国内

原発特需に沸く福島の風俗街に原発作業員NGの風俗嬢もいる

 猛烈な暑さの中、福島第一原発で作業を続けている作業員たちは、激務の汗をいわき市の風俗店などで流しているという。作業員として原発に潜入したフリーライターの鈴木智彦氏が、いわき市小名浜の風俗街の最新状況をリポートする。

 * * *
 7月18日、3連休の最終日、風俗店の客入りがもっとも悪い日を選んで小名浜のソープランド街をうろついた。やはり通りに人影は少なかったが、店舗の駐車場にぽつぽつ車が停まっていたので、ぼちぼち客はいるはずだ。適当な店に上がって経営者やソープ嬢たちに話を訊いた。

「震災前の不景気のときのほうが、混雑するのは週末だけってな感じで、店は暇でした。でも、いまは曜日に関係なくお客さんが来てくれる。原発バブルって言っちゃ不謹慎だろうけど、人気がある子はご飯を食べる暇もない」(ソープランドの男性店員)

 最初に入った店は、小名浜一帯で最も早く営業を再開したソープだという。自称28歳のソープ嬢はこう胸を張った。

「うちの店……オーナーが頑張り屋で、みんなに慕われているから、女の子は全員店に戻ったんだよね。震災翌日、電気や水道が止まっているのに、洗面器にお湯を貯めて営業した店があったみたいだけど、やっぱり評判が悪くて給湯施設を設置しようとなってさ、4月の第2週に工事を終えて店を開けたんだわ。

 この辺は中央の施設から給湯され、個人の家にもボイラーがなかったんです。お風呂に入りに来てもらってるんだから、絶対にお湯が要るでしょう。オーナー、無理して資金を集め、数百万かけてボイラーを付けたみたい。現金が用意できず、泣く泣く廃業した店も3~4軒ある。原発作業員のお客さん……けっこう多いですね。みんな決まって『40万円の日当なんか嘘だった』と愚痴を言うから分かるっぺさ」

 話を聞いてあげるのもソープ嬢の仕事だと彼女は笑うが、中には原発関係の客を断わり、常連客しか接客しない女の子もいるという。

「ワケを訊いたら、悪夢を思い出すからと言ってました。『原発事故の時は放射能が怖くて全然眠れなかった。作業員の人たちが危険な仕事をしてくれているのは分かってる。でも話を聞くと悪夢を思い出しちゃう。最近やっと普段の生活を取り戻したのに、原発や放射能とか、そんな言葉を聞くだけで気分が滅入っちゃう』って言ってました」

※週刊ポスト2011年8月5日号

関連キーワード

トピックス

佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン