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2011.03.09 07:00  週刊ポスト

阿刀田高氏「純文学」という言葉が日本文学の発展阻害と指摘

 阿刀田高氏は1935年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、国立国会図書館に勤務。『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。短編集『ナポレオン狂』で直木賞、『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。日本ペンクラブ会長を務める。

 * * *
 多くの人が知るように、芥川賞は純文学、直木賞はエンターテインメントから選考される。かつてはこうした分類が存在する意味もあったのだろう。しかし、近年は二つのジャンルの垣根が低くなり、分類する意味を持たなくなっている。
 
 にもかかわらず二つの賞は厳然と存在している。極論すれば、ある種のセクト主義があるような気さえする。これこそが日本の文学界が抱える大きな問題点の一つであろう。

 私自身、意図的にエンターテインメントの書き手であることを選んで来たし、直木賞の選考委員という立場にもある。したがって私の考えは一方的かもしれない。それでもなお、純文学という言葉は、日本の文学が広く親しまれることを阻害する要因だと思う。

 純文学という言葉を使わなくなれば、日本の文学は世界に向かって大きく発展するはずだ。

※週刊ポスト2011年3月18日号

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