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小沢一郎氏「大企業の倫理観が損なわれたのは小泉氏のせい」

『小沢一郎 嫌われる伝説』の著者・渡辺乾介氏が、小沢一郎氏に独占インタビューを行った。インタビューでは、各界の論客から寄せられた質問を小沢氏へぶつけている。森永卓郎氏からは寄せられたのは、円高についての質問だった。

 * * *
――今回のインタビューに当たって、各界の論客から「小沢一郎氏に問いたいこと」を聞き取りしました。経済アナリストの森永卓郎さんからは、こんな質問がありました。

「菅内閣はドル安政策をとるアメリカを恐れて金融緩和に踏み出せない。菅内閣の為替政策は、日本経済ではなくて、アメリカ経済のためにやっている。普天間飛行場の移設問題と同じ構図です。急激な円高、円安を止める手段をとることも、一定部分はアメリカに認めさせる外交をする力を持たなければいけないのに、政治家は逃げている」

小沢:「それは一面、その通りなんです。ただ、円高といっても、大企業は何も困っていませんよ。何だかんだいうけれど、ちゃんとリスクヘッジしているからです。日本は1ドル=80円になろうが70円になろうが、そんなに大したことはないですよ。

 困るのは、円高を理由にして、雇用を、給料を減らされる人たちと、買い叩かれている下請けの中小・零細企業なんです。そこを守ってやらないと、日本経済をほんとうに再生させることはできませんね。

 僕は別に大企業が悪だといっているわけではありませんよ。ただ、企業経営者の倫理観というものが、近年、急速に薄れてきた。どこの世界も、どこの分野も同じだけれど、昔は自分が苦労しても、社員はクビにしないようにという責任感があった。今はむしろ中小・零細企業の親方の方が一生懸命になって雇用を守っているでしょう。大企業ほどスパスパとクビを切っている。そういう企業の倫理観、日本的な会社のよさが全くなくなってしまった。そういう風潮も小泉政策が助長しましたね。だから、根本的なところから直さないと駄目だと思います」

※週刊ポスト2011年1月21日号

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