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幼少期のジョブズ「なぜうちが貧乏なのか」が宇宙の謎だった

Mac、iPhone、iPad――全世界で熱狂的なファンを生んだ製品の数々を世に送り出し、“天才”の名を欲しいままにした男、スティーブ・ジョブズ氏(享年56)。一見、華やかに見えるその人生の裏には、養子に出された幼少期、内向的で孤独な少年時代があった。

1955年、ジョブズ氏は米・カリフォルニア州で生まれた。両親はともに米・ウィスコンシン州にあるウィスコンシン大学の大学院生カップル。父、アブドルファター・ジャンダリ氏(80)は中東・シリアからの移民。

母のジョアン・シンプソンさんは、ジャンダリ氏が移民であることを理由に父から結婚を反対されると、単身、サンフランシスコへ。数か月の滞在中に未婚のまま男児を出産した。それがジョブズ氏だった。

全米に感動を与えた名スピーチとして名高い2005年・米スタンフォード大学卒業式でのスピーチで、ジョブズ氏は自身の出生の経緯をこう明かしている。

「私が生まれる前、生みの母は未婚の大学院生でした。母は私を養子に出すことを決心しました。彼女は大学院を卒業した人に引き取ってもらいたいと考え、ある弁護士夫婦との養子縁組が決まっていました。ところがこの弁護士夫婦は間際になって女の子を望んだのです。

こうして私の育ての両親のもとに、深夜、電話がかかってきました。『思いがけず、養子にできる男の子が生まれたのですが、引き取る気はありますか』と。両親は『もちろん』と答えました。

しかし、生みの母は当初、養子縁組の書類にサインするのを拒否したそうです。私の母は大卒ではないし、父にいたっては高校を出ていなかったからです。生みの母は、数か月後、育ての両親が私を必ず大学に行かせると約束して、ようやくサインに応じたのです」

こうしてジョブズ氏は、カリフォルニア州パロアルトに住む、ポールとクララのジョブズ夫妻の養子となった。だが、養父・ポール氏が職を転々と変えながら生計を立てている家は貧しかった。小学生のジョブズ少年が教師から、「この宇宙でわからないことは?」と問われ、

「なぜうちがこんなに貧乏なのかがわかりません」

と答えたというエピソードが残っているほどだ。当時を知る少年時代の友人は、本誌の取材にこう語る。

「スティーブはおとなしく、内向的な性格で、友達も少なかった。いわゆる“オタク系”の少年だったね。まさか彼が、これほどの成功を収める天才だとは、誰も気づいていなかった」

※女性セブン2011年11月10日号

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