スポーツ

90年代阪神低迷理由「弱くてもええ。儲かってるから」にあり

阪神タイガースは現在セ・リーグ4位(10月7日現在)。プレーオフ進出さえ怪しい真弓阪神を見て、“またあの頃に逆戻りするのでは”と心配する虎ファンは少なくないはずだ。その思いは、かつて阪神球団社長として「ダメ虎体質」にメスを入れた野崎勝義氏も抱いている。野崎氏が、「暗黒時代」と言われた1989年からの10年についてこう振り返る。

* * *
私がタイガースに出向した当時(1996年)、阪神は長く低迷を続けていた時代でした。89年から10年間で、最下位が5回、Aクラスがたった1回。でも、当時のフロントはほとんど気にしていませんでした。私が出向してすぐ、久万俊二郎オーナー(去る9月9日に死去)にいわれた一言が、それを象徴していました。

「タイガースというても、まァ一言でいうたら(年商)100億円もない、ちっちゃい会社や。電鉄は3000億円や。強い、弱いとあんまり騒がんでええ」

久万さんという人は、根っからの真面目人間でした。時間があると難しい哲学書を読み、娯楽にはほとんど興味がない。当初は野球にもさほど興味を示していなかったと思います。甲子園球場という「ハード」を活用し、お客さんを呼んで阪神百貨店や電鉄の売り上げを上げるために必要なのが、タイガースという「ソフト」、そういう位置づけだったのでしょう。だから弱くてもまあええか、そう思っておられたようですね。

この「弱くてもええ。儲かってるから」という思いは、球団内に蔓延していました。あの頃は戦力補強などで他球団と争うより、内部での評価を重んじるという志向が第一でした。

※週刊ポスト2011年10月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、大学進学で変化する“親子の距離” 秋篠宮ご夫妻は筑波大学入学式を欠席、「9月の成年式を節目に子離れしなくては…」紀子さまは複雑な心境か
女性セブン
品川区にある碑文谷一家本部。ドアの側に掲示スペースがある
有名ヤクザ組織が再び“義憤文”「ストーカーを撲滅する覚悟」張り出した理由を直撃すると… 半年前には「闇バイト強盗に断固たる処置」で話題に
NEWSポストセブン
現在は5人がそれぞれの道を歩んでいる(撮影/小澤正朗)
《再集結で再注目》CHA-CHAが男性アイドル史に残した“もうひとつの伝説”「お笑いができるアイドル」の先駆者だった
NEWSポストセブン
『THE SECOND』総合演出の日置祐貴氏(撮影/山口京和)
【漫才賞レースTHE SECOND】第3回大会はフジテレビ問題の逆境で「開催中止の可能性もゼロではないと思っていた」 番組の総合演出が語る苦悩と番組への思い
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン