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2011.06.12 07:00  週刊ポスト

はとバス社長 現場を「末端」と呼んだ役員に激怒「先端だ」

 今、日本は未曽有の苦しい状況に立たされているが、重要なのは、強いリーダーシップ。弱い集団を強くしたリーダーの人心掌握術を見てみよう。ここでは、はとバスの宮端清次氏(76)のケースだ。

 * * *
 同氏がはとバス代表取締役に就任したのは1998年。東京都の交通局長などを歴任し、東京都地下鉄建設の代表取締役専務を務めた後の、いわば“天下り”だった。

 社長就任時、はとバスは4年連続の赤字で、120億円程度の売り上げに対し70億円の借金を抱える危機的な経営状況だった。社員の間には大株主である東京都や旧営団地下鉄などの後ろ盾に寄りかかる“甘えの構造”があった。

「なにせ自主性がなく覇気がない。全社員が『このままでは会社が潰れる』と危機感を持つ必要があった。経営者は800人の社員の後ろにいる2000人の家族を守る責任があるんです」

 社長3割、役員2割、社員1割の給料カットを提案し、初年度に黒字化できなかったら辞任すると宣言した。しかし、合理化策だけでは社員の士気は高まらない。そこで経営理念に掲げた「お客様第一主義」を社員に浸透させるために、ある約束をした。

「月に3回はとバスに乗ると宣言し、役員にも休日に自腹を切って乗ってほしいと訴えました。社長在任中の4年間、約束を守り続けましたよ」

 矢継ぎ早に宮端氏は6つの行動を起こした。【1】社長室の開放、【2】社長専用車の廃止、【3】お帰り箱(目安箱)の設置、【4】社長表彰、【5】組織図の逆ピラミッド化、【6】社長自ら現場に出る――。【5】は組織図の一番下に社長、一番上にお客様を位置づけるものだ。

「会議で『計画を“末端”まで周知します』と話した役員を怒鳴ったことがあります。お客様と接する現場の社員は末端ではなく先端なのです」

 最初は反発していた現場社員にも“宮端イズム”は受け容れられ、宮端氏は約束通り初年度に黒字化を達成した。

※週刊ポスト2011年6月17日号

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