国際情報

中国の戦闘機と日米の戦闘機どっちが強いのか専門家が分析

 軍用機総数約2450機を保有する中国人民解放軍空軍。その戦闘機といえば、ほとんどがロシアからの輸入で、米軍の戦闘能力には到底及ばないものと思われていた。しかし、近年、中国の戦闘機開発は“革命的”に飛躍し、米空軍の戦闘能力を凌ぎつつあるという。産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏が報告する。

 * * *
 中国がその空軍力を大増強していることは、もう疑いの余地はない。だがいくら個々の戦闘機や爆撃機の性能をあげても、各機の全体の数を増しても、なお一定のカテゴリーでの戦闘機対戦闘機、迎撃機対迎撃機という実際の戦闘となると、アメリカや日本の空軍力にはまだまだ劣るのではないか。
 
 この点は国防総省の元中国部長で、いまはワシントンの民間大手研究機関の「アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート(AEI)」の中国問題研究員のダニエル・ブルーメンソール氏に問うてみた。
 
「同じ種類の軍用機同士が正面から対等な条件の下で戦うという想定は現実には難しいですね。実際に戦闘となれば、中国側の戦闘機などは大陸の根拠地に近く、通信その他でも有利です。一方、米軍機は自軍の基地からははるか遠くまで出動せねばならない。とくに戦闘機隊は戦場近くでの適切な布陣が簡単にはできない。
 
 遠隔地での兵站作業、航空機の飛行距離、付近の基地へのアクセスなどという諸要因が米中空軍戦闘の内容や結果を左右するのです。万が一、米中両軍機が同じ距離を飛び、同じ条件で正面から一対一の形で戦うならば、それは米軍が優位に立つでしょう。でも現実はそんな状況を許しません」
 
 きわめて理にかなった説明である。

※SAPIO2011年8月17日・24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト