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38歳独身女性 震災がきっかけで一人きりの人生を見つめ直す

 独身女性が将来も独身であり続けることに不安を感じる女性が安心を求めている――中央大学文学部教授で『「婚活」時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)の著書がある山田昌弘氏はそう指摘する。

「日本では男女ともに晩婚化が進んでいますが、その原因は女性に依るところが大きい。キャリア志向の高まりだけでなく、結婚に経済的な安定を求めていることが大きな要因です。現在、独身男女の8割が親と同居しているというデータもある。

 経済的なメリットがなければ、男性とのつきあいはわずらわしいだけで、実家暮らしの方が気楽という人が多い。その状況が変化しつつあるとすれば、震災を経験し、将来も独身であり続けることに不安を感じた女性が、安心を求めはじめたということではないでしょうか」

 山田氏らが提唱した「婚活」という言葉が、一般名詞と化して久しい。しかし、その言葉は、愛すべき異性を見つけ出す行為というよりは、自らの設定した条件にかなう異性を探すという打算的なニュアンスがついて回る。

 しかし、震災という非常時の中で、どうやらそういった打算にとらわれない「愛を分かち合える対象」を探そうという意識が強くなったようなのだ。

 都内の企業で働く38歳独身女性は、3月11日の地震当日に一抹の寂しさを覚えたという。

「同じ職場の既婚者は、“ダンナは大丈夫かしら”“学校に行ってた子供は、家まで帰ってこれないかも……”とみんな家族の心配をしていたんです。その様子を横目で見ながら思ったんです。“私には、心配する恋人も、家族もいないな……”って。

 もちろん関西の実家に住む両親は電話をくれましたけど、私自身には、身近に心から心配したり、してくれる人がいないことに気づいたんです。それ以来、このままでいいのかって思うようになりました。このまま歳を取っていって“おひとりさま”になったら、私、孤独死するのかなって怖くなって……。もしもう一度地震が来たら、たぶん耐えられない」

 同様の感想を、記者の周囲の女性たちが数多く口にした。震災は、一人がいいと強がっていた女性たちに「人生とは何か」を問い直す機会となったようだ。

※週刊ポスト2011年4月22日号

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