ビジネス

中国株で1億円築くことは大いに現実性ある-中国投資専門家

「投資で1億円」を目指そうと考えるときに、その大本命となるのが中国株だ。経済全体の成長期待も高く、日本の証券口座から手軽に個別株投資が可能なため、海外投資の中でも人気は圧倒的だ。とはいえ、これからも中国株は上がり続けるのか? TS・チャイナ・リサーチ代表の田代尚機氏が解説する。

* * *
世界金融危機以降、米国一極集中の経済構造が崩れ、多極化が進むなか、いまや世界第2位の経済大国となった中国の存在感は高まっている。人民元も国際化に伴って、緩やかではあるが、その価値を切り上げつつある。すでに今後の通貨高を見越して、香港ではここ数か月、人民元預金が急増しているという。

いうまでもなく、世界中の視線が中国に注がれるのは、その経済成長の高さにある。IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでは、中国のGDP(国内総生産)成長率は2011年が9.6%、2012年も9.5%と世界をリードする。依然として世界で最も魅力的な投資先であることは疑いようがないだろう。

実際、個別銘柄の株価推移を見ていくと、過去10年で株価が数十倍になった「大化け株」がゴロゴロしている。たとえば約66倍にまで膨らんだセメント最大手の安徽海螺(コンクセメント)を筆頭に、医療用品最大手の山東威高(ウェイガオグループ)は約64倍、中国最大級のIT企業・騰訊控股(テンセント)も50倍以上などとなっている。

しかも、それは過去の話にとどまらない。世界第2位のGDP規模を誇るとはいえ、中国の1人当たりGDPは依然3000ドルを超えた程度に過ぎない。ここから1万ドルまで急加速する過程で株価がさらなる上昇を見せることは多くの先進国が辿った歴史が証明している。「中国の1人当たりGDPは2020年に1万4000ドルに達する」とゴールドマン・サックスが予測するように、まさにこれから「黄金の10年」が訪れようとしているのである。

何より中国株には「わかりやすい」という最大の魅力がある。市場開放が進んだとはいえ、中国共産党の政策によって大きく動く計画経済であることに変わりはない。今後、政府が重点的に進める政策を見定め、そのグランドデザインに沿った銘柄に投資できれば、より確実な上昇が見込めるのだ。

もちろん、その動きは速く、先んじて動く必要はあるが、そのような銘柄を探し出すことができれば、中国株で資産1億円を築くことは大いに現実性のあることなのだ。

※マネーポスト2011年9月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン