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本とは無縁だった男性、震災で読書に目覚め毎晩浅田次郎読む

「普段は、マンガを買う程度で本とは無縁の生活だったんですよ。でもいまは小説を読んでないと落ち着かないくらいですね」

 というのは、仙台市在住の会社員・Sさん(26才・仮名)だ。Sさんは、震災をきっかけに、読書に目覚めたという。独身で、両親と一戸建てに同居中のSさん。幸い自宅に大きな被害はなかったが、震災後は3日ほど停電が続いた。

「いつもは家にいると、ゲームやったり、携帯いじったりしてるんですけど、電気がなかったし、そんなことしている場合じゃないだろうって、家の片付けの手伝いをしていました」(Sさん)

 電気が復旧した後も、ゲームには手が伸びなかった。ある日の会社帰り、書店に立ち寄り手にとったのは、『椿山課長の七日間』(浅田次郎著)という文庫本だった。

「何かを買おうと決めていたわけではないんです。ただ、何となく寂しいような気分で本屋さんに寄って、表紙を見ているうちに“読んでみようかな”って。それがすごく心にしみて、面白かったんです。いまは毎晩、浅田次郎さんの小説を読んでます。大げさですけど、本を読んでると生きることについて真剣に考えられるような気がします」

※女性セブン2011年7月7日号

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