国内

原発への生コン圧送車遅れた背景に岡田幹事長の政治的駆引き

 福島第一原発の注水作業では、50m以上のアームを持つ生コン圧送車が活躍した。「民間からの決死隊志願」として国民も大いに称賛した。が、この経緯には「政治的駆け引き」があった。

 最初に提供を申し出たのは日本にある3台のうち2台を保有する三重・四日市の「中央建設」だった。3月17日に2台の車両をオペレーターとともに待機させ、元経産官僚で現在、三重県知事選に立候補している鈴木英敬氏を通じて東京電力に「提供する用意がある」と申し入れた。

 東電はすぐに謝意を伝えたが、なぜか結論が長引き、同社に正式要請が来たのは20日の夕方だった。福島到着は21日。3日も待たされたのである。

 しかも、その間に官邸は輸出のため横浜港にあった独企業所有の圧送車を“徴用”し、先に現地入りさせると、22日から注水作業を開始した。そして、現地入りして待機していた中央建設の2台は、「もういい」と引き返させたのだった。

 政府・与党の橋渡しをする政権幹部の話を聞こう。

「選挙戦が激しさを増している三重県知事選は、岡田幹事長のお膝元で負けられない戦いだ。最初に申し出た中央建設は、自民推薦の鈴木候補の後援企業で、同社の機械が使われれば敵の手柄になる。圧送車を巡る混乱の背景に、政府内部の“配慮”があったことは間違いない。岡田さんも、政府・与党の協議でその経緯を知っていたはずだ」

 しかも、結局政府は1号機にトラブルが発生したといって、一度は三重に戻っていた2台を24日になって呼び戻している。

 中央建設の役員は、「国の役に立てるなら、いつでも提供します。わが社への要請が遅れたのは釈然としないが、この非常時に与党支持か野党支持かは関係ない。政治的思惑などなかったと信じたい」と語る。為政者より民間人のほうが「国を思う気持ち」が強いのは、誇るべきことでもあるが、国家的危機でもある。

※週刊ポスト2011年4月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元旦に結婚を発表した長澤まさみ
《長澤まさみが過去のSNS全削除と長期休養への背景》長澤まさみ、主演映画の撮影を1年延ばして選んだ電撃婚 『SHOGUN』監督夫と“帯同同伴カナダ計画”
NEWSポストセブン
《まだみんなウイスキーのおもしろさに気付いていない》イチローズモルトの初代ブレンダーが営業マン時代に着目したこと【連載「酒と人生」】
《まだみんなウイスキーのおもしろさに気付いていない》イチローズモルトの初代ブレンダーが営業マン時代に着目したこと【連載「酒と人生」】
NEWSポストセブン
大分市立中学校の校内で生徒が暴行を受けている動画が、SNS上で拡散された(Xより)
《いじめ動画の保護者説明会“録音データ”を入手》「『先生に言ったら倍返しになるから言わないで』と…」子供の不安を涙ながらに訴える保護者の悲痛な声【大分市】
NEWSポストセブン
久米宏さんが瀬戸内寂聴さんに語っていた「妻・麗子さんへの深い愛」とは(共同通信社)
〈妻と結婚していなかったら…〉久米宏さんが瀬戸内寂聴さんに語っていた「妻・麗子さんへの深い愛」 学生時代に知り合い結婚…仕事も家庭も2人で歩んだパートナー
NEWSポストセブン
高市早苗氏(時事通信フォト)
《600億円が使われる総選挙開戦へ》党幹部も寝耳に水、高市首相“チグハグ解散”背景にある3つの要因「旧統一教会問題」「不祥事」「対中関係」 “自民党軽視”と党内から反発 
女性セブン
北海道日高町で店の壁の内側から20代の女性の遺体が見つかった事件(左・店舗のSNSより)
《北海道日高市・壁に女性看護師の遺体遺棄》「お袋には何かにつけてお金で解決してもらって感謝している」バー経営・松倉俊彦容疑者が周囲に語っていた“トラブルエピソード”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)(左・SNSより、右・飲食店サイトより、現在は削除済み)
《不同意性交で再逮捕》「被害者の子が眼帯をつけていたことも」「シラフで常連にブチギレ」鈴木麻央耶容疑者がガルバ店員を洗脳し“立ちんぼ”強要…店舗関係者が明かした“悪評”
NEWSポストセブン
モデルやレースクイーンとして活動する瀬名ひなのさん(Xより)
《下半身をズームで“どアップ”》「バレないように隣のブースから…」レースクイーン・瀬名ひなのが明かした卑劣な”マナー違反撮影“、SNSの誹謗中傷に「『コンパニオンいらない』は暴論」
NEWSポストセブン
肺がんのため亡くなったフリーアナウンサーの久米宏さん(時事通信フォト)
【追悼】久米宏さん 本誌だけに綴っていた「完全禁煙」と「筑紫哲也さんとの“再会”」
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《鎖骨をあらわに予告》金髪美女インフルエンサーが“12時間で1000人以上と関係”の自己ベスト更新に挑戦か、「私が控えめにするべき時ではありません」と“お騒がせ活動”に意欲
NEWSポストセブン
美貌と強硬姿勢で知られるノーム氏は、トランプ大統領に登用された「MAGAビューティ」の一人として知られる(写真/Getty Images)
〈タイトスーツに身を包む美貌の長官〉米・ミネアポリスで移民当局が女性射殺 責任者のクリスティ・ノーム国土安全保障長官をめぐる“評価”「美しさと支配の象徴」
NEWSポストセブン
中国出身の女性インフルエンサー・Umiさん(TikTokより)
《クスリ漬けか…との声も》ギャル系美女が映っていた“異様な監視カメラ映像”とは》「薬物を過剰摂取し、足も不自由で、死んでしまう…」中国インフルエンサー(20)の住居の管理人が証言
NEWSポストセブン