国際情報

中国の脅威に日本は「憲法9条改正」で挑めと李登輝・元総統

 中国脅威論が叫ばれる中、その最前線に立つのが台湾だ。しかし、国民党の馬英九政権になって2年半、台湾は脅威に立ち向かうどころか、急速な中国化に進んでいる。もはや強大化する中国には恭順しかないのか。かつて台湾の民主化を指導した李登輝・元台湾総統が、日本がとるべき中国脅威への処方箋を説く。

 * * * 
 日本の最大の問題は、これまで直視せず、修正してこなかった憲法第9条をどうするのかです。戦勝国アメリカが、日本を二度と軍事大国にさせないために、押し付けたのが日本国憲法です。自国で国家を守ることを放棄し、このままアメリカに依存していては駄目です。

 海軍力の増強に力を入れ、航空母艦の配備をめざす中国は、数年前から西太平洋の主導権争いに名乗り出ています。南シナ海に面するASEAN(東南アジア諸国連合)各国との関係もギクシャクしていますが、東シナ海も同様の状況にさらされています。周辺諸国にとっては大事な資源が埋蔵された国益に直結する領海です。中国は地下資源について、徹底的に調べ上げてもいます。

 日本の領土を侵犯する敵に対して、軍備拡大は不可欠です。現段階では、有事の際にアメリカヘ特使を出し、具体的な約束を取り付けるのも良い方法でしょう。軍事力に頼らざるをえない局面もあるはずです。

 とはいえ、中国の海軍力はまだまだ、日本の海上自衛隊にも劣ります。しかも大陸国家の中国が海軍力の強化というのは、懸命な判断とは思えません。

 現状、アメリカ海軍は、保有する武器、機動部隊、航空母艦、潜水艦などにおいて、中国海軍とは比較にならない圧倒的に有利な立場にあります。中国は旧ソ連方式で人工衛星と核ミサイル、原子力潜水艦の3つを重視しています。しかし、それで中国が西太平洋で絶対的なプレゼンスを持てるかといえば疑問です。これらの点は冷静に分析すればいい。

※SAPIO2011年1月26 日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に“騙されやすい度”をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン