国際情報

アメリカ人 店内で5分並ぶよりドライブスルーで30分待つ

 おぐにあやこ氏は1966年大阪生まれ。元毎日新聞記者。夫の転勤を機に退社し、2007年夏より夫、小学生の息子と共にワシントンDC郊外に在住。著者に『ベイビーパッカーでいこう!』『魂の声 リストカットの少女たち』などがある。おぐに氏が、米国のドライブスルーについて解説する。

 * * *
 アメリカ人って、車から降りたがらない人たちなんだろうか。 昼食時や夕飯時、普段は混むはずのない道路が妙に渋滞していたら、間違いない、マクドナルドのドライブスルー渋滞だ。観察して、ビックリ。店内はガラガラじゃーん。なのに、ドライブスルーの注文窓口には……車が30台以上も並んでるっ!

「アメリカ人って、どうして車を降りようとしないわけ?」。友人たちに聞いて回ったら、口々に反論された。「ファストフードを食べる僕らが、車を降りるヒマを惜しむのは当然だろ」「だって、ドライブスルーは便利だもの。車を降りるのって、なんか面倒なのよね~」

 でもねえ。車を降りて、店内で注文すれば、わずか5分でハンバーガーが出てくると思うんだけど。それを、わざわざドライブスルーの行列で、なぜ30分近くも車の中で待つのかね。一人客が「店に一人で入るのもなあ」っていうならまだ分かる。でも、夕飯どきに家族全員でマクドナルドまでやってきて、車の中で押し合いへし合い待つのって、なぜ? どうせなら、店内で家族団らんしなさいよーっ!

 他にも、コーヒーショップとか雑貨屋とか酒屋とか、全部ドライブスルーだ。中でも、全米で一番有名なのは、ラスベガスにある教会の結婚式ドライブスルーだ。リムジンやバイク2人乗りで乗り付けて、車に乗ったまま神父にセレモニーをお願いして、誓って、キスして、記念撮影。出来上がった写真もその場でもらって、その間、ずっと車に乗ったまま、わずか5分足らず、だって!

※週刊ポスト2011年3月11日号
(「ニッポン あ・ちゃ・ちゃ」第135回より抜粋)

関連キーワード

関連記事

トピックス

“令和の小泉劇場”が始まった
小泉進次郎農相、父・純一郎氏の郵政民営化を彷彿とさせる手腕 農水族や農協という抵抗勢力と対立しながら国民にアピール、石破内閣のコメ無策を批判していた野党を蚊帳の外に
週刊ポスト
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬・宮城野親方
【元横綱・白鵬が退職後に目指す世界戦略】「ドラフト会議がない新弟子スカウト」で築いたパイプを活かす構想か 大の里、伯桜鵬、尊富士も出場経験ある「白鵬杯」の行方は
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「1時間20万円で女性同士のプレイだったはずが…」釈放された小西木菜容疑者(21)が明かす「レーサム」創業者”薬漬け性パーティー”に参加した理由「多額の奨学金を借り将来の漠然とした不安あった」
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン