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孫正義氏 福島県知事にケンカ腰で机を叩き泣いて訴えた

 ソフトバンク社長・孫正義氏の「志」に迫った本誌連載『あんぽん孫正義伝』。連載終了と同時に日本を国難が襲った。孫氏は次々と被災者支援を打ち出す。以下は、『あんぽん』筆者の佐野眞一氏(ノンフィクション作家)と孫氏の一問一答である。

 * * *
――福島県知事や市長の反応はどうでしたか?

「県知事にも市長にも、喧嘩腰でいいましたよ。あなた方がリーダーシップを発揮して、みんなを連れて行かないといけないと、机を叩いて、泣きながら訴えた。でも、彼らは『政府からの情報がない。政府の指示がないと動けない』。おそらく補償問題とかいろんなカラミがあって、自分たちだけでは意思決定しきれないんでしょう。さらに避難してきている人たちの3分の1はまさに原発で働いていた人たちで絶対に東電や原発のことを悪くいわない」

――リーダーシップなら、強制的に避難させるべきですね。

「泣いても喚いても、引っぱたいてでも連れ出すのが本当のリーダーだと思う。地元の人たちは『誰が家畜にエサをやるんだ』『誰が畑に水をやるんだ』といって動こうとしませんから。政府が明確に避難命令を出さなければいけない。『全部補償するから、安心して、まず1回避難しましょう』といえばいいんです。

 残っている人がいると、商店やガソリンスタンドなど、ライフラインの人たちやその家族も残らざるをえない。人情や義理がからんで、しがらみで動けない。結局、動けない人は弱者だったり、いい人だったり」

※週刊ポスト2011年5月6日・13日号

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