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課長に昇進した41才男性 「昇進うつ病」と診断される

 中高年が精神の不調を訴える例が増えているという。サラリーマンのAさん(41才)は、昨年春に課長に昇進した。妻も夫の昇進をとても喜んでくれた。ところが、昨年の秋ごろから、不眠や頭痛、動悸、食欲不振などの症状に悩まされるように。それでも、仕事を休むわけにはいかないと毎日出勤していたが、夫の様子を心配した妻が付き添って心療内科を訪れたところ、昇進うつ病と診断された。

 ヒガノクリニック院長の日向野春総さんが説明する。

「昇進うつとは、肩書を重視する日本人男性に増えている病気です。昇進すれば責任も重くなるうえに、課長などは中間管理職として、部下と上司の板挟みになって人間関係が複雑になります。そうしたストレスを抱えるうちに、眠れなくなりうつ病を発症します。また、社宅などの場合、同期の奥さん同士の張り合いも、夫にはプレッシャーになりますね」(日向野さん)

 なりやすいのは、責任感が強く何でもひとりで抱え込む人、仕事第一主義の真面目な人など。予兆としては、不眠、アルコールの量が増える、愚痴が増えるなど。夫にこのような症状が見られたら、できるだけ早めに心療内科に相談したい。

「治療するには、一刻も早く病院へ行くこと。そして、会社を休むこと。ところが、そういう人に限って、最初は“うつ病で会社を休むなんて恥だ”といって休もうとしない場合が多い。そういう人は病気が長引きやすいですね。また、そのまま会社へ行き続けると、症状が進行するので、ミスも増えるし、人間関係も悪化し、最終的に辞めざるを得ないというケースもあります」(日向野さん)

 会社を休み、抗うつ剤や睡眠薬など処方された薬をのみ、規則正しい生活を心がけ、6~7時間の睡眠をきちんととれるようにすることが大切。

 男性の場合、ほかにも失業や退職などをきっかけにうつ病になるケースも多い。また、仕事のストレスをアルコールや喫煙、ギャンブルなどで発散しているうちに、それらがないと不安になってしまう依存症も男性に多い心の病なので、夫の行動に注意しよう。

※女性セブン2011年6月2日号

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