国内

草野仁 「私は男ですから」と震災時の父親の危機管理を語る

死者・不明者が2万8000人を超える(3月28日現在)という戦後最大の災害を前に、とまどうばかりの私たち。こんなとき私たちはどのように対応するべきなのか? 災害時の父親のあり方について、キャスターの草野仁さん(65)はこう語った。

* * *
私が子供のころのことです。母が調理に使っていた灯油コンロの炎が天井まで上がったことがありました。私と母がびっくりして言葉を失った瞬間、父が「すぐに毛布を持って来い」と叫んだんです。毛布をパッとコンロの上にかぶせると、火は消えました。子供心にも、「お、やるな」と思いましたが、こうした危機管理は、やはり男親、一家の大黒柱の担う役目ですよね。

「備えあれば憂いなし」とはいい古された言葉ですが、ふだんから家庭でも火事や地震に備えて、家族で話し合い、消火器の点検をしたり、避難経路の確認をしたり、シミュレーションしておくことが大切ではないでしょうか。年に1回でも家族そろって訓練しておくと、いざというとき慌てないと思うんです。

地震といえば、新婚時代に妻と映画を見ていたとき、震度5の地震に見舞われたことがあります。とっさに天井を見上げると梁が外れそうなほど揺れている。その瞬間、観客は一斉に出口に殺到してパニック寸前でした。でも、私は妻に「いまは出るな」といって、中で揺れがおさまるのを待ちました。つねに冷静であろうとしていると、とっさのときにも、自分はどんな行動を取るべきか、頭の中が高速回転して危機を避けようという勘が働くものです。日ごろから“平常心でいよう”と心がけることが大切なんですね。

今回の被災については、さまざまな情報が飛び交って、一部の商品が買い占められたり、また原発事故による放射線の影響についても報道が錯綜しています。ですから、そういう情報を取捨選択して、買い占めに走らないとかパニックにならないようにするとか、それもまた一家の大黒柱に課せられた役割だと思うんです。母親はそれを子供に周知徹底して自らも慌てず、家族をまとめる役割を担ってほしい。私は男ですから、非常時にこそ自分に厳しく、周りにやさしくありたいと思っています。

※女性セブン2011年4月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
最新機種に惑わされない方法とは(写真/イメージマート) 
《新型iPhoneが発表》新機能へワクワク感高まるも「型落ち」でも充分?石原壮一郎氏が解説する“最新機種”に惑わされない方法
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
選手会長としてリーグ優勝に導いた中野拓夢(時事通信フォト)
《3歳年上のインスタグラマー妻》阪神・中野拓夢の活躍支えた“姑直伝の芋煮”…日本シリーズに向けて深まる夫婦の絆
NEWSポストセブン
学校側は寮内で何が起こったか説明する様子は無かったという
《前寮長が生徒3人への傷害容疑で書類送検》「今日中に殺すからな」ゴルフの名門・沖学園に激震、被害生徒らがコメント「厳罰を受けてほしい」
パリで行われた記者会見(1996年、時事通信フォト)
《マイケル没後16年》「僕だけしか知らないマイケル・ジャクソン」あのキング・オブ・ポップと過ごした60分間を初告白!
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』でスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
《テレビ関係者が熱視線》『世界陸上』再登板で変わる織田裕二、バラエティで見せる“嘘がないリアクション” 『踊る』続編も控え、再注目の存在に 
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン