国際情報

北朝鮮 在日朝鮮総連系の人々を韓国籍に移す意図の背景に選挙

 韓国で来年の選挙から導入される“在外同胞”の投票に目を付けた北朝鮮が、選挙工作に余念がない。産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏がその手口を解説する。

 * * *
 韓国で政治の季節が始まっている。韓国人はもともと政治好きだから、一年中、政治の季節ともいえるが、相次ぐ選挙日程を前に政治熱が高まりつつある。

 クライマックスは来年12月の大統領選挙だが、その前哨戦として“想定外”のソウル市長の補欠選挙が飛び込んできた。この結果、今後の選挙政局は、まず10月26日のソウル市長選、次いで来年4月の国会議員選挙、そして大統領選へと“三段跳び”の展開となる。

 焦点は保守が政権を維持できるか、それとも左翼(野党)が政権奪回に成功するか。

 韓国の左翼とは“親・北朝鮮”を意味する。したがって左翼政権の復活は対北宥和政策の復活である。

 そこで北朝鮮の金正日政権は左翼・親北勢力の政権奪還に向け、すでに対韓選挙工作に余念が無い。たとえば、韓国で来年の選挙から導入される在外同胞の投票に目を付けた集票工作がそれだ。

 とくに在日と在米の票が狙い目。在外票を野党支持に誘導しようと懸命だ。日本では朝鮮総連系を急きょ韓国籍に移し、選挙権を獲得させる動きが活発化している。

 韓国では近年、与野・保革・左右の政治的分布はほぼ拮抗している。それだけに、わずかな在外票でも情勢に影響を与えることができる。

※SAPIO2011年10月26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
訃報が報じられた日テレの菅谷大介アナウンサー
「同僚の体調を気にしてシフトを組んでいた…」日テレ・菅谷大介アナが急死、直近で会話した局関係者が語る仲間への優しい”気遣い”
NEWSポストセブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン