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大前研一氏 地方の活動を邪魔するのは中央官僚の利害と面子

「最強国家ニッポン」を造り上げる設計図を提唱してきた大前研一氏が、いまこそ「前を向いて新しい国を造ろう」と力強いメッセージを送る。

 * * *
 今回、被災してしまったが、仙台でこんなことがあった。

 水没した仙台空港のすぐ近くにあるゴルフ場を韓国資本が買収した。すると、韓国人旅行者たちが続々と仙台を訪れるようになり、空港の利用率が劇的に上がったのである。香港、マレーシア資本と中国人観光客で蘇った北海道のニセコも同じような例である。

 中央集権の悪いところは、地方が何をやろうとしても、中央官僚の利害、面子に邪魔されることだ。世界中どこにでもあるのに日本にないものの一つに、ゴルフ場内の別荘がある。これは、ゴルフ場は農水省、住宅は国交省の管轄で、併存できないからだ。

 ゴルフ場でいえば、日本には「海越えのショートホール」が、静岡の川奈と沖縄のサザンリンクスなど数か所にしかない。これは農水省(あるいは近隣の漁師)が、「漁民の頭にボールが当たったらどうする」と文句をつけるから造れないのである。こんな馬鹿な仕組みはもうやめ、地方が自分たちの考えで開発できるようにする潮時だ。

 今回の震災と、その後の停電騒動で、私の元には「本社を東京から移したい」という相談がいくつも来た。私はそれもいいと思う。中央集権とともに、東京一極集中も、そろそろ終わりにする時だ。

「震災の復興」ではなく「全く違う新しい国を造る」。変人首長が鬨(とき)の声をあげている今こそ、政治家がビジョンを示し、日本が生まれ変わって最強国家造りのスタートを切る絶好のタイミングなのだと思う。

※週刊ポスト2011年4月1日号

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