ライフ

手書きの家計簿 「脳トレ」になり認知症予防効果との指摘も

 カリスマ講師・細野真宏さん著『つけるだけで「節約力」がアップする家計ノート』(小学館刊)は2009年11月に初めて刊行。1か月で完売を記録すると、翌年も完売し、2011年も前年比140%の売り上げで、間もなく完売と大ヒットとなっている。

 デジタル化の中でも驚異的なブームとなっている家計簿だが、「手書き」であることにも意味があるようだ。

 いまは一家に1台パソコンが普及し、無料の家計簿ソフトがダウンロードできる。スマートフォンでも家計簿のアプリが登場し、携帯電話にも家計簿サイトがある。一見するとIT化の時代の流れの中では、手書き家計簿は衰退してもおかしくないと思えるが、逆に部数を伸ばしている。

「パソコンや携帯電話は確かに便利ですが、使いすぎで漢字が書けなくなった、とか、計算が苦手になったという人も増えています。便利と退化は隣り合わせなのです。退化した能力を取り戻し、 習慣的に自然にできる“脳トレ”として、手書きの家計簿が注目を集めている面もあるのです」(細野さん)

 確かに、家計簿はクイズや計算ドリルなどに比べて、実際の生活にも役立ち、習慣化できるメリットも。

 さらに、認知症の予防効果も期待できるという。認知症について詳しい富山短期大学専攻科脳解析学教授の田渕英一さんが解説する。

「認知症になると、脳内で記憶に重要な役割を果たしているシナプスという神経細胞の結合部位が減ってしまいます。しかし、脳を使う生活習慣があれば、このシナプスの数を維持・増加できます。

 したがって、認知症を予防するには、日常生活で使いづらい脳の部分を意識的に刺激することが重要。手書きや計算をする家計簿の習慣は、普段使わない脳の部分を刺激するので、認知症予防にとってプラスの効果があると考えられます」(田渕さん)

 脳を活性化させるには、“楽しむ”意識も重要だという。

「同じ行為でも、“楽しい”と思ってやると脳が何倍も活性化します。家計の無駄を削り、へそくりをつくるくらいの気持ちでやると、さらに効果が上がるでしょう」(田渕さん)

※女性セブン2012年1月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン