが主な原因なので、子供から大人まで発症する可能性があります。また加齢により喉や鼻の分泌物の産出が減るため、鼻腔内が乾いて後鼻漏の症状が悪化することもあります。喫煙者は副鼻腔炎になると治りにくく、特に注意が必要です」

鴻准教授がさらに解説する。「日ごろから喉や鼻が乾燥しないように、鼻洗浄を行ないます。水道水では鼻を痛めるので、温かい塩水で洗浄しますが、これで鼻の中にこびりついた分泌物を洗い流すことができます。これは自宅でも行なうことができます。さらにうがいや、点鼻薬を併用することで不快感を緩和できます。また、日常的にマスクをかけ湿気を保つことも効果があります」

 後鼻漏は慢性化すると完治が難しいので、原因を特定し早期治療が重要だ。(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2010年11月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
焼損遺体遺棄を受けて、栃木県警の捜査一課が捜査を進めている
「両手には結束バンド、顔には粘着テープが……」「電波も届かない山奥」栃木県・全身焼損死体遺棄 第一発見者は「マネキンのようなものが燃えている」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン