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2011.03.31 07:00  週刊ポスト

下請け原発作業員 日当20万円提示されるも妻に泣かれ断る

 自衛隊や消防隊による決死の放水作業が「英雄的」と賞讃される陰で、誰からも注目されることなく福島第一原発に乗り込んでいる男たちがいる。それが現在、復旧作業に当たっている現場作業員たちだ。彼らの多くは東京電力社員ではなく、下請け、孫請けなど外部の企業から招集されている。なかには「7次請け」の者までいるというから驚く。

 仕事内容は、電源ケーブルを引く作業から放射能に汚染された工具の管理まで幅広いが、自ら進んで危険な原発に赴く作業員は少ない。福島入りを断わったという新潟県柏崎市にある4次請け企業の作業員がいう。

「正直言って、私には自衛隊やハイパーレスキュー隊のような使命感はない。同僚の多くもそうだと思います。家族も心配するし、命をかけてまでやりたくない、というのが本音です」
 
 これは当然の意見だろう。それだけに今回の復旧作業では、なかなか人が集まらないのが現状だ。そのため作業員への報酬は急騰している。あるいわき市の30代・5次請け作業員がいう。
 
「私は勤める会社から“日当20万円でどうだ”と提示された。普段の自分の稼ぎからすれば夢のような話だが、妻に泣いて止められ断わった。作業は1時間にも満たないというから、実質は“時給20万円”ですが、リスクが大きすぎる」

 生命の危険が伴うかもしれない場所での仕事――果たしてこの額が高いのか安いのか、判断が分かれるところだろう。断わる作業員が多い一方で、第一原発入りを決めたというある40代の作業員はこう語る。

「原発が停止している間も、生活費は出ていく。家族を生活させていかなきゃいけないし、何より誘いを断われば次の仕事がもらえなくなるという恐怖感がある。行くしかない」
 
 実際、新潟の避難所には、仕事を断わり避難を上役に切り出した際に「逃げるならクビだ」と捨てぜりふを吐かれた作業員もいた。いまだ原発周辺では高い放射線量が検出されているため、日当は高止まり状態だという。

※週刊ポスト2011年4月8日号

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