夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、薬品メーカーに勤務のご主人(48歳)。奥様(48歳)はフラダンスを習っています。
* * *
「福島いわきのフラガールも復活したし、私もお義父さんたちの前でフラを披露したいわ」という妻の希望で、隣の市に住む僕の両親を招き、我が家で忘年会を開きました。
食事が終わると、ハワイアンメロディーに合わせて、へそ出し衣装の妻が腰をくねらせての登場です。お酒も入り、それまでは陽気に騒いでいた親父が食い入るように妻の揺れ動く腰のあたりを見ています。母もすぐに気付いたみたいで、「いやらしいわね、アナタ!」と、右手で思いっ切りどつきました。
「何をするんだ!」「何をじゃないわよ! どこ見てんのよ!」「ど、どこって……」シドロモドロの親父。「おへそとかジロジロ見て何考えてんのよ!」「エロい気持ちじゃないよ!」「じゃあ、何よ?」「い、いや、お腹が出て、太り過ぎだなあと、驚きの目で見ていただけだ」アチャーッ! 親父、その言い訳はないだろ!
すかさず、妻が反応して「それは失礼でしょ、お義父さん! お腹が出てる云々をいうなら、お義母さんにでしょ!」。すると、今度は母が「アラッ、聞き捨てならないわね」とジロリ。妻は続けて「しらばっくれてもダメですよ。この前一緒に温泉へ行った時、お風呂に入るお義母さんを見て、『トドの入浴』って思いましたもん」。
もう、これ以上は書けません。妻と母の取っ組みあい。僕には妻の腰ミノが関取のまわしに見えました。
※週刊ポスト2011年12月16日号